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南京長江大橋を歩く

南京長江大橋は長江にかかった最初の大橋らしく、観光地図にも載っていたので見ておこうと現地の同僚とでかけた。橋の長さは5〜6Kmとのことだったが、川の上を渡っている長さは1.5Km位で、両端に2Km余りのアプローチがある。と聞いたが、さきほどチケットの裏を確認したら道路は4.589Kmだった。鉄道は6.772Kmと長い。橋は船の往来のために橋桁が高くなっており、また鉄道と道路の2層構造になっていているので、道路はかなり上り坂だ。

タクシーの運転手と同僚によると、橋の上は駐停車禁止なのでタクシーは橋のアプローチの始まるところまでしか行けないとのこと。そこから歩くのだと言う。徒歩で10分程度らしい。真夏の日差しが照りつける40度近い暑さの中、あまり歩く気はしないが仕方ない。このときはノートパソコンの入った仕事用のカバンまで肩からさげていたのだ。

いざタクシーを降りてみると、橋(川の上に架かる本体)は遥か彼方に霞んで見える。とてもじゃないが10分じゃ済まないよ。と愚痴をいっても始まらないので、排ガスがひどい歩道を頂上(じゃないけどそんな感じ)目指してひたすら歩く、歩く。

歩く 歩く 歩く 歩く
歩く 歩く 歩く 歩く

車は横の車道をバンバン走っているが他に歩いている人なんていない。大型のトラックやバスが通ると橋が結構揺れる。大丈夫か? 時折ボロボロのトラックが黒煙を吐きながら通過する。中華料理を食べ過ぎたお腹にはよい運動かもしれないが、健康には悪い。

歩いても、歩いてもなかなか到着しない。有名な観光地らしいのに誰も歩いてないのは、過酷な場所だから? 汗が滝のよう(な訳はないが)にでる。ミネラルウォータを持っていてよかった。冗談じゃなくて生死にかかわるよ。

もうすぐ ようやく着いた
もうすぐ ようやく着いた

ようやくのことで橋のたもとの橋脚が見えるとことに着いたら、下の方になにやら駐車場らしきものが見え、観光バスが止まっているではないか。さらに橋の展望台には観光客らしき人々の姿が、、、なんと橋脚の下からエレベータで上まで上がれるという、トホホな顛末だった。帰国後にネットで調べてみると、橋脚の下には橋の模型や歴史などを展示した資料館もあるようだった。

展望台上がるのに1元(14円位)。展望台といっても屋根に上がる程度だが。係のおばちゃんらしき人(実際の係は何人なのか不明)が3〜4人もいて暇そうにしていた。展望台から眺めると、向こう岸が霞んで見える。これで河口から数百キロ上流なんだから川のスケールが違う。粘土質の土が溶け込んでいるのか、川の水は激しく茶色い。

歩いてきた道を振り返ってみる
歩いてきた道を振り返ってみる

川の上に架かる部分も歩いてみたかったが、ここまで来ただけでへたばってしまい早々に帰ることにする。橋全体の1/3以上は歩いたからもういいや。

さすがに帰りは歩く気にならないのでバスに乗ることにした(バス停はあった)。しかし、さっきまで頻繁に通っていたバスがなかなか来ない。来ても行く先が違うとのこと。タクシーが通りかかったので手を挙げたらあっさり止まった。乗車後、タクシーの運転手に確認したら、やはり止まってはいけない規則らしい。でも、中国(南京)の運転マナーはひどいので、バス停でちょっと停車するくらいのルール違反なんてなんでもない、と思うのだが。

向こう岸を望む 反対車線の展望台
向こう岸を望む 反対車線の展望台

歩き始めた頃に見えた閲江楼 歩いている途中で見えた閲江楼(遠くへ来た)
歩き始めた頃に見えた閲江楼 歩いている途中で見えた閲江楼(遠くへ来た)

帰国後に改めて地図を確認すると歩いた距離は2Km位で、距離的にはそれほど大したことはなかった。しかし当日は、上り坂、重いカバン、熱波、排ガスと戦いながらも何かに取り憑かれたように黙々と歩いた。今となっては夏の日の幻想のようであるが。

帰国後に地図で確認
帰国後に地図で確認

展望台のチケット(表) 展望台のチケット(裏)
展望台のチケット(表) 展望台のチケット(裏)

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© from Metal Woods, Aug. 2004