畜魂碑￤名古屋市八事霊園

畜魂碑　　八事霊園：名古屋市天白区天白町大字八事字裏山69番地

慰霊の対象：家畜／創設業種：畜産

広大な霊園のなかに動物慰霊碑があるというので、見当をつけて少し歩いてみるが、辿りつけそうにない。早々に係の人に尋ねた。ていねいに教えていただいた道のりだが、結構長い。途中で読めない漢字のお墓を見つけた。鑢業組合員之碑というものだが、鑢（やすり）を作る人たちの死亡率が高かったのか、よくまとまった組織だったのか不思議に思う。

碑文は「畜魂碑」、昭和五年当時の名古屋市長大岩勇夫による書である。昭和五年（1930年）というとペットの碑ではなく、家畜を対象に造立した碑ではないだろうか。案内標識は「動物慰霊碑」と表示されている。今でも多くの人が供養に訪れているが、どうもペットの供養碑とみなしているようである。
インターネットで検索しても、八事霊園の動物慰霊碑へペットのお墓参りにいったとの記述が多い。現代の人にはなじみにくい「畜魂」が見事に無視されて「動物慰霊」にすり変っている。今ではこの碑は「動物慰霊碑」であって、「畜魂」は単に慰霊の気持ちを示す象徴的な記号になっている。

畜魂碑のすぐ上には万霊供養塔がある。
墓に混じって、芸者さんのような石造を見つけた。どのような由来のものだろうか。

碑文：「畜魂碑／名古屋市長　大岩勇夫謹書」
（裏面）「昭和五年六月有志寄付建之／長塀甼／水野石材部」
大きさ（ｃｍ）：
本体：112W×306H×21D

撮影日：2007/02/17