Prep. 10 チリアンについて
チリアンは、アスランの御使いに3度助けられたカスピアン十世の息子、リリアンから7代のち199年後のナルニアの王です。彼は夢の中でナルニアの友である7人(ディゴリー、ポリー、ピーター、エドマンド、ルーシィ、ユースティス、ジル)に出会い、必死に助けを呼びかけます。彼らはちょうどディゴリーのいうところの「なんだかナルニアが自分たちに手を貸して欲しいような感じがする」ということで集まっていたのですが、その晩餐にチリアンの姿が現れ、急いでナルニアへ行く決心をしたのでした。
チリアンが夢から覚めると、目の前にはユースティスとジルがいました。チリアン王は歴史が大好きだったので、ユースティスの説明ですぐに7人がだれだか分かったようです。
ちなみに、ディゴリー(カーク博士)はこの時60歳、ポリーが59歳、ピーターが22歳、エドマンドが19歳、ルーシィは17歳。ユースティスとジルは16歳と思われます。みんなの中ではユースティスとジルがまだナルニアへ行ける可能性があり、ピーターとエドマンドはその可能性に賭けて、かつてディゴリーとポリーが埋めてしまったルフェイの指輪を取りに行きます。この間、1週間ですが、なぜなのかナルニアではひと晩しか経っていませんでした。この時はナルニアの時間が止まったようにおくれ、この世の時間の方が早かったのです。
さて、チリアンですが、緊迫した国情勢をみきわめ、街燈あと野に建てた塔をしっかり管理して、カロールメンの変装もできるように整えておりました。なかなか用意周到で抜け目のないひとです。
そしてユースティスとジルも、もういちどナルニアへくることを考えてしっかりと訓練をしていました。
いよいよ最後の戦いが始るのです。
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挿し絵については岩波書店ナルニア国ものがたりより選び、引用しました。
ナルニア国ものがたり 全7巻 C・S ルイス作 ポーリン・ベインズ絵 瀬田貞二訳岩波書店