宇都宮貨物ターミナル駅(以下ウタ)の所在地と同じ栃木県上三川町には、日産の栃木工場があり、かつては多くの新車がウタからク5000車運車により運搬されていました。ク5000は、S41から製造され最盛期には1000両近くが活躍したポピュラーな貨車で、2階建て構造、妻面からの自走積み込みによる小型乗用車運車です。一両あたり8〜10台を搭載できました。残念ながら、H8までに全廃され、カーキャリアによる輸送やコンテナ輸送に切り替わりました。 |
ウタの正門に近い場所に下のような設備が残っています。これは、ク5000の荷役設備と思われますが、達磨小僧は現役時代を見たことはありません。ジャンプ台のようなものは、ク5000の2階部へ自動車を導くアプローチであると考えられます。「上野製作所」という表記も見えます。なお、向こう側に見えるトリコロールカラーは、車運コンテナ(「日産陸送」=現「ゼロ」所有)です。 |
角度を変えて観察すると、およその構造がわかってきました。 ■2本の荷役線がある。 ■プラットホームの先端に自動連結器が備わっている。(転動止) ■2階へのアプローチは平行移動でき2本の荷役線で交互に利用する。 ■そのための電動機が見える。また、前後にも移動できる。 |
この設備は、ク5000と運命をともにし現在では無用の長物と化してしまいました。が、近年ウタの極近くに北関東自動車のインターもでき、ウタは結節点として新たなモーダルシフト施策に寄与できる可能性も出てきたと思います。そのとき再び何らかの活用ができるといいですね。 |
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作成 2002.11.24
写真撮影 2002.11.17
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