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まず、最初にはっきり申し上げます。WinCEハンドヘルドは、貧弱な機能の割に価格の高い、きわめてコストパフォーマンスの低い商品です。とりわけ、jornada728,710/720は、どりあんさんのサイトのH/PC2Kスペック一覧表でみても、WinCEハンドヘルドの中ですら装備的にプア(USBと移動体通信アダプタが非実装、710などモデムすらない)なのに価格の高い機体と判ります。アドバンテージはその小ささ・起動時間・航続時間だけであるといってよいでしょう。そこに絶対的価値を見出せないなら(=携帯性・機動性が総合評価項目のひとつに過ぎないなら)、メインストリームのWindowsを積んだAT互換機のミニノートを強くおすすめします。また、「小型軽量」だけを求める方は、(当然比較対象になさったでしょうが、)実績あるMIPS系のCPUを搭載してさらに軽量なシグマリオン、シグマリオンII、が東日本でもjornada700系の半額、西日本ではなんと1/3近い価格であること、PocketPCやPalm互換機、Zaurusなどにも純正もしくはサードパーティ製の親指キーボードが用意された機種があることなども今一度思い起こしてください。…つまり、Jornada700系は
もし貴方が、機器を「携える」だけでは満足せず「帯びる」事を求めるなら、ノーマルキーボードを備えたWindows系OS搭載現行機としては、Jornada700系かシグマリオンが唯一の解です。「帯びる」とは、外套なしの室内着スタイルでも基本姿勢から3秒以内に利用可能なクイックドロー性を確保しつつ手ぶらで持ち運ぶ、つまり言い替えれば「身に付ける」ということです(さらにいえば、台がなくても立ち姿勢で使えないなら「帯びる」事自体の価値が激減します)。
また、貴方が無電源航続時間を最重視するなら、それもまたjornada700系の絶対のアドバンテージです。AT互換機のミニノート群に比して、持続時間が数倍はあります。
逆に「携帯性」でも「携える」レベルでいいなら、セカンドバッグやハンドバックとか鞄に入れば十分ですし、航続時間やサスペンド状態の電池消耗が気にならないならない程度の短時間外出、あるいは起動が待てる気の長さがあれば、つまり、Interlink、FIVA、VAIO-Uだっていい。さらに、MS-Officeなど、独自形式ファイルを扱うアプリケーションが必要(ビジネスでは大抵そうです)な方には、該当ファイルが扱えないH/PCは完全に埒外でしょう。PocketOfficeを当てにしないでください。WordPadやWorksより機能が劣ります。そう言う方にとっては、ジョルナダもシグマリオンも小さすぎてキーボードが使いにくい上にロクな作業が出来ない、出来の悪いオモチャでしかないはずです。
シリアルシンクケーブル(HP F1258A)を持って歩いていると、緊急時にそこら中のマシンとゲスト接続できて便利ですから、出張級のお出かけセットには混ぜておくことをお薦めしておきます。ホスト艦側のActiveSyncはMSサイトからDLできますからね。
もし、母艦がUSBもIRもついてない旧い規格のデスクトップなら、これは必須です。だから筆頭に言及しています。母艦がNECの98n1だったら、端子コンバータも必要です。「次に街に出たとき」では遅すぎ、絶対に同時入手しましょう。シリアル接続の用意がないと、箱を空けて一時間以内に「煮詰まる」こと必至ですから…って、USBが使える環境なら同梱クレードルがあればいいし、このケーブルはJornada従来機(680,690)の添付品とP/N(パーツナンバー)レベルで同一品ですから、あくまでも母艦環境がプアでジョルナダが初めての人だけ…ね。
WinCE機は「データリンクのためにときどきデスクトップに接続する」なんて代物ではなく、完全に母艦の奴隷です。アプリのインストールどころかメールの削除すら単体では出来ないのです。しかも
これは、コンタクトレンズのようにハードタイプとソフトタイプがあります。私の勝手な分類なので、ラベル見たって書いてはありませんが、ハードタイプは粘着するセルロイド(の訳はないから、可塑化が少ないかガラス転移点が高いPETなどの樹脂薄板、ちなみに粘着せず縁に耳を差し込むはめ込みカバータイプもあります)、ソフトタイプは粘着するビニール(これもそんな訳なくて高可塑化してるかガラス転移点が低い樹脂フィルム)、といったイメージのものです。お薦めはハードタイプです。理由は、貼り付け時にまっすく貼りやすくて泡抜けがよく、誰でも綺麗に仕上げられます。ソフトタイプでは皺を作らずまっすぐ貼るにはかなりの器用さと集中力が必要で、泡抜きも一苦労、というか完全にはできっこありません(断言)。泡を最初から入れずに貼るなんてマネはまず不可能ですし、何度でも貼りなおせます等と云われたって、何度でも泡が入るだけのことです。
また、機種別に画面寸法に合わせて売られているものと、自機にあわせて自分で切るものがあります。どう考えたって前者が楽です。自分で切ったら まず真っ直ぐにはならないし、面付け加減で使えない部分はそっくりムダなんですもの。
というわけで。総てのメーカーを確かめたわけではない事はお断りしておきますが、カット済みハードタイプ、という物として
LAN上の何処からでもシリアルより遥かに高速なリンクが可能で、母艦以外のマシンにもアクセスできます。LANの先にISDNルータやブロードバンドルータがあるなら、そこからネットにも出られます。
現在、ネット上のコミュニティで動作確認が取れているものは、NE2000互換なもっとも安価な10Base-Tカードばかりで逆にありがたいですね。私自身で確認したところでは
が標準ドライバで即動作しました(CF-10Tはシグマリオンでも動作確認済・OKです)。この他に の公開されているドライバ(インストールにはシリアル接続が必要です)での動作を確認し、 の標準ドライバでの動作報告があります。個人的には尻尾がなくて省電力のPCi(3.3V駆動、但し要CFコンバータ)、尻尾が小さくて接合部が丈夫そうなcoregaがお勧め。一方、無線LANカードもデフォルトでドライバが用意されているのですが、これで動くものとしてはしてはまだLaneedのものしか動作報告を目にしていません。ルーセントのチップ積んでればどれでもよさげではありますが、なかなかそうも行かないようで、同じルーセントのチップを使用した
をドライバを自力で発掘して動作させた記事が公開されています。また、 には、winCE用のドライバとユーティリティが添付、 が明示的にwinCE用ドライバを公開しています。…このドライバ公開にあたっての能書きをよく読むと、これはチップセットメーカー提供の汎用ドライバのようで(ビデオカードやNICではお馴染みの手口ですよね)、つまり、Intersil社のチップが搭載されていていればAccton製品でなくとも動く事を暗示しているようです。そこまでの互換性がなくとも、あからさまに姿形が同じ同根OEMのカードならかなりの確率で動きそう。実際、 の動作報告があり、私も試させていただきました。相方はcoregaのWL-APRS-11で、しっかり寝床で仰向けブロードバンドWEBブラウズを堪能してます(コードがあると煩わしくてそんなマネ出来ません)。え、カードバス対応のカードがjornadaで動くのかって? 実はね、このカードは16bit動作の汎用に設計したものなんですが(コネクタ部一目見りゃ判りますよね)、相性がシビアすぎて、カードバス対応機種以外動作保証できないぞ、って事にしちゃったらしいんです。これは発売後に発覚したのでパッケージにはそんなこと書いてありません(その為、気付かなかった旨を告げると返品に応じて貰えますが、悪用しないでね)。なお、このIntersilのドライバには猛烈な勢いでlogfileを書き出す悪癖がありますが、隙を見てそのファイルを0バイトにしてしまってからreadonly化すれば肥大を食止められます。これは問合わせた結果を前述サイトに載せていただいた情報です。
Jornada680,690で条件付き動作報告のある
自宅と職場など、複数のネットワーク環境を渡り歩く際には、NetSetCEなどの環境書き換えユーティリティを使うのが一般的ですが、自宅で無線、職場ではNE2000などとネットワークカードを異なるものにしておくと、設定が別々に記憶されるのでその手の操作が要りません。ただし、異なるカードでもjornadaが同じ「NE2000互換」と認識するもの同士 ではこの手は使えませんので、少なくとも片方では専用ドライバを要するNE2000非互換カードを固定で用いる必要があります。
で、この次に、やっとCFがくるのですわ。スマートピコフラッシュ、なんて呼んだ時代もありましたっけね。2001/05現在のバイト単価では64MB付近がもっとも値ごろ感があるかも。でも、本体のバックアップで最大20MBくらい取られちゃうかもしれないことだし、イヤホンジャックと横っ腹のボタンを使うつもりがあるなら128MB以上にしといたほうがいいですよ。
…まさかとは思いますが…シリアルケーブルやLANカードどころではない(それだけあっても何に繋ぐというのでしょう)本当に必需品です。いーですか、自宅にも職場にもMacしかなくてエミュレータ(かなり使えます)を用いるのもイヤとか、そもそもなんにも無いなんて方は…この際一緒に揃えるなら周辺機器としてjornadaより安く調達することも出来ますが(win95が走ってCD-ROMさえついてれば7年前の中古でOKですから)ソノ気もないならwindowsCEは手ェ出さないほうがいいです。全くなんにも無いヒトは独立性の高いPSIONかZAURUS、一本気なMacユーザーは加えてpalm(よくわかんないけど、林檎時空であるイケショップや秋葉館が売ってんだから多少はどうにかする手段があるのでしょう)にしときなさい、イヤ、マジで。
かつては「同時購入を御薦めしたいもの」の上位にありました。トーンダウンしたのは魅力が減じたでもナニカに陵駕されたでも不具合が発覚したでもなく、ARM版のオンラインウエアの数が揃いはじめ、他の選択肢も現れたからです。
実際、今でも標準ではMemoPad級のエディタすらついてこない上に、ARMで動くオンラインウェアは非常に選択肢が限られます(優秀な日本語テキストエディタに心当たりがある方はぜひ教えてください)。ここで、PocketWordで別に構わん、とか云いだす方は…たぶん一生判りあえないかも知れなひ。FTPNoteかポケットメモ帳で必要十分ぢゃん、ならお友達になれそうですが。そして、2001/4にやっとEmSoftが重い腰を上げて EmEditor for CEをARM対応としたので、PWZは本格エディタとして「唯一無二」ではなくなり、ポケットエディタPEなどの優れた後続も現れました。
でもね、PocketWZはエディタのほかファイラにメーラにターミナル同梱ですから、アプリの少ないARMな728/710/720には相変らず貴重で重宝なtool群です。
但し、パッケージそのままではJornada720でWZ-Memoでの不具合の報告が出ています。でも2002/5現在、web上で2.07無償アップグレードの配布が行われており、ビレッジセンターの前向きの姿勢が見て取れます。過去の実績からも、改善新バージョンは既存ユーザーにweb公開の形で配布されることが予想されますので、2.0以上のパッケージなら店頭在庫の古いものを買っても大丈夫です。
jornada720,710only。Jornada728では、ATOKを有効にするとカードスロットを見失うという不具合が複数報告されており、私も見舞われました。728ユーザーは買ってはいけません。
こちらは逆に、かつては「急いで買うには及ばないもの」の最上位にありました。昇格したのはジャストシステムが対応の姿勢をみせ、アップデートモジュールを公開したからです。え、jornada720用じゃない? あちらにもオトナの事情ってモノがあるんですよ、そのくらいは汲取ってあげなさいって。
一応パッケージの段階からARMには対応しており、デフォルトでMS-IMEよりは快適な日本語入力環境を提供してくれるらしいのですが、人柱な方々からは「Jornada720では突然ユーザー辞書が壊れることがある」という不具合が複数報告されています(680時代からそうだったという説もあります)。そのままでは使えませんので、大人しくアップデートモジュールを当てましょう。ちなみに、このパッチを当ててからは、少なくとも当方では不具合は発生していません。
旧機種用の活用本(入門本にあらず)ですが、jornada728は既存ユーザーの買い替え意欲が萎えるほど720と同じ仕様の機体ですから(メモリ量とROM焼きアプリと付録アプリと節電機能は強化改善された)ほとんどそのまま通用するはずです。これは、728本が出ない恐れを暗示させますが、もし幸運にも728本が出るようなことになっても、それはjornada700系三機種対応の続編となり、同じ内容は載らないでしょう。
ただし、Jornada690とjornada720の間にはCPU、OSとも大幅改善された大ジャンプがあるので、Jornada680本には700系には適用できない内容が多く、内容的にも重複します。書店・古書店で680本を見つけても、700系ユーザーは買ってはいけません。それは、割り切って600系を中古入手した人には貴重な資料なのですから、残しておいてあげましょう。
現在該当なしですが、ここは思わず買ってしまいそうなアイテムの思わぬ欠陥を指摘するコーナーですから、強いて云うなら、電流不足で内蔵モデムがマトモに動かない小型電源ジョミニがそうかもしれません。いえ、充電や他の作業は出来るので、ダイアルアップ接続するときだけ抜けばいいのですけど。なお、後発のダイヤテックのFILCO-MICROPOWER FPS-101HP なら大丈夫、なんてのはただの都市伝説で、コイツも同じもしくはハズレもあります。ウチのMODEL NO:A14A1-12MP(こっそり改良するかもしれないので、このOEM元P/Nと思しきで確認しましょう)ってのは、やっぱりダイアルアップの最後でコケます…て、アレ、問題が内蔵モデムだけなら710なら無問題ってことかな?(求む情報)
注:中級のスキルと心臓を要します。メリットや具体的やり方が判らなかったら、無理にはお薦めしません。また、仕様が硬直したソフトウェアで不都合を生ずる恐れがあり、以下の現象が確認されています。
これは、CFやPC CardストレージがWinCEにどういう名のディレクトリとしてマウントされているか、という問題です。デフォルトの「メモリ カード」のままでは舶来のソフトウエアはこの文字列を認識できないので、関連ファイルをすべて本体のメモリに置かねばならず、CFもフラッシュカードも、そのアプリケーションからは見えません。「メモリ カード」からなにか単バイト英数字の名になってさえいればOKですが、「storage card」にしとくと、デフォルトで使ってくれるアプリがありますので、ここはやはり素直にそうしましょう。
設定をだいぶ進めてから名称を変更すると「メモリ カード」にインストールしてあったアプリはおおむね「失活」しますから、「storage card」に再インストールかレジストリの検索置換を行なわなければならないでしょう。これだけで一日仕事かもしれません。ですので、スルなら真っ先をお薦めします。PWZやATOKや付録CDのソフトのsetupより先に、です。
Jornada720の場合(激しく機種依存性あり)WinCEとしてもっとも素直な挙動を示すので、レジストリの追記のみで成果が得られます。つまり、
ルートキー | HKEY_LOCAL_MACHINE |
---|---|
サブキー | Drivers\PCMCIA\ATADISK |
値エントリ名 | Folder |
設定値 | "Storage Card" |
Jornada720で使えるfreeのレジストリエディタとしては、TascalRegEditがTascalSoftにあります。つまり、これだけは先にインストールしないとだめです。
そろそろフツーのカスタマイズの領域に食い込んできて、「初期設定」というこのコーナーの額縁や「普通の技は正統派サイトに任せ、ニッチでマニアックな記事に注力」という当サイトのコンセプト(なんだそりゃ)に抵触するので、これを最後にします。
ご紹介する「CFスターター」は、起動(リセット)時にCF上のソフトのスタートアップ起動・常駐に失敗するというCFの認識タイムラグに起因する現象を解決するツールです。これを用いると、常駐したがるソフトもCF上に置けるのでインストール先の自由度が広がります。コレを後で発見しちゃうと、活用するにはこれまた再インストールやらレジストリ修正やらが必要なので、最初に入れておきましょう。
同じ作者にCFチェックというものもありますが、jornadaでは普通CF挿しっぱなしですし、起動時は逆にもたつくらしいので、色気のある人はよく考えて選んでください。
二十世紀末までは(<なにそれ)、あのTascalToolすら、StrongARM対応のバイナリは本家サイトにはなぜかなく、Vectorまで取りにいかなきゃならなかったりWindowsCE FANのライブラリで見つけたtoolがARM非対応でがっかりしたりしたもんですが、二十一世紀初頭には(<まだいうか)作家さん方もだんだんARM用バイナリも用意してくださるようになってきましたし、WindowsCE FANのライブラリもリニューアルされて、はずれを引きにくくなりました。現在、一番大量の情報が集まっているのは、なんだかんだいってもココです。
突然何を言出すのか、Jornadaは立派なPDAではないか、 機能的に重複する競合機など要らん、と思われる方が大半でしょうが、200LXからの移行組には私と同じ結論に達する方が少なからずおられるのではないでしょうか。
つまり、Jornada720は接続環境、可搬入力環境としてかなり満足のいくものですが、「炎天化に片手で立ち見」が出来るようなハードウエアではまったくなく(この液晶が改善されなかったことが、既存ユーザーの728評として最も不満な点です)、標準pimもお世辞にも操作性に優れたものではないのです(特にアドレス帳が)。つまり、移行組には、200LXで行っていてjornadaでは出来なくなったオペレーションを引き継いでくれる機器が別に必要になります。それは、
そこで、イバリ度、ソソリ度、データ共有性、機能的非重複性などを考えると、2000/12時点の私のチョイスはVisor Platinumでした(いまだったらHandEra 330、あるいはm500、それとも乾電池駆動にこだわり投売りのm105だったかも)。 実はもう一つ、「モバイブル」というわが国では1%足らずの人びとにしか訴えないpalmの選択的キラーアプリにヒットされたせいもあるんですけど。
(2002/06/03)
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