鰹塚￤住吉神社(佃）

鰹塚　　住吉神社：東京都中央区佃１－１－１４

慰霊の対象：鰹／創設業種：食品流通業

立派な塚である。昭和２８年５月に東京鰹節類卸商業協同組合によって建立された。昭和２９年１１月５日に除幕式があったようである(日本養殖新聞）。鰹節業界のＰＲ策の一面もあったということだが、慰霊碑の設置がPRになる日本人の動物観は興味深い。

裏に回ると、上段には｢鰹塚縁起」としてその由来が記載されている。下段にはこの慰霊碑設置の賛同者の名簿がある。鰹塚縁起の内容は下記のとおりである。

撮影日：2003/3/16

注）　○は読めない字、（）は不確かな字本文は縦書き

鰹塚縁起　　　　池田（彌）三郎撰

この東京佃島に鎮座ある住吉大神は國土平穏渚人幸
○を並べたまふ神として尊ばれておいでになるとりわけ
○○の○○に守護し給ふ神徳のあらたかさ○○神功皇
○○○○○○○に冨を得幸を求めようとす
○の篤い崇敬をうけて（来）○たことは今更申すまでも
○○私（ど）（も）東京鰹節問屋の組合でも江戸時代の初めか
○○に到るまで○大神を私どものなりわひの為の守護神
○崇め敬ひ奉仕の誠心を致し（来）つたのである。今日私
○の生業がかくの如く繁榮を来したのも全く○大神
のみたまのふゆの○○○と感謝し奉つてゐるそれと共に
私どもにとつて常に(忘）れることの出来ないのは尊いその
神(憲）に添つて大神の○使とし眷属として私どもの廻り
から身を匿し逃ることなくおのが身を世の人の食膳に上
せ海の幸の賑わひを盡し給ふ鰹の魚のみたまに抱くおな
○感謝の心である　そこで私ども崇敬者の間に大神の
○○の報賽と鰹の魚のみたまに對する感謝慰霊の心を（如）
何にして表さうかと言ふおさへ難い情熱が高まつて来た○
○の總意はこの住吉神社の境内に鰹塚を建てゝその
○○○ことに○○○つたのである　願はくば神とみ
（ま）との感情の上に私どもの報賽の志が行きと（ゞ）いてほしい
○のである鰹の魚の大鰭小鰭洩れることなくうけがひ○
○給へどひたすら（こ）（ひ）祈る次第である
昭和二十八年歳(礼）（発）巳五月穀旦
東京鰹節類卸商業協同組合
株式会會社東京鰹高取引所
佑○○○○○
(石の部分）
昭和廿八（季）歳在　○巳五月建
(石の部分）
節堂　山崎中書
十二世　石七　櫻井