テールライトのLED化による
クルーズコントロールの動作不良とその対策

2004/12/25

 

私のマスタングには、米国製の汎用クルーズコントロールキットCCS-100が取りつけてあるのですが、テールライト(ストップライト)をLED化しましたところ(LEDテールライトのページ参照)、クルーズコントロールが動作しなくなってしまいました。これは他の車種にCCS-100を取りつけた場合にも起こりうることなので、その理由の説明と対策を紹介します。

 

なぜクルコンが動かなくなるのか?

下図は、ブレーキスイッチと、クルコンがブレーキを監視している回路の原理図です。

ブレーキを踏んだらクルコンによる自動走行は解除されねばなりません。そのためにCCS-100のコンピュータは、フットブレーキのブレーキライトスイッチのランプ側の電圧(上記図参照)を監視しています。ブレーキを踏めば、ここは強制的に12Vとなります。私はCCS-100はそれ(12Vかどうか、つまりブレーキを踏んだか)を見ているのかと思っていました。それで、ブレーキライトLED化でもブレーキONの検出回路は異常ないはずと判断しておりました。

しかし、実は、CCS-100のコンピュータは、「12Vになったか(つまりブレーキを踏んだか)」を監視しているのではなく、「ブレーキを踏んでいないこと」を監視しています。すなわち、ブレーキライトが点かない程度の微弱電流を流し、電圧がほぼゼロであれば「ブレーキを踏んでいない、と解釈して制御を継続する」という動作をしているらしい。これは安全側の設計ということでしょう。なぜなら、この回路であれば、もしブレーキランプが全部切れていれば(つまり抵抗が無限大なら)、電圧がゼロでなくなる(つまり12Vがかかる)ので自動運転は解除されたままになるからです。

 

この安全設計がLED化で問題になります。電球の抵抗値は点灯時も微弱電流通過時も、一貫して0.3-0.4オーム程度です。しかし、LED回路は違います。点灯時は数オームくらいになると思いますが、非点灯時には、半導体ですから高い抵抗値を示します。実測してみると、左右のLED回路全体で360オームでした。

 非点灯時のLEDそのものの抵抗はもっと高いかもしれませんが、この場合は制御回路の入力抵抗を見ていることになるでしょう。点灯時は、取りつけ前に単体でテストしたとき、使った安定化電源(DC12Vに設定)で2アンペアの電流リミターが動作していましたから、片方で6オーム以下、車に実装時は左右並列なので3オーム以下、になっているはずです。

このようにCCS-100から抵抗値が高く見える結果、検出される電圧は数百倍〜千倍になり、CCS-100は「電位がゼロでない」と判定する模様です(実際に発生する電圧はミリボルトオーダーなのに!です)。それゆえ、クルコンは常に解除されたままになって、速度をセットしても無視されて自動運転に入れません。

 

解決策

この原因を見つけるまで、かなり苦労しましたが、理由がわかれば解決は簡単なことです。ブレーキを踏んでいないときは電圧検出の線を強制的にアースに落し、ブレーキを踏んだときはそれを12Vに直結すればいいのです。

1)ダッシュのスイッチからクルコンサーボに来ている線のうち、クルコン・コンピュータがブレーキ状態を監視している紫の線をカット。

2)上図のように、接点切り替え式のリレー(ONだけでなくOFFができるタイプ)を用いて、図のように配線します。赤は常時12Vの線。黒はボディーアース。

これにより、ブレーキを踏んでいないときは、クルコン・コンピュータに行く方の紫線はアースに落ちます。これでLED回路抵抗による誤解除は解決されます。そして、ブレーキを踏むと、ダッシュから来る紫線は12Vになるのでリレーが動作し、クルコン・コンピュータに行くほうの紫線には12Vが繋がり、自動運転は解除されます。

下の写真は、実際にリレーを取りつけた私の車のクルコンサーボ部の写真です。問題なく快調に動いています。

 

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