《雑文集》
2000年6月13日
ここで想定している“よいページタイトル”の“よさ”は、文学的価値とはあまり関係がない。HTML4仕様がわざわざ注意書きをつけているような、文脈抜きで自立した内容となっているタイトルを“よい”と考えるものである。
ウェブのユーザビリティに関するコラムを5年間も書き続けているJakob Nielsenは、ページタイトルやメールの表題などのことを“Microcontent”と呼び、1998年9月6日付のコラムでよいMicrocontentを書くための指針を示している。
同日付のコラムには、指針の他、よいタイトルの例と悪いタイトルの例が、Tim Berners-Leeのスタイルガイドよりも数多く具体的な指摘を伴って掲げられているので、非常に役に立つ。
自分が日本語で書いているために、Nielsenの“Microcontents指針”が当てはまらない点もあるけれど、7つの指針のうち4つを心に留めておけば、ページタイトルに関する迷いは晴れそうだ。忘れないように自分の言葉に訳しておこう。
実は、この指針を頭に入れ、あれこれと思い描いていたネタを短文にまとめてページタイトルをつけようとした途端に、よいページタイトルがつけられなくなってしまった。
考えるまでもなく、どんなにがんばってもよいページタイトルがつけられない場合はページ内容がよくないのである。言うべきことが不鮮明であったり、何も言っていなかったりするようなページ内容に、よいページタイトルをつけられるわけがない。
ここで敢えて、あまりにも当たり前かつ最も重要で、しかも最も忘れてしまいがちな、“よいページタイトルをつけるコツ”を書き足しておく。