JIS X 0213なTrueTypeフォントであるKandataは、wakabaさんが開発されたフォントです。ラテン文字等については、Yannis Haralambousさん及びTereza Tranakaさんによる『lt1-r-omega-serif.ttf』が利用され、またそれ以外のJIS X 0208な部分については、石川睦さんによってTrueType化された『渡辺明朝』が利用されており、残りをwakabaさんが製作されました。
このKandataはMS Windowsフォーマットのフォントですが、富田さんによって変換されたApple Macintoshフォーマットのものも配付されています。
2000年11月25日頃、Kandataの原制作者であるwakabaさんが、“Kandata 1.7.1”を最後に、Kandataの開発・保守から手を引かれる旨を表明されました。JIS X 0213メーリングリストで確認されていたバグのうち、Kandata 1.7にあった漢字部分のバグについてはKandata 1.7.1で修正されていましたが、知られている範囲では数学記号において幾つかJIS X 0213不適合な箇所が残っていました。
面区点位置 | Kandata 1.7.1 | 正しい字形の例 |
---|---|---|
1-2-36 | ||
1-2-37 |
また、誤りとは言えないかもしれないけれども修正した方が便利だと思われるものもありました。
面区点位置 | Kandata 1.7.1 | ありがちな字形例 |
---|---|---|
1-2-15 | ||
1-6-70 |
この、幾つか残っている不具合を修正する作業のお手伝いをしようと内田は考え、MS Windows用のTrueTypeフォントエディタであるTTEditを用いて修正用の字形データ(TTEdit用csvファイル)を作りました。
2000年12月9日、上記の修正ファイルの他、wakabaさんから提供していただいた、1面94区31点に対応するグリフデータを修正するデータを組み込みんだ“Kandata1.7.20001209”を製作し、ウェブに置きました(http://www.asahi-net.or.jp/%7Esd5a-ucd/freefonts/Kandata172.tar.gz)。
“Kandata1.7.20001209”では、前述の変更の他、両仮名に関係するデータについての変更も加えました。変更は次の通りです。