看護人間学教室

つうしん No.66

1997年10月10日

 

癒しの人

六甲アイランド病院 田中千鶴見


 大段よし子様の人形は、やさしく気品があり静かに立っている。その上愛くるしく、見つめる人に安らぎをあたえてくれる。

 御所人形の流れというその人形は、桐塑人形といい、桐の木屑を糊で固めて造る。古典柄の古布で着物を仕立て着せて出来上がるまでに何ヵ月もかかるという。

 大段先生の奥様に初めてお会いしたのは、昭和41年頃で舞子にお住まいの頃である。当時はご自宅でも「看護人間学教室」を開催されており、何度かは奥様の手作りの昼食を御馳走になった。

 「がんセンター」に勤務していた私は、まだ若く、自分の心中を訴えるばかりで、「修練だ」という言葉に毎回複雑な思いで生垣に沿った舞子の坂を登り下りしていた記憶が鮮明に残っている。

 その後、霞ヶ丘に引っ越されたが、それまでとは異なり五色塚の側にある仕事場とお住まいを別々にされていた。その頃にも一度お住まいの方に奥様を訪ね、庭の芝生に面した部屋で桐塑人形に打ち込まれている側でぼぉーっと時を過ごしたことがあった。

 奥様とは、仕事の話も私個人のことも話した覚えはない。ただ、何となく世間話やお人形の話に終始したような気がする。

 先日の奥様のお通夜の席に数人の中学生と高校生がいた。最初はご親戚かと思っていたが、近所の子供達で奥様のお友達とのこと。孫のような人達に友達と慕われる奥様のご様子が想像され、微笑ましく思うと同時に、今にして思えば、私も彼らと同じように癒されていたのだということがよく判る。

 奥様の人形達の遺作展を是非とも拝見したいと思う。

 

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◆学習会の目的
 看護は「人間相手」の「援助」であることはいうまでもありません。しかし、「人間相手」も「援助」も、少し考えてみると、たいへん難しいことです。いつの間にか「人体相手」となり、自己満足的な「人間操作」になりがちです。そして、それを臨床の看護活動のなかで気づくことは、なかなか難しいのです。
 日頃の私たちがやっている「看護」は、どんなふうになっているのか。それをあらためて問い直し、そこから、どうしたらいいのか、を探求する学習会が、この人間学教室です。
   ◆学習方法
 現実の患者の問題をとりあげ、討議やロールプレイングなどを通して、徹底的に考え合おうというのです。「首から上の学習」ではなく「内蔵も参加する学習」の場にしたいと考えています。「看護」の仕事をしている人たちには、こうした集中的な学習の機会を、1年に一度くらいは持ってほしいと願っています。
 「人間の看護」の学習を望まれる方は、どなたでも歓迎します。
◆日 時  1998年11月26日(木)13:00〜28日(土)16:00
◆会 場  目黒さつき会館(品川区西五反田3−2−13 JR目黒駅徒歩5分)
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