第40話 震えるネズミ

らしいコンピュータを買ってしまいました。と言っても本体にはCD-ROMドライブとメモリカードスロットがついているだけです。マウスは繋がるようですがハードディスクは付いてないし、キーボードも繋がりません。その代わりにボタンが沢山付いているコントローラが繋がり、家庭のテレビに画面を表示できます。OSもWindows95が動く訳ではありません。こんなコンピュータの名前はPlayStaionです。

前に書いたように、次男の目の訓練に欠かせないテレビゲーム機ですが、スーパーファミコンのコントローラの調子が悪くなって来たためにお年玉の有効利用(今までのお年玉はママが家計の足しにしてしまいました。懺悔)としてゲーム機の買い替えをしました。

子供たちはニンテンドウ64が良いと言ってましたが、ママはどうもあのカセットROMの信頼性が低くて(すぐに接点の接触が悪くなる)嫌だったし、ソフトのタイトルが少なくて、マリオだヨッシーだって使い古しのキャラクタばかりで食指が動かなかった。

それでPlayStationに決めました。タイトル数も結構あるし、CD-ROMだから子供が少し位、手荒に扱っても大丈夫、中古市場の確立されているのが購入の決めてです。後で本屋に行ったらプレステ用のゲームソフトのデモ版が付いたムックがあったので試してみたいと思ってます。でも、あまり幼児向けのソフトではないようです。

PlayStationのコントローラには振動機能がついていて、触覚へのフィードバック機構があります。この機能はニンテンドウ64のTV-CMで振動パックとかいっていたものと同じだと思います。

震えるコントローラー もしかして、この機能は非常に画期的なもののなのではないでしょうか。今までのTVゲームやパソコンは人間の五感のうち、視覚、聴覚の2つへのフィードバックしかできませんでした。

つまり、人は画面を見ることと音声を聞くしかできなかった訳ですが、この振動機能により触覚で感じることができるようになった訳です。これで、五感のうちの3つなので過半数を超えた訳で、半分を超えると何かが劇的に変わっていくような気もします。

まあ、触覚へのフィードバックといってもブルブル震えるだけの子供だましですが、結構なバリエーションの感覚を実現しているようです。クラッシュ・バンディクー2の中でもクラッシュが死んでしまうときの振動、ダメージを受ける感覚、大地が振動する感覚、ボートに乗った時の振動などなど多くのシーンを実現しています。原理はポケベルや携帯電話が振動するのと同じようにモータが回っているのでしょうけど、コンピュータで制御することで様々な表現の可能性が生まれたのだと思います。

振動という単純なものですが、これで五感のうち3つを実現したので、残るは味覚と臭覚のフィードバックですね。これは難しそうだけど、最近はやりのアロマテラピーと、電子蚊取線香やインクジェットプリンタのように匂いのカプセルを飛ばす仕掛けなんかを組み合わせれば臭覚はなんとかなりそうです。ただ、匂いは感じるまでに時間がかかるし、別の匂いにするときに前の匂いを消すことも必要なので、応用が難しいかもしれません。取り敢えずTVゲーム向きではないですね。

でも、きっとそのうち何かに応用されて実現されてくるでしょう。ママはハイテク技術に関しては楽観視しているのです^o^

パソコンのマウスにもフィードバックがかかったらどうなるか夢想してみました。例えば、ファイルをドラッグするときに震えたり、ファイルが大きいとマウスの動きが重くなるとか、削除や上書きなど危ないことをするときはマウスボタンが固くなり、力を入れてクリックしないと削除できないとか。色々と面白いことが実現できそうです。そうなった時、パソコンは今より少し人間の側に近づいてくれるのかな。

んなことを考えていたら、1年間使ってきたマウスが壊れてしまいました。どうも上手く動かないなぁ、ゴミが挟まったかな?と思い、ボールを外して掃除しようとしたところ、ボールの回転を受ける軸がはずれていました。裏のネジを外して分解してみると軸の端が折れています。子供がマウスを床に落としたことがあったのでその衝撃で折れたのでしょうか。

マウスの中身 分解したマウスは、マウスの移動によって動くボールの回転を縦横の軸で受けて、軸についた2枚の歯車状の羽で回転数をカウントしています。そういえば昔、物理の授業のときにこんな仕掛けで光の速さを計ったことを習ったような気がする。と思って、マイクロソフトエンカルタ97で調べてみたら、次のような説明がありました。

光の速度を最初に実験室で測定したのはフランスの物理学者アルマン・ルイ・フィゾーであった。
この人だったかな? 確か山の上から回転する歯車の間を通して光を送り、数キロメートル離れた山においた鏡に反射して帰ってきた光が、歯車の次の隙間かから見えたときの歯車の回転数から光の速度を計ったのだったように記憶している。これは実験室というのとはちょっと違うから、違う人かな。こんなときエンカルタ97も今一つもの足りない。

と云う訳で、再び町田メディアバレーに出かけてマウスを探してきました。マウスの種類は沢山ありすぎてどれがいいのか分かりません。メディアバレーでは見本が触れるようになっていて、手のひらとのフィット感やクリック感、重さを確かめられるのがいいです。でも、実際にパソコンに繋いで動かしてみないとスムースに動くか、自分の感触にマッチするかは分かりません。

そこで結局、特売品の1,140円のマウス(サンワサプライ、made in CHINA)にしました。元値は2,480円なのでまぁまぁかな?と思って決めました。家に帰ってサテライトに繋いでみると、今までのマウスより滑りがよくて当たりのようです。


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M.Nakamura Mar 7,'98