Prep. 3 テルマールの海賊


 海賊、というと否応無しに大航海時代を思い出すのですが、この場合は1900年以降、1940年以前でなければなりません。それがいつの頃かは特定できませんが、東インド株式会社にみられる「日の沈まない国」イギリスの商船を狙う海賊はたくさんいたでしょうし、のちにナルニアを征服したテルマール軍がカロールメンにみられる服装ではない(今で言う西洋風)ため、カリブやインド洋あたりの海賊ではなく、ユーロ系だったのではないかと推測しています。南太平洋を漂い、着いた島を占拠して、現地の女を女房に迎え、酒を造り、相変わらず血まみれのケンカをしていたが、ある日そのうちの6人が殺されそうになったので島の洞穴に妻とともに逃げ込んだのが始まりで、この洞穴がナルニアと続いていて、その後テルマールに落ち着いた次第だったようです。

 テルマールはもともとアーケンを追われたカロールメンが植民地とした場所で、アスランの制裁をうけてテルマールのカロールメン軍はことばを奪われて、国は衰退します。そこへこの世から彼らが到着するわけですが、ジェイディスの魔法によってしばらくは国力を衰退させるしかなかったのではないでしょうか。
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挿し絵については岩波書店ナルニア国ものがたりより選び、引用しました。
ナルニア国ものがたり 全7巻 C・S ルイス作 ポーリン・ベインズ絵 瀬田貞二訳岩波書店