なるたけ画面はつつかない
ThumbTyperの為の環境カスタマイズ
palmOS機の入力性への不満…フツーThumbType
タッチパネルなんて、スタイラスなんて…
私、実は、タッチパネルって、スキじゃありません。
- 触っちゃうと手垢付いて見づらいし(これは脂症のせいで、個人差アリアリ)、
- スクリーン保護シートは真っ直ぐ貼れないし、泡が抜けないし(これは逆怨み)。
スタイラスを使えば手垢の恐怖からは開放されますが、
- つつく動作をするのに専用モノでないとパネルは傷になるし(この矛盾は結構ストレスの元です)。
で、それをアテにされて手書き入力対応等ということになると、
ましてや、
- 人として当然の普通の文字では認識されないなどとなると…えへ、えへへへへへへ…
ましてやgraffitiなんて…
…そもそもgraffitiは貧弱な解像度で眼精疲労を誘い視力を奪う陰謀をも凌ぐ秘密結社palm教団最大の秘儀なのだオレはしってるぞ漢字の手書き認識など十年も前から実用化されているのにあんなに値の張る機械にわざわざ実装しないなんて他に理由があるものかそうあれは憶え易い速記法などであるはずもなくpalm教団への忠誠の証しに機械文字を強要されているのだわかってるんだぞだいたいどいつもこいつもコロっとダマされやがって憶える必要などないものの憶え易さを誇らしげに説くところですでに詐欺と気付けなかった愚かで哀れな犠牲者は徐々にしかし確実にpalm教に蝕まれ人間性を失ってそして最後には日常の文書もgraffitiで書くようなもう普通の人間とはコミュニケーションがとれないダメ人間になりしかも他人にもgraffitiの優越を説く加害者になってしまうのだおやなにをするまさかおまえその手に持っているものはよせやめろこっちにくるな目を覚ませこのだめだめ野郎め貴様も元は人間だろうよせくるなくるなくるなーっ…
…ナニ、そんな毒電波まきちらす程イヤならヤメちまえ? あーやめてやるとも。ということで、私はさっさとThumbTypeを貼ってしまいました……魔除にな。ほーら、貴様もコレを貼らないと呪われてだめ人間に…(<あー、しつこい)。
ThumbTypeにも欠点
ThumbTypeがどう言うものかについては、検索エンジンで一寸調べれば死ぬほど出てきます。私が一番詳細と感じたのは「Around the Mobiles内つかいこむ内
ThumbTypeをより使いやすく(1)(2)(3)」でしょうか。とにかく、graffiti不適合者には救世主と呼べるほどのスグレモノです。しかし、手放しで褒められたもんでもありません。
- 当然ながらシルクスクリーン領域にアクセス出来なくなる
- そんなことは自明過ぎるので開発者はファンクションメニュー画面や仮想シルクスクリーン画面を用意してくれています。一応コレで支障はナイはずです…標準的オペレーションのみなら。でも、palmのコミュニティはシルク領域での非標準的なオペレーションを検知して起動するpalmwareをいくつも産み出しています。ファンクションメニューではこれらを用いることができませんし(隠しファンクションで1つだけ拾えるイベントがあります、後述)、仮想シルクスクリーンでも「表示域に向けてドラッグ」など再現出来ないイベントがあります。
- スタイラス操作の煩わしさが倍増
- palmはもともとスタイラスでつつく操作スタイルを前提に設計されたものです。ふた開けてスタイラス手に持ってからスイッチいれるというのが正しい作法になります(電源ボタンもアプリーケーションキーもスタイラスでつつくのが通)。ですから、シルク部位だけでなくメニューバーや表示されたメニューをタップする操作も遠慮なく出てきます。本来これは難なく出来るのです。
- しかし、ThumbTypeを導入したpalmユーザーは、必ずしもスイッチ入れる前にスタイラスを構えなくなります。ディスプレイをつつく必要が出てきてからスタイラスを抜刀することになるでしょう。実際は同じ動作が後先になっただけですが、操作の流れは大きく妨げられますし、続いて文字入力ともなると、抜いたスタイラスの所在がない。持ってるのも戻すのもなんかマヌケです。
- 4段あって数字が独立してればなあ
- そうすれば配置に関する違和感がずっと緩和されるし、特殊記号画面なんざいらなかった筈ですが…テストの末にピッチが足りないって事になったんだろうなあ(これはグチ)。
いくら私が個人的にスタイラスがキライでもgraffiti不適合者でも、palmってソレを用いるように設計された機体ですから、やはりThumbTypeはユーザインタフェイスの統一性を破壊する外来の異物であるという事実は動かし様もありません。ま、その他の拡張キーボードもsilkeyboard以外全てそうなんですケドね。ちなみにその殆どは「キーボードを使うゾウ!」「Muchy's Palmware Review!」
で報告されており、どちらにも記載が無いものにhalfkeyboardとACERのG500とG300があります。ついでにいえば、ザウルスE-1や外付けキーボードでも同様、L-1ではインタフェイスはどのくらい改善されたんでしょうか?…閑話休題。そして、最大の弱点は…
-
かなりマシにはなるものの、これで長文入力もOKなどといったらそれはウソ
- palmは表示性と入力性を思い切って切捨てた代償に携帯性を採った機体ですから、この程度の小細工ではどうなるもんでもありません。携帯操作性を水泡に帰させるサイズのキーボードでも繋がない限りは。
欠点を補う環境構築…毒を喰らわば皿まで?
ま、最後のヤツはおいといて、他の欠点をいずれも容認するとなると、ThumbTyperの取るべき融和策はほぼ決まってしまいます。
- 可能な限りの操作をスタイラス(非標準オペレーションを含む)を使わないですむ方向にカスタマイズしていく
しかないのです。つまり起動してしまえばあとはハードボタンで操作可能な置換アプリを探すってことです。さしあたり標準ではタップにしか対応してないランチャ対策が急務ですね。…palm元来の姿からはどんどん遠ざかりますが、見方を換えればこれは「graffitiやスタイラスが不自由な人」に対するバリアフリー化とも云えます。「手が震える」など、趣味やモノグサ以外の理由を持った方もいらっしゃらないとは限りません(<我田引水)。
また、上記の物をインストールする事で玉突で押出される機能があるなら、それの救済策・代替案も視野にいれていきます。
スライラスフリーアプリのご紹介
さて、palmwareは星の数ほどあって紹介しきれないので、ここでもう少し枠をはめ、ご紹介はフリーウエアに限定します(フリッポと同手口)。え、HackMasterがフリーじゃ無いだろって? EVPlugBaseもX-Masterもありまんがな。また、日常的にシルクボタンを用いるもの、インクリメンタルサーチなら効くもの、は元来スタイラスフリーではないので、これも除きます。
この様にハードボタン操作にこだわると、面白いことにCLIE用に開発されたソフトが該当することが多くなります。これはジョグダイアル用に開発されたソフトが他機種用にハードボタンに機能代替を用意している事が多いからです。
アプリランチャ
- RonDo
- イチオシ。もとはCLIE用。ハードボタンに割当てると、それと上下キーだけでだけでアプリが起動できます。標準ランチャのカテゴリ分類は踏襲されませんが、Rondoの独自設定として分類を設定できます。私はメモ帳をdaMemoPadに任せて、跡地にこれを充てました。「輪舞」という命名は盗みたい程センス良すぎ。
DAランチャ互換
- LazyLauncher
- イチオシ。ハードボタンの長押しでDAメニューが立上がってきて、上下ボタンで選択、起動指定ボタンの再押下で起動。4つのハードボタンそれぞれに対してこのHackを利かせるかどうかが選べますが、住所録のボタン長押しにはもともと名刺ビームが充てられているので、そこは外したほうがいいかも。
私は予定表ボタンにだけ割振っています。
docリーダー
- Haut-MeDoc
- これは一寸毛色が違って、画面を指でタップさせるUIです。つまり、スタイラスはなくても何とかなるけど液晶保護シートは必須。
- SimpleDOC
- こちらは、もとはCLIE用。使用上の注意としては、ハードボタンを乗取るので、Fn+[H]で標準ランチャにヌケないと何処にも行けなくなります。
…実はどちらもイマイチ。理由は、どっちにも可読上限(感触では100KBくらい?)があって、それを超える大きなDOCは途中までしか読めないんです。…なんの為のDOC形式だか?
置換DAソフト:心置きなくハードボタンを明け渡す為に
- daMemoPad
- メモ帳データを読み書き分類が出来る、完全互換のDAソフト。私はこれを使うと心に決めてメモ帳のハードボタンを空け、RonDoを充てました。
予定としては、ここがこの企画のキモで他は全部前振りと余談なのに、なんだかしょぼいことになってしまいました。ま、おいおい充実するだろうということでご勘弁下さい。
おまけ1:ThumbType1.1以降の隠しファンクション Fn+[L]
これがなぜ現在ver.1.2のマニュアル(迂闊にクリックすると1.3MBのpdfを開けようとします。よほどいい環境でない限り、別途ダウンロードしてください)に記されていないのか理解に苦しみます。ホームアイコンの左下側をタップしたコードを発生させるファンクションです。ThumbType の掲示板でドライバが1.1にバージョンアップする際のβテスト中に(元祖)DAランチャを使っていたユーザーから悲鳴が上がり、対応策が取られたものです。
現在この情報があるのは上記の
- ThumbType の掲示板
- Muchy's Palmware Review!のThumbType Hack
- の解説
- Hoshi's Palm OS Page内App/DA Launcher
- の解説
- Focus of InterestにあるJ-file用データ「ThumbType Keyboard Layout」
- の内部記述(Muchy's Palmware Review!にもあります)
くらいではないでしょうか。まあ、Muchy's Palmware Review!以外は見付けやすいところとは言い難いので、ご存じない方も結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
Fn+[L]で活用できるアプリ
(知るかぎり)以下の物がFn+[L]が発生する「ホームアイコンの左下側をタップ」に対応しています。
- DA Launcher
- 山田御大による元祖DAランチャ(そのまんま)。機能はシンプル。起動イベント変更可能なので、この項の他のアプリと併用も可。
- Quick Launcher
- 山田御大による、DA・通常アプリの混在リストが表示される両用高速ランチャ。起動イベント変更不能。
- App/DA Launcher
- DA・通常アプリ両用ランチャ。混在表示の他、通常アプリ・DAソフトそれぞれのリストの表示が可能。
どれかをお薦めするとすれば、App/DA Launcherです。理由は、ハードボタンで選択が可能で、起動を除けば限り無くスタイラスフリー近い、このページの主旨に沿ったものだから。DA Launcher と
Quick Launcherは、ハードボタンに機能を設定できず、リストをタップするかインクリメンタルサーチで選ばねばなりません。
おまけ2:ThumbTypeに関するありがちな誤解
結構誤った風説が流布してるようなので、ちっくら打破しておきます。
- 誤解1:ThumbTypeはメーカーがツブレたのでもうサポートされない
- 解散したのは、当初販売代理店的な役割を果していた(だけの)オカヤシステムウエアです(業務の一部をリンクエボリューションが継承)。HP200LX用の日本語化キットや駅すぱあとを手懸けていたため、ソノスジでは知名度が高かったのが逆に風評として禍しています。ThumbTypeは当初から次世代技術研究所という巨大ロボットでも隠し持ってそうな名前の法人の開発したもので、現在、この次世代技術研究所が表立って販売・サポートを担当しており、オカヤの名が何処にもない新パッケージが出荷されています。
- 誤解2:visorはサポート外である
- 確かにパッケージには対応機種として挙がっていません。しかし、マニュアル(注意、おぼえていますね?)には明記されています。以下に整形引用します。
ThumbType は、次の機種および動作環境にに対応しています。
- 適合OS 環境 PalmOS 2.0 以降、PalmOS 3.5 に対応
- Palm Computing Palm III,Palm IIIx,Palm IIIe,Palm V
英語版、日本語版
- Handspring Visor
- IBM WorkPad ,WorkPad c3 、WorkPad c 日本語版
- 適合日本語環境 Palm OS 日本語版 または J- OS III 以降
- 使用メモリ 20K バイト程度
※ThumbType は、WorkPad,Palm III,Palm IIIx,Palm IIIe 用 と、WorkPad c3 ,Palm V 用の2 つの形状が
あります。パッケージに対応機種が明記されていますのでご確認ください。ThumbType は、上記の日
本語環境に適応するように作られておりますが、英語環境でもご使用になれます。
- ま、マニュアルの執筆時期から考えて、ここで云うVisorとはDeluxe(の英語版?)かsolo(当然英語版)の事なのでしょうが。
- ただし、機構的には使用前に位置判定のキャリブレーションを取っていますので、それ以降のどんな機種でも、
自己責任で動くはずです。clieでの動作報告も複数挙がっています(物理的にシートの脇を切詰めて貼付とか、甚だしきは両脇のリッヂを削るなど)。
- 誤解3:あの小さいキーボード(の突起)を指先で正確に押さねばならない。
- いろんな人が「指の腹で押して大丈夫」といっているのは本当です。マニュアル(同上)にも書いてあります。単にそれだけでは納得いかない方に手短に説明しますと、要はキーを2つ3つ諸共に押してしまっても、ドライバに実装された早押判定機能がどれを押したかったのか正確に判定してくれるんです。AIではなく早押判定ですから、ミスタイプも正確に再現されます(笑)。
- 誤解4:アプリ版ドライバのほうがHack版ドライバよりナニカと安心である。
- どっちがどうだとは一概にはいえないようです。私の環境(Visor Platinum日本語版)では、アプリ版のドライバはATOK(Platinumの付録の手書きのないヤツ)と干渉して、候補一覧が表示されると直接タップでしか選択出来ません(操作性台無し)、ソフトキーボードを表示するとそのまま凍ってしまいます。Hack版ではその様な事がなく実に快調です。勿論アプリ版でないと動かない、という機体の報告も目にしているので、機種依存アリアリの様ですけど。
(2001/05/20)