Parhelia Review
Parheliaを使ってみた感想とか、3Dゲームの体感などについて載せます。


Parhelia 導入

2002/07/20 02:00更新
Parhelia 128MB DDR 1.導入編
2.2D編
3.3D編
4.TV出力編
5.ゲーム編
6.サラウンドゲーム編
7.ベンチ編
8.総評

最初に環境です。
CPU:Intel Pentium4 1.6@2.14GHz
マザー:ASUS P4T533-C
メモリー:Samsung PC800-40 RIMM 512MB
カード:Parhelia 128MB DDR AGP
OS:Windows XP
DirectX:DirectX9 Beta
ドライバ:1.00.228

1.導入編

ついにMatroxが帰ってきた。
3年前G400が出て以来ぱっとしなかったMatroxですが、5/13にParheliaを発表し、久しぶりにパフォーマンスカードに戻ってきました。
そのアーキテクチャはすでに各所で詳細が載っている通り、非常に複雑且つ高機能になってます。
今回AGP8xも対応ですが、これは対応チップセットが無い状態のためDisableになってます。
なので、AGP4xまでの対応となります。
メモリー
メモリー
メモリーはInfineonのDDR SGRAM 3.3n 128MBitが8つで128MB分搭載されております。 バルク版はコア:200MHz、メモリー:250MHzですのでかなりメモリーの周波数に余裕があります。
これはリテール版も同様でリテール版はコア:220MHz、メモリー:275MHzとなっています。
256Bit接続ということで配置が特徴的です。
ファン
ファン
G400 MAX以来ファンを載せていなかったついにMatroxにもファンが載りました。
さすがにCPUを上回るトランジスタ数を内蔵しているだけあって、すさまじい発熱があるのでしょう・・・・・・
TMDSトランスミッタ
外付けTMDSトランスミッタ
Parheliaには2個のTMDSトランスミッタが内蔵されていますが、初期バージョンではDisableになってます。
そのため、外付けで2個のTMDSトランスミッタが搭載されています。
背面
背面
カードの裏面です。裏面もかなりのパーツが載ってます。Tomsの写真と違うのが気になりますが、不明です。
付属品
付属品
付属品もTripleHeadに対応しているだけあって、ケーブルが多いです。
カードの下がA、上がBとなっております。
二股ケーブルにもD-Sub側は1や2と書いてあります。
推奨の接続方法は以下の通りです。
設定可能なモニター構成
配線
アナログ
A+DVI-I→D-Sub
配線
アナログ +
アナログ
A+DVI-I→D-Sub
B+二股ケーブル1
配線
アナログ +
アナログ +
アナログ
A+DVI-I→D-Sub
B+二股ケーブル1
B+二股ケーブル2
配線
液晶(DVI-D)
AにDVI-D接続
配線
液晶(DVI-D) +
液晶(DVI-D)
AにDVI-D接続
BにDVI-D接続
配線
液晶(DVI-D) +
アナログ
AにDVI-D接続
Bに二股ケーブル1
配線
液晶(DVI-D) +
アナログ
A+DVI-I→D-Sub
BにDVI-D接続
配線
液晶(DVI-D) +
アナログx2
AにDVI-D接続
B+二股ケーブル1
B+二股ケーブル2
配線
アナログ +
テレビ
A+DVI-I→D-Sub
B+二股ケーブル1+TV出力ケーブル
配線
液晶(DVI-D) +
テレビ
AにDVI-D接続
B+二股ケーブル1+TV出力ケーブル

となってますが、A側に二股ケーブルを接続し、二股ケーブル1にアナログモニターを接続しても問題なく表示しました。
デバイスマネージャ
デバイスマネージャ
WindowsXP上ではこのように認識されます。


2.2D編
Matroxといえば画質ですが、2Dの画質はさすがの一言です。
Radeon8500から載せ変えて見比べましたが、これは個人の好みがあるのでなんともいえませんが、
僕個人の感想はみちがえるほどシャープに綺麗になったと感じました。
しかも変換コネクタや二股ケーブルを使用してでの話なのでびっくりです。
付属のドライバで対応している解像度は640x480、800x600、1024x768、1152x864、1280x1024、1600x1200、1920x1440、2048x1536です。
今後、標準で1280x960等の解像度にも対応してほしいところですが、まだドライバは未完成なので今後に期待です。
さらに、熟成された感のある2Dの描画スピードですが、これも1600x1200において他のビデオカードよりもスムーズに描画されており、高解像度時の2Dの描画に不満を感じることは無いでしょう。
さらにGigaColorがサポートされており、色再現性が高いらしいですが、僕の目では差がわかりませんでした。
Photoshop Pluginが付属していることを考えても、プロフェッショナル用途なのかもしれません。
今回の2Dは今までのMatroxのビデオカードをよりパフォーマンス、品質(色再現性)ともにワンランク高めた内容になっていると思います。
ちなみに今回もいままでのMatroxのビデオカード同様ビデオBIOSは画面で見えないほど速いですね。


3.3D編
今回、大幅に強化された3Dですが、DirectX9対応と先進的な反面、3Dの描画クオリティも目を見張るものがあります。既にFSAAというAntiAliasがありますが、描画スピードがかなり落ちるという描画スピードとクオリティのトレードオフの関係がありますが、
ParheliaではFSAA以外にFAAという機能があります。
これはFSAA並みのクオリティを持ちつつ、描画スピードも高いという斬新なアイデアです。
以下の画像のとおり、FAAオンの時と、FAAオフの時とでFPSの値に大差ありません。
しかし描画クオリティは明らかに差があり、すばらしいです。
しかもここでもGigaColorの恩恵を受けられるので、色の品質も非常に高いです。
あと、付属のCD-ROMには3Dのデモもはいってます。DisplacementMappingのデモなどありますが、
特にお勧めはReefDemoです。Matroxらしく非常に美しい映像を堪能できます。
かなりおすすめです。
BassAlone
BassAlone
ReefDemo 1
ReefDemo
ReefDemo 2
ReefDemo
ReefDemo 3
ReefDemo
FAAサンプル(エクスタシーリゾート)
FAA-エクスタシーリゾート
※わかりやすく2倍に拡大しました。(上:FAAオン、下:FAAオフ)



4.TV出力編

今回もDVD MAX機能は充実しています。DVD再生はもちろん、MPEGファイル、AVIファイル共にTVに出力されます。
Matroxらしく出力も綺麗です。
今回、PowerDesk-HFでの設定画面上ではDVD再生支援(MC)の設定ができます。
PowerDesk-HF DVDMax設定画面
PowerDesk-HF DVDMax設定画面
DVD MAX出力1
VMJapanOP-DVD MAX出力1
DVD MAX出力2
VMJapanOP-DVD MAX出力2


5.ゲーム編
強化された3Dですが、初期のドライバにかかわらず描画が乱れることもありませんでした。体感レベルでの話も十分ゲームができるレベルに達してると感じます。
最新3Dゲームでもストレスを感じることは少ないとおもいますが、タイトルによると思いますので、一概には言えません。
しかもGeForceシリーズではまともに動作しないGTA3もきちんと動作したので、びっくりです
ひとつ注意点はGigaColorをオンにした場合は2D,3D共に有効にしないと色が化けるということです。
3Dゲーム
タイトル
対応API
推奨解像度
動作
備考
Soldier of Fortune IIOpenGL
(Quake3)
1600x1200 32Bit
GTA IIIDirectX8
1024x768 16Bit
FPS 30-60
Colin McRey Rally 2.0DirectX7
1024x768


6.サラウンドゲーム編
Flight Simulator 2002
Flight Simulator 2002
Reef Demo
ReefDemo


7.ベンチ編
気になるベンチですが、非常に散々たる結果です。結果は以下の通りですが、はっきり言って一世代前です。
DirectX9ではH/W T&Lがエミュレーションされますが、現行のドライバ(DirectX8.1用の物)でも、問題なく3DMark等でH/W T&Lを認識していました
ベンチ結果がふるわない原因は不明ですが、個人的な意見では、
1.ドライバが未完成
2.DirectX9アーキテクチャ自体がDirectX8以前の物はエミュレーションで動作するので遅くなる
等が挙げられますが、あくまで予想です。
実際DirectX9が出てきて、それ用のドライバが出てきたとき再評価してみたいと思います。
Matrox SharkMark Ver1.3
Parhelia FAAx16 off
Parhelia FAAx16 on
VertexSharder
164.773
142.579
PixelSharder
220.661
198.896

3DMark 2001SE Build330
Parhelia FAAx16 off
Parhelia FAAx16 on
3DMark
7302
5321
3DMark2001SE FAAx16 Off
3DMark2001SE FAAx16 On

3DMark 2000
Parhelia FAAx16 off
Parhelia FAAx16 on
3DMark
7931
5661
3DMark2000 FAAx16 off
3DMark2000 FAAx16 on

Codecreature Pro
Parhelia FAAx16 off
Parhelia FAAx16 on
OfficialScore
1286
854
Codecreature Pro FAAx16 off
Codecreature Pro FAAx16 on

GLExcess Ver1.1a
Parhelia 128MB Bulk
XSMARK
N/A(動作せず)

SL BENCH 0.50a
Parhelia 128MB Bulk
Average FPS
34.29
Fastest FPS
142.86
Average Polygons/Sec
1260.23
Fastest Polygons/Sec
4541.83
Average Vertexes/Sec
3654.26
Fastest Vertexes/Sec
13218.33

N-BENCH 2
Parhelia 128MB Bulk
Low 1 (Leaves)
1429
Low 2 (Breath)
1675
High 1 (Leaves)
2125
High 2 (Breath)
2114
3D OverAll
1835
OverAll
1465
N-BENCH2
※描画がおかしい

夏海ベンチ Ver1.3
Parhelia 128MB Bulk
pts
6450
夏海ベンチ Ver1.3

HDBench Ver3.30
Rectangle
Ellipse
BitBlt
Text
DirectDraw
1024x768 32Bit
56600
20000
17860
1221
117
1600x1200 32Bit
50600
19155
17580
455
117
1920x1440 32Bit
47129
18187
17260
296
116


8.総評
Matroxが実に3年ぶりに画期的な製品を投入してきたわけですが、
Matroxらしさは失われていません。2Dのシャープさ、色再現性にこだわったという点は評価できます。
色再現性等、2Dの拡張は実際プロの方で無いと評価が難しいのでなんともいえませんが・・・・・
ただ、今のところ3Dのベンチマークの遅さは価格対比が悪いです。これは今後解消されると期待したいところです。
残念ながら様々なジャンルの3Dゲームマシンには今のところ向かないと言っていいでしょう。とりあえず3Dゲームやるなら、nVIDIAのGeForce4やATiのRadeon8500の方がコストパフォーマンスは遥かによいでしょうし・・・・・・・
しかし、Parheliaは3Dで他と違う点として、FAAを搭載し、AntiAlias時のパフォーマンスは高い点、
サラウンドゲームができる点が挙げられます。
これは3DゲームでもFAAは解像度が640x480固定のゲーム。サラウンドゲームはFPSやフライトシミュレータなどではかなり効果を得られると思います。
これらは他のカードではできないので、FPSゲーマーの方やセガの3Dゲームではベンチでは出ない面での満足感が得られると思います。

今回サラウンドゲームのテストは環境がなかったので載せませんでしたが、環境が整い次第テストしてみたいと思います。

最後に今回Parheliaを触って感じたことは、価格は高いけれどもベンチでは評価できない面で優れたカードであると言えることです。
具体的には新しい独自の機能を持たせてきたこと、FAAやサラウンドゲーム、GigaColor、TextAnti等です。
もちろんParhelia独自の機能が使えない、又は使わない場合は手に余るカードになってしまうことはいえます。
位置づけとして画像編集を主としている方、トリプルモニターで広くWindowsを使いたい方、サラウンドゲームでFPSゲーム等を主にやる方にお勧めと言えます。
願わくば、今後ドライバの改善又はDirectX9の登場で3Dのパフォーマンスが上がることに期待です。


※ここのレビューは製品版バルク品を元に書いております。



INDEX