安倍女郎
あべのいらつめ
- 生没年 未詳
- 系譜など 未詳。安倍(阿倍)氏は6世紀以来の名門貴族。本拠は大和国十市郡阿倍(現奈良県桜井市阿部)とするのが有力。姓ははじめ臣、684(天武13)年の八色の姓制定の際、朝臣を賜姓される。古事記によれば孝元天皇の皇子大毘古命の子建沼河別命を祖とする。膳臣・阿閉臣・佐佐貴山君などと始祖を同じくする。
- 略伝 恭仁に都があった頃(天平12〜16年)、恭仁京に滞在していた大伴家持より歌を贈られる(08/1631)。独り寝をかこつ歌なので、家持の傍妻か恋人だったと思われる。また04/0505・0506には「安倍女郎歌二首」があり、中臣東人と歌を贈答した「阿倍女郎」(04/0515・0516)も見えるが、万葉集の排列からすると、いずれも家持の贈歌とは時代に隔たりがあり、おそらく別人であろう。
表紙へ