鴨之塚￤浜離宮恩賜庭園

鴨之塚　　浜離宮恩賜庭園：東京都中央区浜離宮庭園１－１

慰霊の対象：鴨／創設業種：狩猟

鴨猟が１８世紀から実施されていて、慰霊碑が昭和１１年に建てられたということが、動物の慰霊碑の起源が昭和初期にありそうだということを推測させる重要な碑だと思う。
本体の碑文は「昭和十年十一月五日之建／鴨之塚／鷹匠　戸辺與四郎」とある。説明版には昭和１２年に建てたとあるので、設置までに時間を要したのかも知れない。また説明版では戸辺が「戸部」になっている。下記に碑の説明文を記しておく。

鴨塚の碑
本年には、庚申堂鴨場と新銭座鴨場があります。鴨場とは、
古くから大名の別荘等に設けられた遊猟施設です。安永７年
（１７７８）１０代将軍徳川家治の時代から昭和１９年まで、
二つの鴨場では、鴨猟が盛んに行われました。この碑は、昭和
１２年（１９３７）宮内省の鷹匠　戸部与四郎が、二つの鴨場
で捕獲された鴨たちを供養するために建てたものです。

本体の大きさ(ｃｍ）：４４W×５８．５H×２３．５D

鴨猟の方法についても説明版があったのでいかに紹介しておく。

新銭座鴨場

　鴨場は、古くから大名の別荘地等に設けられた鴨の遊猟施設です。この鴨場は１７９５年に造成され、その後、拡張整備されました。
　鴨場には、「溜」と称する池と平坦な小島、池の周囲を土手で囲み、笹・常緑樹等を密植してカモ類が安全に休息できる場所を設けます。
　池岸には、池全体を観察する小屋「大覗（おおのぞき）」と池から続く「引掘」があり、その両側に小土手と待ったには「小覗（このぞき）」を設けます。

＜鴨猟の方法について＞

　池では、日頃から鴨猟のおとりに利用するアヒルを飼育しています。
　鴨猟の際は、風下の引掘を使用することが原則で小覗から板木の音と餌で、おとりのアヒルを引掘に呼び込みます。アヒルの後について鴨が引掘に入ったところで入口を締め、驚いて飛び立つ鴨を引掘の両側で待機している捕手が又手網で捕らえます。

撮影日：2003/9/13