■朝びらき丸 東の海へ■

「得ですと?
得といわれたな?船長。得ということが腹を満たすこと財布を満たすことの意味であれば、
このさいそのようなものはまったくないと申すほかはありません。
わたしの心得るかぎりでは、そもそも何か得をしようとて航海に出たのではなく、名誉と冒険
を求めてきたのではありませんでしたか」
ユースティス・スクラブはとてもいやみな男の子でした。
いとこにあたるペベンシー兄弟が大嫌いで、彼らが大切に話している「ナルニア」について今日もからかってやろうと思っていたのです。
しかし、エドマンドとルーシィとともに屋根裏の船の絵の中へと吸い込まれてしまいます。
そこはナルニアの外海。カスピアン王子が自分の叔父ミラースによって追放されたナルニアの7卿を探す旅に出たところだったのです。