LAN設定の症例報告(2001/3/20作成、2010/02/09訂正 )

 

はじめに

LAN( Local Area Network )は会社、事務所などパソコンを多く使用するところでは、ファイルやプリンターの共有するため必須である。しかし最近は個人でもパソコンの普及により、夫婦・親子など家庭内で2台以上のパソコンを使用するところも多くなってきた。しかし2台以上のパソコンでそれぞれにプリンターを用意したり、インターネットへそれぞれ別々の電話線で接続するのは能率が悪い。最近はまだやや高価ではあるが無線LANが普及し始めて、個人でもLAN接続が注目されてきた。当院においても医院部門と自宅部門のパソコン4台を結ぶLAN接続の1症例を経験したので、ダイアルアップルーターによるインターネットへの接続への経験もふまえてここに報告する。

対象

対象パソコンは 1階診療所部門に 受付事務室用 NEC LavieNX 、院長室 NEC PC9821Xa16(AMDk6-2 333MHz) 、 2階自宅部門が 娘使用の NEC LavieNX 、最新型の Gateway Performance 600TFT の4台である。   
まず配線引き回しの煩雑さを考慮し、無線LANを業者(橋本事務機)に依頼し見積もりを取り検討した。ノートパソコンを持参して下見に来た業者の調査で、鉄筋建ての2階では無線の接続具合がやや不安定なのと、総見積額20万円のコストの高さに(最近無線LAN機器は少し値下がり)無線LANは断念。ちょうど2階自宅の一部改築を機にLAN用の配管をして有線LAN設置に踏み切った。

成績・経過

コスト(費用)
 コストについて無線と有線の比較を下記の表に示す
(H12年4月と7月)
無線の方が機器が高い、しかし最近は無線が普及し価格が下がってきている。
無線は通信速度が2Mbps から 11Mbps へと移行してきているが、有線は10Mbps も 100Mbps も金額的に少しの差である。
インターネットの通信速度がISDNでも 64kbps=0.064Mbps である点からは 2Mbps で十分と思われるが、速ければ速いほど良いのではないかと思うのが人情である。

無線LAN(4月調べ)         \197,500

有線LAN(7月)          \85,760

無線LANノート用PCカード(WLI-PCM-L11)  \21,000×2=\42,000  LANノート用PCカード  \2,980×2=                 \5,960
デスクトップ用PCIボード(WLI-PCI-L11)                      \25,000 デスクトップ用PCIボード \2,400×2=              \4,800
ISDN用DSU付ルーター(AR-100)                               \33,000 ISDN用DSU付ルーター(AR-100)                \33,000
無線LANアクセスポイント(WLA-PCM2-L11)               \75,000 ハブ( LGH-T8L ) \5,200×2=                      \10,400
室内無線LAN設定(プロトコル,ID,アドレス等)\4,000×4=\16,000 室内LAN設定(プロトコル,ID,アドレス等) \3,000×2=\6,000
LANによるインターネット接続設定(DHCP、IP等)          \6,500 LANによるインターネット接続設定(DHCP、IP等) \6,600
LANケーブル、配線工事                          \19,000

 室内LAN設定(プロトコル,ID,アドレス等) \3,000×2 は \4,000×4 を少し値切って設定も2台は自分ですることにした。
そのうちの1台が苦労の元凶となるとはこの時は予測できなかった。
LANによるインターネット接続設定(DHCP、IP等) が無線は\6,500で有線は\6,600となっているのは、見積もりの段階で気付かず。業者もいい加減に値段を付けたものか。

工事・設定・経過

 平成12年6月29日橋本事務機が2人(良一常務と塚本さん)来てLAN配線とダイアルアップルーター設定、パソコン設定(PC9821のみとりあえず)、インターネットできるようになる、プロバイダーへの接続が早い!待ち時間無しの感。
7月3日塚本さんが女性事務員の助手を連れてきて、2階のLAN配線と受付のノートパソコンのLAN設定をしていく。やり方を習う。
7月5日良一常務来て、2階の部屋でGateWay Performance 600 の設定をする。うまく出来ず。持参ノートでのインターネット接続スピードが遅いことも指摘。

Gatewayのパソコンのみ設定うまくいかず
7月12日塚本さん来てGateway Performance 600 TFT の設定をする、LANは繋がるしルーター迄は見に行くがインターネットに接続できず。BIOSの問題かもしれないとのこと。また2階の部屋でのインターネット接続がスピード遅かったのはなぜか、本日問題なし。そしてここから苦悩の日々が始まった。
7月13日 Gateway に電話するも、パソコンのためではないと言う、色々いじっていたらフリーズ!おかしくなってしまう。明日は再フォーマットだ。なお Gateway はサポートは24時間対応で26秒(夜は36秒)10円の電話代でかけられる。電話はすぐ通じるが夜間は通じた後で「混んでおりますのでしばらくお待ち下さい」のメッセージが流れ待たされることあり。
7月14日 Gateway Performance 600 の再フォーマット開始、なんとか出来てLANボードを付けて、設定をするもやはりインターネットには繋がらず、またパソコンの再起動がおかしくなった。
メルコに電話するも通じず。平日の昼間しかサポート受け付けず、十回以上かけても繋がらずあきらめる。メルコのHPから、Winsows98SEでLANボード設定時のシャットダウン問題(富士通製PC)の修正アップデートモジュールがあることを知り、Microsoft からダウンロードしインスツールして、フリーズ問題は解消。やっとメルコに電話が通じてMS-DOS上での Ping コマンド(接続状態を知る)や Windows の「ファイル名を指定して実行」から winipcfg を実行して設定の詳しい状態を知る事はできたが、やはりインターネットには繋がらず!もうあきらめて  Gateway から\9,000以上出して Gateway 保証のLANボードを買うかと思ったが、7月26日塚本さんが来て色々やってくれて見事にインターネットに繋がるようになった。後日判明したが、パソコンの機種によってはIPアドレスがうまく取得できないのはルーターのせいだった、ルーターメーカーよりアップグレードソフトが出ていた(H13年2月)。

ダイアルアップルーター Dialup Router(インターネットやEmailへの接続)

 Dialup Routerとは何か?よく分かりませ〜ん。DSU内蔵、TAの働きも持っていて、LAN接続ポート(10BASE-Tポート)が何個かあって、パソコンではなくDialup Routerがプロバイダーへ電話をかける。ISDNでTAを使ってインターネットするのと、接続してしまえば後は(速度は)同じであるが、接続までが速い。今まで遅いモデムでインターネットをしていたのでともかく速くなった!

Dialup Routerの利点は
 @プロバイダーへの接続が速い ALAN接続の数台のパソコンから1つの電話回線、1つのプロバイダーを通して各自同時に勝手にインターネットができる。2台以上のパソコンでインターネットするならDialup Routerがお勧め。 B自動切断(時間・秒設定可能)なのでインターネットの途中でほったらかしてパソコンから離れてもOk。

欠点は 
@自動接続なのでいつの間にかインターネットに接続していることがある。(最近は勝手にインターネットに接続するようなソフト(アプリケーション)も多くなってきた。「一定時間ごとにメールを読む。ニュースを読む、アップデートする」などのチェックをしないよう注意が必要。従って電話代がどれくらい増えるかが心配。特に今は嬉しくて簡単にインターネットしているし、子供も部屋からインターネット使っているので・・・。電話代については後日報告予定。 A自動切断(175秒(約3分)に設定ている)なので、夜10時過ぎの混んでいる時間帯にやっと接続しても、油断するとまた切れていて、次がなかなか繋がらないことがある。

電話代は
 (H12/9/23更新)
ISDNへの変更により基本料金が、回線使用料:\2,450→\3630 プッシュ回線使用料:\390→\0 ダイヤル通話料が→INS通話料+INS通信料に変わり 月(通話・通信料、総額)3月(\3,860 、\7,098)4月(\3,220 、\6,426)5月(\2750、\5,932)、程度から6月の変更月を経て7月(\9,930、\14,343)8月(\13,730、\18,364)と急上昇?!!しかしこれはインターネットが気楽にできるようになって嬉しくてかなり使った、夏休みで子供が帰ってきて使ったせいもあります。また9月分からは、i・アイプラン(1電話回線=プロバイダー指定への通話料が定額で割り引きとなる)へ変更しているので減る予定。
電話代その後:9月(\7,200、\12,788)10月(\、\)11月(\3,490、\7,969)でi・アイプランのおかげで2000〜3000位は安くついたようです。でも昔(LAN以前)より遙かに金額が(使用量も増えたから?)増えた。今度はフレッツISDNを考慮中。(H12/10/24記)

ルーターの問題点は
自動切断の設定で悩んでます。初期設定は1分、電話代は3分10円なので接続後ちょっと考えている、あるいは文を読んでいて1分過ぎると自動的に接続が切れます。そこでまた他へリンク等するとすぐ繋がるけど電話は2通話目に入る訳です。そこで設定を3分(180秒弱)に設定し直したけど、今度例えば4分で止めるとそれから3分即ち開始7分で切れる(3通話)になってしまう。つまり1通話分多く電話接続することになる。今はまた1分に戻してまだ切らないときは1分以上じっとしないように気を付けてます。
平成13年3月からフレッツ・ISDNにしたので24時間繋ぎっぱなしOk!でもウイルス予防のため10分位で切断設定。

用語説明

DSU(Data Service System):ユーザーがデジタル転送を行うためのサービス装置
INS(Information Network System:高度情報通信システム)NTTが1988年から始めた日本版ISDN。64kbpsの回線を用いたINSネット64が実用化、1989年からはもっと高速な1.5Mbps回線を用いたINSネット1500が始まっている。
ISDN(Integrated Service Digital Network:サービス統合ディジタル網)データだけでなく音声や画像などの情報もすべてデジタル信号化して伝送するネットワークで、国内ISDNとしてはすでにINSがある。
TA(Terminal Adapter:INSネット64に、従来の電話機やモデムなどを接続するためのアダプター)

考察

 無線LANと有線LANについて。私は無線LANでは接続(通信)に不安があったのとコストの点で有線LANにしたが、無線LANのコストは最近下がってきている。通信速度の点では圧倒的?に有線LANが速いが実用上(特にインターネットが目的なら)無線LANで十分である。無線LANもコストが下がってきている最近では、配線の煩雑さを考えると電波が届く・通信可能・木造建築などなら無線LANをお勧めする。無線LAN木造なら50〜100m届くとのこと。

 LANのメリット。@どこからでもインターネット:ルーターは付けっぱなしなので、インターネットをしたいパソコンだけつければインターネットできる。Aファイルの共有:受付で入力したデータを院長室パソコンにも保存。デジカメのスマートメディアのデーターはPCカードアダプターから院長室パソコンのZipに保存、Zipのデータ(画像)をノートやGatewayパソコンで取り出し使用。Bプリンターの共有:2階自宅子供用ノートパソコンは印刷したいときはGatewayパソコンとプリンタの電源を入れて印刷。ノートパソコンの持ち運び不要。

 設定費用LANによるインターネット接続設定(DHCP、IP等) \6,500〜\6,600はルーターの設定、4〜5分で済んだみたいだし、インターネットエクスプローラーを使って簡単設定とパンフレットにはうたってる。\6,600?ケチって自分でできるのではないかと思うけど・・・・。室内LAN設定(プロトコル,ID,アドレス等)\4,000は値切って\3,000の2台にしたが、アプライドは店で買ったときは?\2,000と書いてあった。ヤマダ電機で聞いたら\10,000とのことだったが、設定の仕方は色んな本に書いてあってノートパソコンの場合は私でも簡単にできた。この程度に\3,000も出すのはもったいない!でもでもGatewayはなぜかうまくできず業者にしてもらった。LANボード含めて1万円の価値有り。
 パソコン2台をLANケーブルで繋いだときは自分1人でうまく接続できたので、う〜ん、許されればうまくできない時だけ設定費用を払って頼むのが一番得策か。

まとめ

パソコンが2台以上になれば、LANを考えよう。ファイル、プリンターの共有ができる。
パソコン2台以上でインターネットするならダイアルアップルーターがお勧め。
無線LANなら配線も不要。
パソコンを業務用にも使うなら絶対LAN、家庭用でもLANはいいですヨ。
最後に、このような小さな字で文章のみごちゃごちゃ書いた拙文を完読戴いたあなたさまに感謝します。

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