鯨鯢供養塔￤佐賀県呼子町

鯨鯢供養塔　　観音堂：佐賀県呼子町小川島

慰霊の対象：鯨／創設業種：漁業

［写真］
■上段左：加部島から小川島■上段右：鯨鯢供養塔 ■二段左：鯨鯢供養塔■二段右：鯨見張所 ■三段左：鯨見張所から西海を望む■三段右：島独特の小リヤカー ■下段左：鯨見張所の解説板■下段右：小川島を後にする

小川島は呼子から６km離れた周囲わずか４kmの小島である。ここには鯨の胎児を供養するための「鯨鯢供養塔」がある。１９８３年（文久３年）建立され、県の重要文化財に指定されている。鯨鯢は「げいげい」と読み、雄鯨と雌鯨のことで呼子の石上山龍昌院にも鯨鯢供養塔と鯨鯢千本供養塔がある。小川島の鯨鯢供養塔が鯨の胎児を対象とはホームページから探し出したもので、この塔のそばには特に解説はなかった。さいわい、お経をあげにきていた婦人に、どれが供養塔なのか聞くことができたので助かった。
玄海灘沿岸地域の捕鯨は「西海捕鯨」と呼ばれ、江戸時代から捕鯨業が営まれていた。西海捕鯨は三陸、紀州、土佐とともに日本の四大捕鯨の地となっていたそうだ。鯨の見張所は現在よく整備されていて写真に示した解説板のほかにも鯨の種類や鯨骨切唄の解説板がある。

鯨見張所の解説文

【佐賀県重要有形民俗文化財】
小川島鯨見張所一棟(附）鯨の供養塔

小川島を基地とする玄海の捕鯨開始については、文禄３年（１５９４年）に当時の唐津藩主
寺沢志摩守が紀州・熊野灘から漁夫を雇い、突取法による捕鯨を行わせたのが始まりとい
われています。その後、唐津藩の保護の下、網による捕鯨が盛んに行われましたが、明治
維新後は藩の保護が置かれたことにより、鯨組を中心とする捕鯨は衰退しました。明治年
間に小川島捕鯨株式会社が創設されましたが、明治初期に始まった南氷洋での母船式捕鯨
は日本各地の近海捕鯨を圧倒し、玄海の捕鯨は昭和36年をもって終わりをつげます。

　小川島鯨見張所は、山見小屋とも呼ばれ、瓦葺木造平家建で、梁間2.96m、桁行7.88m、
建坪7坪（23，32㎡）の広さです。
　小屋組は洋風様式を取り入れた大正初期の和小屋であり、窓は沖合いを往来する鯨の監視・
発見のため、上釣り回転扉が南側に3門、北側に4門取り付けられ、風雨の強い時にも監視
できるよう設計されています。

　鯨の供養塔が、観音堂境内にあり、高さ0.7m、幅0.3mの舟型光背を有する地蔵尊石像で、
「文久三亥三月吉日」の銘があります。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2001年3月　呼子町教育委員会

鯨鯢供養塔
碑文：鯨鯢供養塔／文久三亥三月吉日
大きさ（ｃｍ）：７０W×３１H×３０D
ブロック３段で高さ６０cmの台

撮影日：2004/6/14

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