《雑文集》 1999年12月26日

ルビのi18nフォーマットにコメントしてみようかなぁ

W3Cの作業ドラフト "Ruby Annotation" (http://www.w3.org/TR/1999/WD-ruby-19991217/) がラストコールになっているので、熟読のため邦訳してみた。

さて、これをレンダリングするには、WD-i18n-format (19990910)が更新される必要がある。少なくとも、単純ルビの扱いに限定しても、ruby-positionプロパティの値は「above | below | inline」から「before | after | inline」へと変更されねばならない。グループルビでbeforeとafterの双方があり得ることを考えると、ルビボックスモデルそのものの変更や、ruby-positionプロパティを持つのがruby要素であっていいのか? といった疑問も出よう。

次の版が出る際に上記のような事柄が解決するであろうとして、WD-i18n-format (19990910)を再読していて、"Ruby Annotation" の更新とは無関係にコメントしておくべきかどうかと思う点が幾つか生じてきた。

• ruby-positionプロパティに "auto" を加えるという考えはどうか。「文書の書き手側が、読み手のUA設定に、積極的にルビ表示方法を委ねる」という意志表示。

• ruby-positionプロパティに "inline-lines" のようなモノを加えるという考えはどうか。平たく言うと、割り注のような具合にして「よみがな」を表示するもの。辞書事典類でポピュラーだと思うのだが。(まぁこれは次のようなスタイル指定で行なえと言われるかもしれない。)

  
  ruby.warichu {
  
    ruby-position: inline;
  
    text-combine:  lines;
  
  }
  
  

• ruby-alignプロパティの値autoに関する推奨レンダリングに、「wide-cell glyph と wide-cell glyph」のケース及び「wide-cell glyph と narrow-cell glyph」のケースしか載せないのは International Layout を規定する文書として何か抜けていないか。双方向性の問題を除くとしても、例えば日本語話者向けのヒンディー語入門書などでは、「wide-cell glyph と connected glyph」や 「narrow-cell glyph と connected glyph」という組み合わせが実際に見られる。「ルビ」と呼べるかどうかは微妙かも知れないが、アラビア語入門書には、横書きrtl方向のアラビア語の次行に、やや小振りな大きさのltrなカナで発音を示すものもある。

日本語によるコメントも歓迎されているので、次のドラフトを待ったりせずに、とっととコメントすべきだろうか。