リバーサル フィルムの実力比較


私の常用しているフィルムはフジのリバーサル フィルムです。 最近はフジクローム トレビ100C、センシアU、トレビ400を主に使用しています。
撮影したフィルムはスリーブ仕上げとしフィルム スキャナーで取り込み、CDRに書き込み保存しています。
取り込み解像度は主に1360DPIで行なっており、ビットマップ(BMP)ファイルでサイズは約6.5MBになります。 したがって1枚のCDRに約100枚保存できます。
フィルム スキャナーで取り込むとコントラストが強くなり、どうしてもシャドウ部のつぶれハイライト部のとびが出来てしまいます。

そのためフジクローム ベルビアプロなどのコントラストの強いフィルムは、スキャナーで取り込むにはあまり向いていないようです。
リバーサルフィルムの露出はオーバーぎみ(+1/3〜+2/3EV位)の方がきれいにスキャンできます。

FUJIFILMProfessional Products Guide-リバーサルフィルム


フジクローム トレビ100C (24枚撮り720円、36枚撮り980円)

特徴

ISO100のフィルムでは世界最高の粒状性RMS粒状度「8」と大変に高いシャープネスを持ち、クリアベースの採用によりヌケのよい高彩度の鮮やかな色再現性を有している。
ハイライト部は少しコントラストが高めであるが、シャドー部は豊富な階調でつぶれにくい。
メーカーによるとRDPV(プロビア100F)と同等である。 発色はRDPVより鮮やかな感じがする。
風景・ポートレート・スナップなど汎用タイプとして幅広く使用することができる。


コニカクローム SINBI100プロ (24枚撮り790円、36枚撮り1080円)

特徴

落ち着いた色再現で階調再現性に優れ、被写体の質感やディテールをきちんと再現する。
日陰では青みの強い発色をするが、コントラストが適度に抑えられたフラットな光線状態を忠実に再現する。
シャープネス及び粒状性は中庸である。


フジクローム トレビ400 (24枚撮り820円、36枚撮り1150円)

特徴

高感度ながらISO100クラスなみの鮮やかで忠実な色再現およびハイライトからシャドウまでの豊かな描写力を有していて、ISO400のフィルムとして最高水準の粒状性とシャープネスを持っている。
より高速のシャッター速度が必要な速い動きの被写体やスポーツ写真、室内や天体写真、さらに手ぶれの気になる望遠撮影や明るさの足りないズームレンズの撮影などに適している。
階調の再現性はハイライトからシャドウまでつながりがよく、直線的に優れた階調が得られる。 
ポートレートでも柔らかなトーン描写をしてくれる。


フジクローム プロビア400F (24枚撮り1060円、36枚撮り1390円)

特徴

ISO400のフィルムでは世界最高水準の微細な粒状性(RMS粒状度13)と高いシャープネスを持ち、ISO感度100フィルム並みの高彩度で忠実な色再現と整った階調バランスを有している。
スポーツなどの激しいアクションの一瞬をとらえたいとき、舞台、ショー、夕景など光量の少ないシーンの微妙な光の雰囲気を再現したいとき、また十分な被写界深度を得るために絞込みたいときなどに威力を発揮する。  高感度フィルムながらディテール描写力が高い直線性の優れた階調が得られる。
シャドウ側の階調再現力は最大濃度がISO100クラスのフィルムと同レベルであり、見事な描写力を有している。


フジクローム プロビア100F (24枚撮り825円、36枚撮り1120円)

特徴

ISO100のフィルムではもっとも微細な粒状性(RMS粒状度8)と大変に高いシャープネスを誇っている。 これまでにない明瞭なディテールの表現が可能になり鮮やかで忠実な色再現、豊かな階調と整った階調バランスを持っており、商品撮影、風景写真からポートレートまで、幅広い分野の撮影に適している。
ハイライトからシャドウまで直線性に優れた滑らかな階調は整ったカラーバランスに加え、微粒子性であらゆる被写体を緻密に描写し、質感・立体感をくっきりと表現する。
ハイライトのヌケのよさは絵にメリハリをつけてくれる。 この豊富な階調表現力は微細な粒状性とともに、2絞り増感しても標準処理のものとほとんど差がわからないほど高レベルの性能が得られる。


エクタクローム ダイナEX100 (24枚撮り650円、36枚撮り880円)

特徴

シャープネスも十分で発色も良好。 アマチュア用フィルムであるがプロ用として常用できる高い実力を備えている。 ポートレートに最適。
ラチチュードが広く扱いやすいリバーサルフィルムである。 コントラストもそこそこあって、シャープな描写力も備えている。 ニュートラルで落ち着いた発色で、色の鮮やかさもほどほどある。
どんな撮影条件でも不満のない描写をしてくれるフィルムである。


エクタクローム ダイナハイカラー100 (24枚撮り720円、36枚撮り980円)

特徴

人物撮影では実物以上の鮮やかな発色が特徴。 赤みも強くコントラストも高くなりやや不自然な仕上がりとなる。 フジのベルビアとよく似ている。
風景撮影では抜けのよい描写で人物撮影でのわざとらしい発色印象と違って、クリアで色に鮮やかさがある。


フジクローム センシアU100 (24枚撮り650円、36枚撮り880円)

特徴

抜けがよくクリアであっさりとした描写。発色は控え目、これといった特徴はないが柔らかめのトーンはポートレートに向いている。 クリアで白も濁りなくきれいにでる。 発色は鮮やかというよりは自然な感じ。
描写にあまり迫力ははないが、ニュートラルで忠実な色再現力を備えている。
指定感度のまま撮影するとややオーバーぎみになる傾向があるようなのでこってりとした調子を望なら少しアンダーぎみに撮影した方がよい。


フジクローム トレビ100 (24枚撮り720円、36枚撮り980円)

特徴

99年末新発売になった。センシアUと比べるとメリハリがありシャープネスもこちらの方が若干よく、黒も締まる。 肌色の再現性も良好でポートレートに向いている。
センシアU同様のクリアな描写と、より鮮やかな発色を兼ね備えている。トーンの再現性も良好。風景用の常用フィルムに適している。 リバーサルフィルムはラチチュードが狭く難しいといわれているが、トレビではこれがかなり広くなっている。

* トレビ100Cが新発売になったため現在は販売されていません。


フジクローム アスティア100プロ (24枚撮り795円、36枚撮り1080円)

特徴

センシアUのプロ用と言えるフィルムで描写傾向も似ている。どちらかというと鮮やかさよりも自然な発色をねらっている。 プロビアより柔らかいトーンでコントラストの高い条件ではこちらの方が使いやすい。
発色傾向はニュートラルでフジの中では最も落ち着いた色合い。
風景撮影でもセンシアUと同様の描写で、プロ用のこちらの方が色に落ち着きがある。
柔らかな階調描写力を備えたプロ好みのフィルム。ベルビアなどの派手な色調描写とは対照的。


フジクローム プロビア100プロ (24枚撮り825円、36枚撮り1120円)

特徴

トレビとほぼ同様な描写で性能的にはほぼ同等と思われる。発色はわずかに落ち着いた感じで、適度なコントラストと色の鮮やかさを持ち、肌色の再現性もいい。プロの常用フィルムとして定評がある。
しかし、直射日光を受けている等の条件によりいかにも彩度の高い誇張された色調になることもある。
トレビの色にわずかに重みを加えた感じで風景向きのフィルムである。トレビと比較するとこちらの方が落ち着きがある。 ハイコントラストでこってりとした鮮やかな色調描写で、実力はダントツである。
へぼな撮影レンズと組み合わせても、その欠点をフィルムの性能でカバーしてしまうほど。


フジクローム ベルビアプロ (24枚撮り880円、36枚撮り1190円)

特徴

このフィルムのみ感度はISO50で実効感度が低いのが難点。色の鮮やかさとシャープネスの高さは圧倒的。 直射日光を受けている等の条件により、彩度が高く誇張強調されすぎベルビアの欠点が出る場合がある。
風景撮影の定番フィルム。見た目の色がストレートに強調された迫力ある描写。超微粒子で質感の再現にも優れている。 色に濁りがなくクッキリとして「撮影のウデが良くなった」ようないい印象を受ける。


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