ハイライト・ツアー(全3ページ)

本ギャラリーのハイライトを紹介します。


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1.彗星


百武彗星
まずはじめは、1996年に話題になった百武彗星をご覧ください。地球に一番接近したときの百武彗星の中心核の拡大です。彗星の動きが非常に早いので、撮影用とは別のガイド専用CCDにて彗星核の動きを自動追跡しながら撮影しています。その分、背景の星は流れて写っているわけです。
この画像の視野の広さは幅が0.4度程度。月の直径が0.5度に当たるので、月より小さい範囲を見ていることになります。普通よく見る長く尾が伸びた写真とは桁違いの拡大率と解像度でみているわけです。青い傘のような部分は、中性分子が出している光、赤っぽいのはダストの尾と思われます。このような彗星周辺の傘構造は、今回の百武彗星で初めて発見されたものです。さらに、この画像を撮った少し前に彗星の核が分裂しました。上に長く伸びた明るい尾の中に見えるまだらな輝点がその破片です。Special Event floorにはその拡大画像も用意してあります。(本画像は、朝日新聞1996年4月3日夕刊を始め、月刊天文6月号、スカイウォチャー6月号、Newton9月号、インタラクティブ・アストロノミー誌7号の各誌に掲載されました)

1996B2 百武彗星(Hyakutake Comet) (JPG,19kB)

1996年3月26日23時18分撮影。

ヘールボップ彗星
次は、1997年4月に地球に接近した、今世紀最大といわれるヘールボップ彗星です。百武彗星と構造を比較してみてください。ヘールボップは比較的標準的な彗星の姿であると思われます。百武彗星のような青い傘は見えません。本画像は、1997年2月24日の夜7時のNHKニュースでも、CCDを用いて東京捕らえたヘールボップ彗星の姿として放映されました。

ヘールボップ彗星(Hale-Bopp Comet) (JPEG)

1997年2月22日4時54分撮影。


2.惑星状星雲


星の死は、突然の爆発という形で終わるものと、老衰のように、次第に衰退して死んでいくものがあります。前者のなれの果ては後で説明する超新星残骸であり、後者はここにまとめた惑星状星雲なのです。惑星状星雲を形成する星は静かにガスをまわりに放出し、そのガスが星自身からのエネルギーを受けて光ります。ガスの種類やエネルギーの強さに応じて色が変わるため、多くの場合惑星状星雲は大変にカラフルに輝きます。メシエ番号が付いた明るい惑星状星雲は4つ有ります。M27,M57,M76,M97です。ギャラリーにはそのすべてに加え、メシエ番号は持たないやや暗い惑星状星雲のうち、特におもしろい形のものを集めました。ハイライトでは、もっとも有名なこと座のリング星雲(M57)と、きれいな色のこぎつね座あれい星雲(M27)を紹介しましょう。惑星状星雲は時に人や動物の顔に見えることもあります。M97(ふくろう星雲)やNGC2392(エスキモー星雲)が典型的です。ハイライトをご覧のあとは、Planetary Nebulae(惑星状星雲)のフロアにて、不思議な姿をお楽しみください。

M57 こと座の「リング星雲」 (JPEG)

まるでたばこの煙のようなきれいな環を見せます。ガスを放出した中心星が 丁度真ん中に見えますね。

 

M27 こぎつね座の「あれい状星雲」 (JPEG)

赤、青緑、青、とカラフルな色はどれも惑星状星雲特有のものです。内部の複雑なフィラメント構造もよくごらんください。青白い小さな中心星も見つかります。惑星状星雲を作った後、中心星は小さく青い星になることが多いのです。

 

M97 おおぐま座の「ふくろう星雲」 (JPEG)

1848年、天体観測家、ロス卿によって「ふくろうのようだ」と表現されて以来、英語では Owl Nebula、日本語名「ふくろう星雲」と呼ばれ、人気のある星雲の一つになっています。二つの黒い穴を両眼とみれば、なるほど、ふくろうに似ています。


3.超新星残骸


おうし座の超新星残骸かに星雲



さて、惑星状星雲のようなゆっくりした死ではなく、突然爆発して超新星になった星はどうなるのでしょう。このかに星雲が実はその残骸の一つです。中国の古書などの記録から、このかに星雲の位置には、西暦1054年に非常に明るい超新星が現れたことがわかりました。その爆発のガスは、秒速1000kmもの速度で今も広がり続けています。この画像と、20−30年前に大天文台が撮った写真を比べると、少し星雲が大きくなっているのがわかります。ところで、超新星爆発を起こした星は、完全に消えてしまうわけではありません。この星雲の真ん中付近に星が2個並んでいます。この下側の星が有名な「かにパルサー」です。何と毎秒30回もの超高速で自転し、パルスを発信している星。これが超新星本体そのものの残骸です。かに星雲の画像ではスカイウォッチャー誌1995年度グランプリを獲得しました。しかし、その後の技術改良により、さらに分解能の高い上記のような画像が得られています。Emission Nebulae(散光星雲)のフロアには、この他、もっとずっと昔、恐らく何万年も前の超新星残骸「IC443」も有ります。そしてこのIC443のそばにもパルサーが発見されています。


4.散光星雲


宇宙空間に漂うガスの塊が、近くの恒星からのエネルギーで輝くのが散光星雲です。ガスが特定の色の光(大抵は赤い色)を出すのが発光星雲、単に光を反射しているのが反射星雲です。反射星雲の色は当然、星の光の色となるでしょう。青い星雲の多くは反射星雲です。それら散光星雲の手前に光らない暗黒星雲があると、様々な黒い模様ができます。ハイライト・ツアーでは、有名な馬頭星雲と、反射・発光・暗黒星雲が見事に組み合わされた三裂星雲、そして無気味とさえ思えるコーン星雲を紹介しましょう。Emission nebulaeのフロアには、この他にもたくさんの散光星雲を紹介してあります。

オリオン座の馬頭星雲 (JPEG,37kB)

天文ファンでなくてもこの星雲を知っている人は多いに違いありません。赤い散光星雲の上に暗黒星雲がまさに馬の首を作っています。左半分には星が少ないことからも、左側全体を暗黒星雲が覆っているのだ、ということがわかります。

 

いて座「三裂星雲」(JPEG,33kB)

赤が発光星雲、青は反射星雲です。星雲が本当に3つに裂けているのではなく、赤い星雲の前にある暗黒星雲が黒い線を入れているのです。自然が作った見事なコンビネーションです。

 

いっかくじゅう座コーン星雲 (JPEG,43kB)

散光星雲の上ににょっきりと暗黒星雲が突き出し、その形がとうもろこしに似ていることから、コーン星雲と呼ばれています。後ろにある明るい星がコーンの輪郭を光らせ、立体感があります。


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