■日本鉄道(東北本線)■
 宇都宮−矢板間旧線

 
第三章補足
現在線鬼怒川橋梁(上り線)2代目橋梁
架橋工事を古絵葉書に見る

 
資料提供 Nao−S様
「東北本線鬼怒川橋梁複線工事の光景」
岡本側から撮影したものと思われる。新しい橋脚が並び、橋梁下部構造工事が完了している様子である。列車が走行しているのが当時の本線であり、M30路線変更時に建設された線路(初代橋梁)と考えられる。初代橋梁は、現在線(上り線)の第1・2ガーダと同じ位置にガーダを架けているが、その先、トラス桁の位置まで築堤でアプローチしている。

資料提供 Nao−S様
「東北本線鬼怒川橋梁複線工事中大正六年十月一日洪水の光景」
宝積寺方から撮影されたものと思われる。新しい橋脚はまさに、現在線(上り線)の橋脚の意匠だ。奥の初代橋梁のトラスは、現在のものと似ているが、ピントラスである点(現在線はリベットトラス)、斜材がシングルレーシングである点(現在線は穴あきプレート)、垂直材がない点が異なっている。
現在の上り線橋梁。絵葉書撮影時の水位の高さが想像される。手前から3番目橋脚の桁台座は補強されておらず、絵葉書どおりの原型を保っている。

資料提供 Nao−S様
「東北本線第二絹側橋梁架設工事実況鬼怒川右岸より橋脚基礎箱枠沈下工事を望む」
現在の上り線かと一瞬見まがうが、その下流側で箱枠(ケーソン)の沈下工事が行われている。3枚のうちこの絵葉書が、最も早い時期に撮影されたと思われる。なお、他の絵葉書を見ても、初代橋梁の全長が「日本鉄道覚書」にあるように800フィート(=100フィート8連)であったことを裏付けることはできなかった。解りにくいが、画面左端地近くの築堤脇に建屋がある位置が現在線の橋台位置であると思われる。

更新    
作成    2002.3.1

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