Scribbles.?雑文集》 2000年8月29日

被扶養配偶者の国民年金種別変更手続を促す文書を作る方へ

内田明 <uchida@happy.email.ne.jp>

夫と子の両者を扶養している女性に対して、今回支給する給与と併せて、次のような文で始まる“配偶者の国民年金種別変更手続を促す文書”を渡すこととなった。

今回65歳到達により厚生年金保険の資格を喪失される予定者に、60歳未満の被扶養配偶者がいる場合は、奥さまの国民年金の種別は第3号被保険者から第1号被保険者に変わりますので、市区町村の国民年金の窓口で「種別変更」の手続きが必要です。

この文書を作成した社会保険事務所が言いたかったことは、「扶養者及び被扶養者の性別の如何にかかわらず、厚生年金保険の資格を喪失する扶養者に60歳未満の被扶養配偶者がいる場合は、被扶養配偶者側の国民年金の種別変更が必要だ」ということだと思うのだけれど、実は文面通り、男女の年齢や扶養・被扶養関係のパターンを問わず、常に「奥さまの国民年金の種別」が「第3号被保険者から第1号被保険者に変わ」るのかもしれない。

実際に意図している内容は前者で間違いない筈だが、書かれた文からは、この文書を作成した人々の常識や想像力の範囲には、「姉さん女房」は入っているものの「専業主夫」というようなものは存在していないのだろうということが想像される。

現在の日本においては、自らの選択において「専業主夫」となったものではなくとも、“妻は月給取りだけれど夫はリストラ中”といったパターンの組み合わせもあろう。家庭の経営形態はワタクシの常識を超えて更に多様化している可能性があるし、ワタクシの家庭の経営形態も今後どのようになるか判らない。

30年後にもし国民年金制度が継続しているならば、ウチには、男女の組み合わせがどんなパターンであっても平易かつ的確に理解可能であるような通知を出してくれるよう、ここで今からお願いしておく。


2000年8月29日
内田明
email: uchida@happy.email.ne.jp