シクラメン

 

シクラメン
 サクラソウ科 多年草 中近東・東地中海地方産
 
 本来、シクラメンは春から6月下旬まで咲く花です。
 花屋さんの店頭には、10月初旬から並びますがまだまだ暑さの厳しい日もあり、
 あまり早く求めすぎても環境の変化に伴い傷みやすいので、
 長くもたせて楽しむには沢山でそろう11月初旬〜中旬に求めるとよいです。

株を選ぶには
 株がよく締まり元気があり、葉数が多いものサイズの異なるつぼみを多く持っている
 
 葉組み

 (生産段階で葉がきちっと揃えられていて、球根の頭が見えるようにし、
  株の中央に光が差し込み易くしてつぼみが順調に育つように手助けをしています。
  また、花もそのときに中央に寄せる)がきちんとできているもの。
 (手間がよくかかって大事に育ててますよ。もちろん見栄えも良くなります)
  球根が鉢土の上に顔を出しているもの。
 (葉やつぼみの基部が乾くので病気に侵されにくい)

置き場所には
 シクラメンの生育適温は15〜20℃ですが、花のついた株はそれよりもやや低い温度のところに置きます。
 日光を大変好む植物ですので、日当たりの良い窓辺に置き、寒風の当たらない日だまり がよいです。
 日光不足になると、少しずつ下葉から黄変して徐々に株が弱ってきます。
 また、エアコン等の近くに置くと空気の乾燥や急激な温度差の為に
 花の寿命が短くなり、株を傷める原因になります。
 比較的低温で育ちますので昼夜の温度差の少ない所で管理するのがいいです。
 
真冬は
 最近の鉢は底面給水方式なので冷える時間帯に根本に水がたくさんあり根を凍らすことは少ないですが、
 窓ぎわだと夜間冷えるので、厚手のカーテンの内側に置くか、
 夜間だけ部屋の中央に移すなど凍らせない工夫をしてください。

 咲き終わった花や黄ばんだ葉は、球根のつけ根から完全に抜き取って下さい。
 途中で折れた花・葉茎を残しておきますと、その部分から腐りの原因になりますので気をつけてください。
 はさみやナイフを使うと切り残した部分から、雑菌が入って腐ることがあります。

水やりは
 底面給水方式でないものは、午前中の暖かい時間帯に花や葉にかからないよう、
 葉を手で押しのけて、鉢の縁から水さし器で与えます。
 球根の露出している頭部が少しでも濡れないように、あまり濡らすと球根が腐りますよ。
 水の量は、鉢から水が流れ出すまでたっぷり与えて鉢内の空気を
 上から下へ追い出して、空気の入れかえをするようにします。

底面給水法
 最近では、鉢自体が底面給水方式を取り入れたものが多くなっています。
 特にシクラメンは上から水を与えると株が弱るのでこの方式がよく採用されていますので、
 底のお皿の部分にいつも水をため、液肥などもここに入れると良いですね。

もし、しおれてしまった時の回復法は
 強い風にあたったり、水やりを忘れた時は、新聞紙にくるみ
 ぬるま湯を与え風のない日陰に置くと回復します。

肥料は
 春まで次々と花を咲かせる為には、栄養補給が必要ですので、肥料は固形と液肥の併用が良いようです。。
 水がわりに500〜1000倍程度に薄めた液肥を1週間〜10日おきに水の代わりに与えます。
 年間を通じて植物活力剤などのビタミン剤を併用して与えると丈夫になります。
 (ただし休眠状態の時をいらないですよ)
  
夏越しの方法は
 休眠法と非休眠法があります。

休眠法は
 5〜6月になり花が終わったら少し可愛そうに思えますが、徐々に水やりの回数を減らして行き
 最後はカラカラに乾燥させて、屋外で風通しのよい日陰で雨のかからない場所に置きます。
 この休眠法の場合は、水分により腐敗し易くなりますのでご注意!してください。
 その間に、水切れで萎れてきた葉はその都度取り除いてください。
 9月初旬から水やりを少しずつ再開し、植え替えをして下さい。

非休眠法 は
 遮光や病害虫の防除など管理に手間がかかりますが、
 前年よりも大きな株になり、11〜12月に花を咲かせる事ができますよ。
 葉を枯らさないようにし休眠させないのがきほんです。
 花が終わりかけた5〜6月から徐々に屋外での空気と直射日光にならし、
 遅霜に当てないように屋外で育てるようにします。
 雨を避け梅雨が明けたらできるだけ涼しい場所に置き、4〜50%程度遮光し
 (比較的明るい半日陰)、30℃以上にならないように注意してください。
 水やりは鉢土が乾いてから与えてくださいね。

9月上旬のシクラメンの鉢植えは
 夏越しができたら、鉢土を少し乾いた状態にして根を傷めないようにまわりの土を3分1程度落とし、
 球根が半分くらい用土の表面に出るように植えます。
 深植えは病気・腐敗の原因になりますよ。
 1回り大きな鉢に(シクラメン専用の培養土がおすすめ)用土を入れて植え替えます。

休眠させた方は
 古い土を全部落とし、根は2〜3p程度残して後は切り捨て植え込みます。

病気は
 枯れた葉や咲き終わった花・茎を残したり、ナイフ・はさみ等で茎の途中から切り取ると、
 切り口から病原菌が侵入して、
 灰色カビ病(灰色のフワフワしたカビが発生します) によくかかります。

害虫は
 蕾や新葉の裏につくアブラムシに注意 してください。
上に戻る