■東武鉄道30号機■
(葛生町 喜多山公園)


1.車両の沿革

 この機関車は、東武鉄道が、T4から自社発注で導入したB3型蒸気機関車(No.29〜34)のうちの一両で、英国Bayer Peacock社製です。
東武鉄道は、同じ2B(先輪2+動輪2)の軸配置を持つ蒸気機関車を創業初期から導入していましたが、本機は比較的後期に導入されたものです。(鉄道省からの購入機をのぞく)そのため、東武鉄道では、「新英型」と称していました。
T4といえば、機関車の国産化もようやく実現しつつある時期であり、輸入でなおかつ当時としてもやや古典的なこの機関車を導入した経緯は明らかではありませんが、あえて言うと、性能より既存機との運用の共通化などを狙ったものと考えられます。
なお、同型34号機は、東京都大田区に保存されています。
注)導入時期についてはT3との説もあります。
項目 諸元
運転整備時機関車重量 36.61トン
運転整備時炭水者重量 23.72トン
全長 14.472メートル
動輪直径 1524ミリ


2.保存状況

展示看板
諸元は、資料により若干異なる。
最高速度98km/h?
ほぼ同じ動輪直径のC58やC11は85km/hである。
オープン保存のため、またぐらにもぐりこんでスチブンソン式弁装置のエキセントリックを観察することも容易。
くもの巣に注意!
ペルペア式の四角い火室形状がよくわかるキャブ内も荒廃が著しい。
計器類はほとんどなし。
日本の標準機と異なり右がドライバ(機関士)席だ。

3.あとがき

 非常に貴重な古典機なのですが残念な保存状態です。プレート類もほとんど残っておらずBP社独特の動輪スプラッシャ上に付くメーカーズプレートもありません。
 このイギリス生まれ齢90歳に手の届く騎士をこの地で朽ち果てさせないよう、どなたかパトロンになっていただけませんか・・・・?



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修正    2002.10.6 先頭写真サイズ
作成    2002.8.9
写真撮影 2001.9.9

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