破礼句・末番句

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 いわゆる艶笑句を破礼(ばれ)の句、または末番句(すえばんく)といいます。 後者の語源は句集の最後に置かれたからです。こういうものが簡単に読めるのが まずいのかもしれませんが、皆さんが18歳以上で良識ある大人であることを期 待します。一応多くの要請あるまで難解な句にも解説を施しません。どうぞ推理 してわかったら笑ってください。どうしてもわからない方はメールでお問い合わ せください。

少女

十三と十六ただの年でなし

娘もういくのの道も承知なり  (百人一首の小式部内侍の歌が元)

まだ月の障りにならぬ姫小松   (松が小さいので月を見る妨げにならない、というのが表の意味)

月を見る頃にはすすき土手に生え

二つ文字牛の角文字娘知り

菱餅も割れる頃には毛が生える

生娘の目にうわばみと見えるなり

初めてのお客娘はまごまごし

婚礼の夜

花嫁は腑分けをされる心地なり

とるという晩にとられる恥ずかしさ

初陣の嫁こわごわ組み敷かれ

恥ずかしく嬉しく痛くいい明朝(あした)

新婚

美しい嫁は本来無一物  (美しければ持参金など不要)

気のきかぬ長い日だのと新世帯

茶ばかりだまっと寝ようと新世帯

新世帯夜することを昼もする

その当座昼も箪笥のかんが鳴り

松茸の食傷をして嫁は吐き

姑が死んで夜な夜な嫁は泣き

新しいうち女房は沖の石

弁慶と小町は馬鹿だなあかかあ

またかえと女房は笑い笑い寄り

またうちでせにゃあすまぬと朝帰り

朝帰り首尾の良いのも変なもの

抜けぬぞ女房を脅して伊勢に立ち

金魚だおよしと鰻を入れさせず

月の夜は釜を抜く気になる亭主

女房で味を覚える大たわけ

入り婿は聞かずに抜いてしかられる

留吉は一人息子の名では無し

宝船皺になるほど女房漕ぎ

誰が広くしたと女房やり込める

倅が起きると女房を揺り起こし

死にたいのにの字を抜いて欲しい後家

姑のひなたぼっこは内を向き

爺様と婆様寝たら寝たっきり

かたや男

男湯の喧嘩抜き身を振り回し

三つのうち目も歯も良くて哀れなり

びいどろを落としては割るいい男  (いわゆるプレイボーイ)

越中が外れて隣の国を出し

悲しさは昔は帯へ挟んだり

その他もろもろ

門口で医者と親子が待っている

雷は馬鹿俺ならば下を取る

玉にきず無いのが小町玉にきず

鷹の名にお花お千代はきついこと

道鏡でなくても抜けば湯気が立ち

道鏡の幼名たしか馬之介

ととさんは留守かかさんが来なさいと

前と背に不要な道具武蔵坊

婚礼の延び饅頭は紅屋なり

盗人もあきれて取らぬ持参金

よく聞けば猫が水飲む音でなし

土器の女が見とれる張飛の絵

若旦那昼は拝んで夜叱り

田舎下女べべを着せろにまごまごし

麦畑ざわざわざわと二人逃げ

まだ伸びもせぬにもう来る麦畑

これからはどこですべえと麦を刈り

人穴の広さ五人が皆入り

あれさもう牛の角文字ゆがみ文字

子心に乳母は負けたと思ってる

馬の鼻もちっと大きそうなもの

ふるさとは皆草深き所なり

蛇の入る穴の出口に龍の髭

船頭の昼寝は得手に帆を上げる

ぼうぼうがはえるとかちかち山をする

間男はあたりへこぼしこぼし逃げ

間男と亭主抜き身と抜き身なり

抜いて逃げ抜いて亭主が追いかける

八日頃ひよどり越えを攻めている

あいなめは額に菊の跡が付き

ああ腎が少ないかなと地黄丸

菱餅は女子ちまきは男の子

茶臼をば物臭太郎案じ出し

湯屋の羽目岐阜と桑名の国境


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