伝統ゲーム


ごいた

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名称ごいた
概要  石川県鳳至(ふげし)郡能都町に伝わる遊び。現在は石川県鳳珠郡能登町。 将棋の駒形の札を用い、4人で向かい合った者同士が味方となってペア戦を行うカードゲーム。
明治時代の発祥と言われているが詳細は不明。 豪商であった布浦清右衛門(ぬのうら・せいようもん) が作ったとも、広めたとも言われる。 漁師たちの遊びとして遊び継がれたらしいが、 現在は能都町の伝承遊戯として町などが普及と保存に努めている。

用具

 使用する札は32枚。将棋の駒形だが、竹製で厚みは均一。 大きさはすべて同じで裏は無地である。 表の文字は王、飛、角が各2枚、金、銀、馬、香が各4枚、歩が10枚。 本将棋のセットから歩を8枚取り除いた勘定になる。 桂馬は桂でなく「馬」、歩は「し」と表記されている。 また王は「だま」、馬は「ばっこ」、香は「ごん」、歩は「ひょう」と呼ばれる。

遊び方(概略)

 一人8枚ずつ持ち、順番に右隣のプレイヤーに対して駒を出して攻め、 攻められたプレイヤーは一枚駒を出して受けると次は自分が攻められる。 受けは同種駒で、他に王は飛、角、金、銀、馬を受けられる。 先に手駒をすべて無くしたプレイヤーの勝ち。 最後に出した札で点数が決まる。詳細は下段に記載。
 遊び方は色冠に酷似しており興味深い。

団体

 能都町に「ごいた保存会」がある。

イベント

 能登町で年4回大会が開催されている。能都町、北國新聞社などが後援になっている。

  1月:新春ごいた大会
  3月:ごいた名人戦
  5月:伝承娯楽「ごいた」選手権大会
  7月:町民ごいた大会
  9月:能登町長杯争奪ごいた大会
  11月:全日本ごいた大会

道具

 

大会の模様

 

 

ごいたの遊び方

 競技は2人1組となり4人で行う。組の構成は駒を4枚(同じ位の駒二組)裏にして、4人がそれぞれ駒を取り、同じ位の駒を取った者同士が同じ組となり向かい合って座る。 また、両組のうち位の高い方の組から親を出すことになる。

・ゲームの準備

 駒はかき混ぜた後、盤上に丸く輪を書いたように並べ、親は駒が見えないように上を向き、親でない方の組の一人が任意の駒を押さえ、「それ」とか「1つ前」と言って、最初に取る駒を決める。
 親から順番に左回りに一枚づつ取っていく。8枚の駒は、丁度手のひらに収まり、他の人に見えないように打ち出して競技が始まる。

・ゲームの進行

1.親から打ち出すが、1枚を伏せて捨て、つぎにもう1枚を表にして出す。これが右隣の人間を攻める駒となる。
2.次の人(左回り)は、手に同じ駒があればそれを出すことができる。なければ「なし」と言い、また、あっても「なし」といって出さなくてもよい。 出したときは、新たにもう1枚出して右隣の人間を攻めることができる。

 同じ駒でなくとも次のようなルールがある。
 ○飛・角・金・銀・馬は王で切ることができる。すなわち、王は飛角金銀馬の代わりができる。
 ○香・歩(し)は王で切ることができない。

3.親の第一打と、一巡しても他に駒を出す者がいなかった場合は、手の中の一枚を伏せて出すことができる。

4.誰かが8枚の駒を早く無くしたら終了。その組が勝ちで「上がり」の駒(8枚目に出した駒)によって点数がつけられ、先に満点に達した組が勝ちとなる。
 上がり駒によってもらえる点数は下記の通り。

 王:50点
飛角:40点
金銀:30点
馬香:20点
 歩:10点
 *最後の2枚が同じときは倍の点数がもらえる。
 満点はそのときによって異なる。150点や250点でなどで行う。
販売状況 基本的に手製で販売はない。地元の布浦百貨店が木製のものを製造している。

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