【霧の海が見えるシーズンと時刻】

よく見られるのは九月頃から早春の三月頃までですが、そのほかの季節でも見られることがあります。
時間的には、早朝からの数時間、展望台付近から観賞できます。霧が展望台を覆うほどに発生したり、霧が出ない日は見ることができません。
霧が消えてしまうまでに、およそ 2〜4 時間かかります。
霧が晴れた後の眼下の景色は川と山々に囲まれた盆地が実感出来て、昼下がりや明かりが灯る夕方などにもたくさんの人たちが訪れます。
旅の途中の人も、三次を通り過ぎるときには気軽にお立ち寄りください。

 *****広島県の日の出時刻*****

一年間の日の出時刻を7日おきに書きます(気象情報より)
日の出時刻は太陽の上辺が地平線に一致する時刻なのでこれらよりも少し遅れるようです


01/01(初日の出) 7:17
01/02 7:17
01/09 7:17   01/16 7:16   01/23 7:14
01/30 7:09   02/06 7:04   02/13 6:58
02/20 6:50   02/27 6:42   03/06 6:33
03/13 6:24   03/20 6:14   03/27 6:05

04/03 5:55   04/10 5:46   04/17 5:37
04/24 5:28   05/01 5:21   05/08 5:14
05/15 5:08   05/22 5:04   05/29 5:00
06/05 4:58   06/12 4:57   06/19 4:58
06/26 4:59

07/03 5:02     07/10 5:06     07/17 5:10
07/24 5:15   07/31 5:20     08/07 5:25
08/14 5:30   08/21 5:35   08/28 5:40
09/04 5:45     09/11 5:50     09/18 5:55
09/25 6:00

10/ 2 6:05     10/09 6:10     10/16 6:16
10/23 6:22     10/30 6:28     11/06 6:34
11/13 6:41     11/20 6:48     11/27 6:54
12/04 7:00     12/11 7:06     12/18 7:11
12/25 7:14


【早朝に霧の海を観るための準備】

ふもと、自宅などで霧の海ライブカメラで観察してから出発できる方は、到着してからの様子がかなり正確に予測できます。
登山のルートは高谷山周辺MAPをクリックするとわかりやすく表示してあります。
54号線から入ると、案内板に従うと頂上に近い駐車場に着きます。日の出前の明るくなる時間、余裕を持って駐車場に到着すると、ゆるやかな坂道を300Mほど歩いて、三分で展望台に着きます。


【山頂までと駐車場のこと】

霧の海のシーズンになりますと、ふもとでは霧が濃くても山頂に近くなったときに霧が晴れてきます。山道に折れ曲がる前に早く晴れてくるほど、山頂では霧が下がっていますので向いの山が大きく島に見え、くっきりとした景色となります。
広い農免道からやや狭い山道に入ってからは、離合できる場所が限られていますので、特に雪が残っている時期には運転に注意を要します。山頂の手前の駐車場は30-40台分ありますが、特に混雑する元旦、休日などでは早めに到着すると駐車に苦労がありません。


【高谷山の霧の海や市内を観る】

海抜 491M の高谷山は市内の平坦な地域の155M に比べて 300M 以上も高くてそこに溜まっている霧が沈んでいる早朝では霧を海に見立てると周辺の山々が島に見えます。
三次盆地の霧は、備北地域のかなりの広範囲での霧発生が移動して複雑に変化する、全国でも希な雄大な現象、風物です。
この地域の霧の研究は広島女子大学の宮田賢二教授の研究に詳しく著されています。(渓水社 刊)
最近では、岡山理科大学でも三次盆地の霧発生の研究が始まっています。

下界の騒音が聞こえない山頂で、登山者同士も黙ったままの静寂の中で霧が立ちこめる海と島々を眺め、やがて雲海から少しずつ顔を出してくる朝日を拝む、それは何物にも代えがたい貴重なひとときです。
時折聞こえるカメラのシャッター音で我に返ると、もう太陽は雲海の上に出ています。
上空に雲間があるときは朝日が入ってゆき、今度は雲海を照らして霧をオレンジ色に染める朝焼けが見えます。

霧が出ない季節に三次市内を眺めるのも興味深いものです。東方面の正面から流れてくる馬洗川、西方面の右脇から流れてくる江の川本流、狭い峡谷を縫って左側から入り込む西城川、これらの三つの川が目前で合流し、一つの大きな江の川となり、卍(まんじ、または、ともえ)の状態になって、ここからは日本海に流れてゆきます。
巴橋の名前は、これらの川の形、ともえの状態に由来しています。広い十日市町、川に囲まれている三次町を眼下に眺めてのひととき、三次盆地の全景、夕闇が濃くなってゆくひとときに青色帯びた市内に灯るたくさんの暖かい明かり、それはここに登った人には長く記憶に残る眺めになることでしょう。
どうぞ四季を通じて、高谷山からの景色を楽しんで下さい。