「風使い通信 vol.8」に戻る(Return to "Kazetsukai-tsushin vol.8")
Summary
I felt all of the elements included in the films Mr.Miyazaki
has ever produced, such as 'The castle of Cariostro' and
'Nausicaä of the Valley of Wind'. I'm just fond of this short film
very much and would love to obtain it to my own.
全てのエッセンスを感じると言うと聞こえが良すぎるかもしれないけど、、そう思う事にしました。それがファンの勝手と言うやつでしょう。
カリ城以来、ラピタは、あったものの、ドンパチが見たくて、元気なシーンが見たくてウズウズしていたファンの気持ちをすくってくれたか、宮崎駿!!偉いぞ宮崎!元気だ宮崎!まだ間に合うぞ、時間はあるぞドドンガドン!!って気分ですね。(笑)
一度しか見れなかったので、繰り返しの映像のつながりが、いまいち理解できていない部分もあるんですが、だいたいは分かったかな。(危ないもんだったりして)しかし、翼を持った少女の笑顔がとっても良かったし、空間が、飛翔が気持ちよかったし、主人公達の気持ちも良いし、文句有りません。(笑)後は、この映像を入手するだけです。どうやったら入手できるのか、みなさんで力を合わせて頑張りましょう!!(爆笑)
あと、、同時上映の「耳をすませば」は秀作でした。もう一度見てみたい作品ですね。主題歌の「カントリー・ロード」が耳についてます。派手さは無いけど、地味で良い作品ですね。実際は、こんな地味な企画、ジブリでなきゃ通らないでしょう。これは、有る意味でとっても殿様商売な作品なんでしょうね。これも手元に残したい1本ではありますが、、、
とにかく、今は「On Your Mark」でしょう!!(笑)何回でも見たい作品に乾杯!!
とにかく「あ〜っ、なんだあの目玉は」とか、「なんだあの面布を付けた信者は」とか、「あっ、なんだあの飲物の入れ物の形は」とか、どこぞで見たことあるものがわんさか出てきて、もうそりゃうれしいのなんのって。でも、極めつけはなんといっても翼を持つ少女の顔が・・・その人、ナウシカでした。
そりゃ違う、という人もいるかもしれないけど、もう僕の中ではあの少女の中にナウシカの幻影を追いかけていました。「また会えたね」って。ただの感傷かもしれないけど、うれしくてうれしくて、、、感動なんて言葉が嘘になるくらいで。メーヴェでナウシカが舞い上がるように、その少女は翼を広げて何処までも何処までも飛んでいく。果てしない解放感。高く高く・・・世界はこんなに輝いているのに。
車を止めて空に消えていく少女を見届ける二人の警官。そしてその画面を見上げる僕ら。どちらも決してこの大地を見捨てることも離れることはできない。だけど、一瞬でも心を解き放てたのならば。夢や希望を託せたのならば。
こう考えるのなら、偶然にもあの少女の顔がナウシカに似ていたわけではなく、ナウシカそのものだったんだとも思える(実際にアニメージュ9月号では宮崎監督自身、ナウシカとのリンクをほのめかしているという話も…)。11年という年月を経て、劇的に世界情勢は変化し、その波にさらされ、聖NOVA教団に象徴される様々な束縛で疲弊したままエンディングを迎えざるを得なかったナウシカ。二人組の警官は監督自身であり、それがたとえナウシカを希望の光のように仕立て上げてしまうようなことになっても、大空へ、一人の人間としての幸せへとナウシカを解放してやりたかったのではないか。
「On Your Mark」は、そんなナウシカへの餞(はなむけ)のような気がしてならないのです。
空に羽撃かなったナウ天は、(浅はかな考えですが)「なんで最後の最後に自己を縛っちゃったの? という思いがしてならない原作ナウシカ」もしくは「そう描かざるを得なかった原作者M氏の図」に思えてならない。ナウシカは“庭”を出た時、たしかに解放されていた。なのに作者の心境の変化か、私の読みの甘さか、いつの間にか彼女は大人を役じていた。
んでも役じていれば疲れますよね。水でも飲みたかろう、うん。その水を飲ませたのは当の本人を作った原作者でしょうか。いろいろな本で場所で、もうマンガは描かない、とは言いつつ、マイキャラがかわいいのは人情、世の常。どうにか幸せになってほしいと悩みぬいたはず。はたして本当に昇華しきれたかどうかはわからないけど、少なくとも「恩返し」であったにはちがいない。
「今まで悩ませて疲れさせてすまなかった。これからは自由に好きな事をやるキャラになってくれ」という宮崎カントクの声が、空に飛び立たんとするナウ天に投げかけられた気がしたものです。
やはり、主人公の最後の表情は笑顔が良い。しかし原作ナウシカに、それは望めなかった。こうだと「これからのナウシカは大変そうだなぁ。幸せになれんのかな」と心配してしまう。殿下ファンの私でさえそうなのだから、姫様ファンの心情はイセワン台風の如くであろう。宮崎カントクはそんな我々の心を推し量ったのか、やはり一流のエンターテイナー映画人、ちゃんと10年来の客を喜ばせてくれたんですねぇ。本当の最後に、ナウ天ナウシカの笑顔と自由を見た我々は、もう安心して原作を読めるのだ。彼女の未来に幸があるとさえ感じられるのだ。
これはしたり、あなどるなかれ宮崎監督。さすが白髪になるまでアニメーションを作ってきたプロフェッショナル。客を裏切らないその力技に、わたくしのような若輩者は頭を垂れ、涙するしかないのであった。
さて、「翼のある少女」ですが…。はい、もう冷静な感情は持てません。84年に映画館で受けた衝撃と同じです。画面から襲ってくる圧力にひたすら酔いしれておりました。むずかしい理屈はどうでもよいのです。完璧です、正しいです。幽閉されていた地下から救い出されるのはクラリスさまやラナを思い起こします。縦穴へ落下していくトラックを救うのはシータのようです。そして、ラストで青空へ飛翔する姿はメーヴェを駆るナウシカさまそのものです。
さて、よーく、思い起こすと、天使はじつはそんなに働いてません。縦穴で奇跡を起こしましたが、いってみりゃそれっきり。どちらかというと助けてもらっています。
しかし、これこそが宮崎駿が提唱する90年代の世界観なんではないでしょうか? もはや、じっとしているだけでは救世主は来てくれないのです。正しい・間違っているの判断もつかぬまま、ガムシャラにドロドロになって動きまわる。そんななかで、誰かを助けてあげたり、誰かに助けられたり。そんな世界を感じました。
じつは、この天使、「まだ見習いで」という設定も考えてみましたが、どうも、あのテーマには即しませんね。(笑) なんか、ほのぼのファンタジーになってしまいます。これをネタに別の話が一本書けそうです。
味覚三昧「なうしか」(門司に実在)にて痛飲の夜に…
今回同時上映の「耳をすませば」もいい作品だと思うし、人から聞かれれば無条件でお勧めできる物ですが、僕は物足りなかった。(まあ、最初にOn Your Mark観て、最後にはまたOn Your Mark観てから出てくる僕としては、かなり主観的な部分もありますが…)なにがというと、動きがおとなしかったという事なのかもしれません。宮崎作品(ちなみに、僕にとっては「耳をすませば」は宮崎関連作品であり、コナン、カリ城、ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女宅、豚、ルパン・ホームズの一部と、このOn Your Markが純宮崎作品です)には必ず僕にとって瞠目すべき動きのシーンが有りますが、とにかく物足りなかったですね。まぁ、そう言うことはさておき、天使だか鳥の人だかの女の子(一応、以後は天使ということにしておきます。便宜上…個人的には鳥の人です。もちろん!! )を警官の二人が逃がしてやるというお話ですが、いやぁ〜内容の濃いこと濃いこと。最初の警官隊の突入シーンから始まって、助け出すシーン、逃走するシーン、そして天使が羽ばたいて去って行くラストまで、もう感動のウルウル物ですね。
特にナウシカファンの僕なんか、もうあの天使の顔見ただけで感極まってた部分がありましたが(苦笑…もっとも、某アニメーターの方に「そういえば、そんな顔の女の子でしたね・・とさらりと言われたときには、解ってはいても、そんな冷たい・・と思ってしまいましたが。)、ああ、こういうアニメが見たかったんだと改めて感じてしまいました。
ぽろぽろや、ぽんぽこが回りで宮崎作品と誤解される度に、否定しまくっていた僕としては久々に「宮崎作品みたいなら最初の短編見てこい!」と自信を持って叫べる作品に出会った。それだけでもナイスです。
もっとも、放射能に対する危険を知らせるマークのあるのどかな風景とか(あれを見ていて、急遽鉱山の閉鎖で破棄された町の風景を思い出してしまいました。一見人が住んでいてもおかしくない風景なんだけど、誰もいないし電線なんかも無くなっているんですよね。そして庭が綺麗なの。雑草が生い茂って居るんだけど、近ずくまでそれは解らず、どんどん成長しちゃう分緑が綺麗にみえるんですよね)、かなり意味深なシーンもありましたが、まあ、そのあたりは見る人の感じ方で十人十色の感想なり、物語があっていいのだと思います。チェルノブイリは見たことが無いので知りませんが、B52に焼かれたベトナムの大地や、ダイオキシンに汚染されたせセベソなんかも、本来決して人の踏み込んではいけない死の大地なのでしょうが、結構綺麗な風景なんですよね。思い浮かべると、やはり汚れているのは人間で「私たちが汚れそのものだとしても…」という例の台詞と天使の羽ばたきがオーバーラップしてしまいます。
ともかく、天使がいよいよ飛び立って行くシーンのあの羽の動きや、逃走途中の道路が崩壊して落ちて行くシーンの繰り返し、最初のあたりの弾着の表現。う〜ん。嘘と解っていても引き込まれて行く快感!! たまりませんねぇ〜。
On Your Markの世界というのは、決して楽園ではないし、あるいは本当に滅びが目前に迫った悲惨な世界かもしれない。
人間にとってあの子が希望の象徴なのか、奇形として生まれた滅びの象徴なのかも解らない。だけれど、あの子が飛んでいるのを見るとなんとなく明日を信じたい。。少なくとも僕はそう信じて、明日からは生きて行こう。そういう気分にさせてくれました。
好き勝手に、脈絡不明のことを書いてしまいましたが、、1ファンのたわごとと思ってお聞き流し下さい。(PS.でも、あの二人の警官。あのあと一体どうなってしまったんでしょうね?)
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