■平日日中の宝積寺にて■
  宝積寺駅


1.PFの昼寝

東北本線宝積寺駅。栃木県高根沢町にあるこの駅は、烏山線の分岐駅であること以外とりたてて特色のない都市近郊の駅というよりむしろ田舎の駅という表現が似合う駅です。「おはとち」「ほむとち」の新特急(この列車種別ももうすぐ消える)は、止まりますがそれ以外の優等列車や高速貨物列車は歯牙にもかけない、有名な小説風に言うと「小石のように黙殺」するこの駅で平日日中延々とEF65PFが公衆の面前で昼寝をしているのです。
昼寝するPF 昼寝場所は本屋のすぐ北側、駐車場に隣接する貨物側線。パンタも降ろして熟睡体制。
こんな風に、車に埋もれて眠る。睡眠はおよそ6時間。 車に埋もれての昼寝


2.5591レと5564レ

宝積寺駅は、北側に太平洋セメントの事業所が隣接しており0.3kmほどの側線が本線に並行して伸びています。この事業所にセメントを運んでくるのが7:00着5591レ、空車を返すのが13:42発5564レです。この間合い時間が昼寝時間となるわけです。このセメント列車は明星セメント所有タキ1900(糸魚川駅常備)で編成されています。カマは新鶴PFです。ある日、5591レの入れ替え風景を見ようと早起き?して宝積寺にやってきました。

3.5591レ フォトドキュメント

5591レ 7:00宝積寺の中線に到着。しばらく待機する。
7:30北側へ引き上げを開始し、下り本線に進出する。今日は、タキが7両だ。
7:33推進で下り本線から分岐する側線に進入する。 推進運転中
単機転線中 7:36タキを開放して単機となり昼寝線へ転線する。あれ、誰がタキを移動するの?
セメントの荷役施設。線路の間からダクトが出てきてタキのタンク底に接続しセメントを抜き取る。タンク側面のバルブから圧搾空気が送り込まれセメントの放出を促進する。
おや、あのシートをかぶったものは?
セメントの荷役施設
謎の車両 トロッコか?はたまた???
7:43なんとアントが登場。おもむろに燃料補給が始まる。「アントのホームページ」によるとアント20型らしい。ロビンエンジンEY80の銘板も見えた。 アント登場
アント出動 7:50いよいよ出動。水平対向0.8Lサイドバルブエンジンの響きも軽快にタキを迎えに行く。
7:58まず4両を連れてくる。速度は歩行速度くらいだがあの小さい体で真っ黒いタキに挑む姿は圧巻だ。 4両のタキを牽引
連結状況 連結器の下に油圧装置があり、これで貨車の荷重の一部を受け軸重=粘着力に換える。これがアントの牽引力の秘密。
7:59荷役施設に到着。抜き取り作業が始まる。このあと、一両分づつ移動し作業が続けられる。 荷役施設に到着
アントの墓場 側線のはずれにアントと思われるものが3つ。さながら、先祖代々の墓。
事業所の全容。
この続きは・・・・会社に遅刻するので見ていません。5564レの発車までずっと見てみたいものです。今度、半休しよっと!ビデオもとりたいし・・・
荷役施設の全貌
現地をお訪ねになる皆様へ
上の写真を撮影した場所はちょっと微妙です。それは、下の写真の左端に見える通路がその場所だからです。駅の構内なのか、事業所の中か判然としませんし何より線路が近いのです。ただし、地元の方の通路としては黙認されており通行者もそこそこあります。そこで、老婆心ながら現地をお訪ねの際は
■作業者の方には撮影する旨挨拶をしましょう。
■周囲に常に気を配り通行や作業の邪魔にならないようにしましょう。
■線路からは極力距離をとりましょう。
といった常識的な行動を是非お願いします。

4.あとがき

側線全景

昔、私が小学生の頃(山陰線沿線にいた)抱いていたイメージは
@大きな工場がある「市」の駅・・日通マークの専用機。
A「市」の駅・・動輪マーク(JNR)の移動機。
B「町(町役場のあるような)」の駅・・アント。
でした。私の実家の最寄駅はAで、移動機がロッドふりふりマフラー蓋はたはたでD51の貨物列車がおいていった貨車をあっちへこっちへ動かす風景は見ていました。しかし、アントの奮闘振りは見たことがなく、齢4×にしての初体験は新鮮かつ感動的でありました。昼寝のPFとアント。まさにアリとキリギリスの宝積寺駅平日日中です。



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作成    2002.10.26
写真撮影 2002.10.4

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