ポール・アンカ

 アメリカの50〜60年代を代表する歌手の1人。もしくはその第一人者とも言える。

 みずから曲を作り、唄ったシンガーソングライターでもある。10代半ばで「ダイアナ」が世界的大ヒットとなった。第二次世界大戦中に連合軍が敢行したノルマンディー上陸作戦を描いた映画「史上最大の作戦」では兵士役で出演すると共に、主題歌「The longest day」を作り唄い、これも世界的ヒット曲となった。

 来日した時のマスコミ対応の悪さから、日本では毀誉褒貶の激しいタレントであったが、40歳代で「マイウエイ」をヒットさせ、衰えぬ人気を見せ付けてくれた。

 歌詞を大変丁寧に唄うので、英語のヒヤリングの勉強にオススメの人でもある。

 

史上最大の作戦(The longest day

 決して戦争を美化しない歌詞にポール・アンカの良識を見たような気になる。愛国心あふれるこの唄を作った時、彼はまだ20歳前後であったはずで、アメリカンポップミュージックが不良の音楽だと言われて育った僕は運が悪かったと思う。

 そして、やはり戦後の日本の歴史教育により日本人が自国を愛する気持ちに良くない影響を与えている、そんな気がする。日本軍が大陸で行った行為を肯定するつもりもないけれど、国を愛さない理由にはならないだろう。

 

ダイアナ

 余計な解説はいらない、20世紀のポップスの代表的なナンバーである。サックスが聞こえてくるだけで鳥肌が立ってくるのは僕だけでしょうか。

 日本では山下敬二郎がカバーしたので50代以上の人なら誰でも唄える歌。僕は昔、カラオケスナックで当時の職場の上司を差し置いて唄って怒られた事がある。それ以来年配の人の前では唄わない事にした。

 

マイウエイ

 フランク・シナトラが唄うとある種の(マフィア的というのか)凄みが有ったが、作者のポール・アンカ自身の唄も年輪を感じさせて、幸せムードを見た。

 本質的に、ポール・アンカは詩人なのかもしれない。それほど哲学性は無いけれど、人生の喜怒哀楽を自然と表現できる才能が備わっている、素晴らしいと思う。

 ただ、僕はこの曲をカラオケで唄うのはちょっと恥ずかしいと思うので、もっぱら発声練習的にその日の1曲目に唄うような事をして周囲の顰蹙を買うのであった。


2001.7.7掲載