東北新幹線上りMAXの2階に乗車して小山駅を発車すると、左の車窓に水戸線が急カーブを描いて市街地を東へ伸びて行きます。やがてその方向から架線柱と線路が姿を現し、やがて足元に吸い込まれてゆきます。これが、上野方から東北本線を下ってきた列車を直接水戸線へ導いていた短絡線です。ここでは、水戸線短絡線と仮に呼ぶことにします。 この線路の沿革は、以下のとおりです。 1950.12短絡線設置 1967.3水戸線電化完成 1992 廃止 かつては、上野方からの直通列車も運転されていました。当然ですがこの列車は、間々田を出ると次は小田林で、小山駅には停車しませんでした。 |
地図で見るとまことにきれいなデルタ線が描かれています。が、複雑な線路配置のため小山駅東口南部は区画・道路が分断されています。短絡線の延長は、650m程です。 ちなみに、上野方から水戸方へスルーする場合はどのような運賃計算だったのでしょうか? ちょっと興味がわきます。(古い旅規や時刻表を見てみたいもんです) |
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水戸方分岐点から小山駅方を見る。 右が水戸線、左が短絡線で、分岐器も健在です。 短絡線側の奥に、枕木による車止めが見えます。 |
分岐点の脇から小山駅方を見る。 分岐側(短絡線側)速度制限45km/hの標識と 信号機の基礎が残っていた。 さらに、ポイントマシンも現存。 |
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分岐点の様子。 短絡線と現在線の対比、そして、短絡線が徐々にトワイライトゾーンへ入って行くさまが面白い。 この付近だけ、架線は途切れているがその先は現存している。 |
中間点付近。 奥側が水戸方。 住宅地の中をトワイライトゾーンが延びる。 線路はもちろん架線も健在。 |
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前方に東北新幹線の高架が見えてくる。 奥が上野方。 線路・架線ともに現存。 |
そして、いよいよ東北本線と合流と思ったら、 線路は・・・途切れていた。 本線との分岐器は撤去されており、安全側線が草むらに埋もれていた。 東北本線下り線からは、上り線をまたいで合流していたはずであるが、その渡り線も跡形なく消えていた。 この分岐点は、なんと呼ばれていたのか?信号扱い所はあったのか?・・ますます謎がわいてくる。 |
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「小山の短絡線」というサイトにも詳しく紹介されています。
水戸線短絡線は、すぐにでも現役復帰できそうな様相で大半の施設が現存しています。 JR東日本は、何かの目論見をもって現状を維持しているのかもしれません。東北本線と常磐線が水戸線経由でスルーできることは、一朝異常事態のときは大きな力となるでしょう。 実際に、S37.5.3に起きた三河島事故の時は、常磐線優等列車がこの短絡線を通って迂回運転されたようです。 できることなら、この手の目的で復活しないよう心から祈っております。 |
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作成 2002.8.28
写真撮影 2001.5.27 2001.6.17
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