3 次コオナアへゆくまへがきへ戻る       *                                                                 をはり                                                     雪 誰が払ひ落してしまふだらうか  月の照る夜にはあたかも花に見える 竹の葉に降り積もつた                                   降る白雪をたれか払はん 家持集                            月夜には花とぞ見ゆる竹のうへに       *                                              ははそはナラやクヌギの総称かといふ あ見なさいと照る月の光である      佐保山の楢の紅葉が散つてゐるからとて 夜ではあるが さ                                  夜さへ見よと照らす月かげ 家持集&古今集                            佐保山のははその紅葉ちりぬべみ                              無題       *                                             りけれへの返し         池主の歌 月見れば同じ国なり山こそば君があたりを隔てた つてをられるのです        のに 貴方は 山を口実にして実のところ 私に心を隔ててしま  山など無ければ良いのに 月を見れば同じ一つの里だといふ                                    同じき里を心へだてつ 十八|四〇七六                            あしひきの山はなくもが月見れば                              大伴池主に報へ贈る歌