Reaching for the Boots

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-Reaching for the Boots-

 再結成UKのニューアルバム「LEGACY」を待つまでの間、1978年から1979年までの短い間のUKの活動を主にブートレッグを通して再考しようという企画です
 構成としては

  • 1)結成前「Wakeman Wetton & Bruford」
  • 2)4人UK結成「憂国の四士」
  • 2-1)THE SAHARA OF SNOW
  • 2-2)GROSSE POINTE
  • 2-3)RIVIERA
  • 2-4)PHILADELPHIA
  • 2-5)PARADISE LOST
  • 2-6)CHASING RAINBOWS
  • 2-7)REACHING FOR THE LIGHT
  • 2-8)ROAD TEST
  • 2-9)ORIGINAL FINAL OPTION
  • 3)4人UK分裂
  • 4)3人UKでの再編成
  • 4-1)PARISAN RENDEZVOUS
  • 4-2)AMNESIA
  • 4-3)LOST UK TAPE
  • 4-4)ONE NIGHT
  • 4-5)GOING NOWHERE
  • 4-6)NIGHT AFTER NIGHT
  • 5)E.Jobson's UK(最終形UK)
  • 5-1)TOUR MEMORIES
  • 5-2)QUEBEC 1979
  • 5-3)AFTER MIDNIGHT
  • 5-4)LIVE AFTER NIGHT
  • 5-5)WAITING FOR YOU
  • 6)解散
  • 7)その後
  • 8)再結成

  • 1)結成前「Wakeman Wetton & Bruford」
     King Crimsonの再来として多くの人が待ちわびたUKの結成であったが、実はむしろ別の形で始まっていた。72年から74年をKing Crimsonで過ごしたJohn WettonとBill BrufordがKing Crimsonの再結成を意識して新しいプロジェクトを起こしたのが76年の事であった。75年Roxy MusicにいたJohn WettonはBill Brufordと再び活動を考え始め、76年にリハーサルを始めた。その時のキーボードはなんとRick Wakemanであった。当時のリハーサルは6週間で、音楽的な理由でバンド結成に至らなかったというJohn Wettonの話もあるが、一方でレコード会社の都合上進まなかったという話もある。Yes在籍中も個人としての契約をA&Mと残していたRick Wakemanの場合、マネージメント側は新バンド名にRick Wakemanの入れること等を主張していたとかで音楽とは別の次元でも結成の障害となった。当時この「Wakeman Wetton & Bruford」はやや低迷してきたEmerson Lake & Palmerに代わる新しいプログレキーボードバンド(ギターレス)として期待されていただけに結成されていたらかなり面白いバンドになっていただろう。この時のリハーサルの音源がまだブートしてでていないのでぜひ一度聞いてみたいものである。
     さて、77年になり次にJohn WettonとBill Brufordが考えたのが若き天才キーボードプレイヤーであったEddie Jobsonである。Eddie JobsonはKing Crimsonの74年のライブである「U.S.A.」のオーバーダビングでキーボードとバイオリンを演奏し、その後75年、当時Brian Enoの後釜で入ったRoxy MusicでJohn Wettonとはツアーを回りお互いの演奏を知っていた。そしてリハーサルにはBill Brufordの提案で彼のお気に入りのギターリストのAllan Holdsworthが呼ばれ、UK結成当時のメンバー構成となった。もともと彼らがめざしたのはKing Crimsonではなく別の形であったがメンバー構成上多くのファンに期待されてしまったのはKing Crimsonの再来であった。残念ながらこのころのリハーサルもまだブートとしては出ていない。この結成までの道筋とは別にKing Crimson解散後、Robert Fripp,John Wtton,Bill BrufordはEddie Jobsonを入れてKing Crimsonとは別のKing Crimsonを模索しており、結局は結成にならなかったがその時に出たバンド名のUKが使われることになった。

    2)4人UK結成「憂国の四士」
     King Crimsonが解散し、Emeson Lake & PalmerやYesが全盛期の73/74年の頃とは違ったバンドのスタイルを選び始めた77年にUKは1stアルバム「UK」(邦題「憂国の四士」)をリリース。余談であるが、パンクミュージック全盛期でプログレ低迷期にさしかかった当時、「憂国の四士」という邦題はまさに、彼らの置かれていた状況を上手く表したタイトルである。もっとも「夕刻の四士」というジョークもあるとか・・・
     781月の発売のこのアルバムの収録曲は御存知の通り下記の通り。
    UK - UK
    Recorded and Mixed at Trident Studios, Soho, London December 1977 and January 1978
    1)In The Dead Of Night
    2)By The Light Of Day
    3)Presto Vivace And Reprise
    4)Thirty Years
    5)Alaska
    6)Time To Kill
    7)Never More
    8)Mental Medication

    Vocal & Bass : John Wetton
    Keyboads & Violin : Eddie Jobson
    Drums & Percussion : Bill Bruford
    Guitars : Allan Holdsworth

     4人UKの78年夏からのツアーの全貌は資料が不十分のため明らかになっていない。唯一の資料となるのが当時のライブのブートである。そのブートを紹介しつつ当時のライブ活動を探って行きたい。

    2-1)「THE SAHARA OF SNOW」
    まず最初のブートは「THE SAHARA OF SNOW」ブートして聞ける最初期の演奏である。曲目は下記の通り


    UK - THE SAHARA OF SNOW
    1978/JUL/26or27 EL MOCAMBO, TORONTO CANADA [OFF BEAT RECORDSXXCD6]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE SAHARA OF SNOW PART 1
    04)THE SAHARA OF SNOW PART 2
    05)CARRYING NO CROSS
    06)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    07)THIRTY YEARS
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)BY THE LIGHT OF DAY
    10)PRESTO VIVACE AND REPRISE

    OTHER BOOT
    [CLUB GIG]

    まず特筆すべき事は「UK」未収録で後の「DANGER MONEY」で収録されている"CARRYING NO CROSS"と"THE ONLY THINGS SHE NEEDS"が既に演奏されていることと、UK分裂後BRUFORDの「ONE OF A KIND」に収録される"THE SAHARA OF SNOW"が演奏されていることである。後にインタビューでEddie JobsonとJohn Wetton共に「ツアーには曲が少なかったからアルバム収録後リハーサルで作った」というように当時としては新曲にあたる曲として未発表曲を演奏していたようだ。"THE SAHAEA OF SNOW"は基本的にBRUFORDの「ONE OF A KIND」に収録されるものにかなり近く、アルバムの方がサウンドエフェクトを多用している点と情緒的なピアノが多い点は対照的である。Part 2のアルバムの作曲者クレジットにはEddie Jobsonの名前が入っている。この曲はこの時点でかなり完成されているようだ。そして同様に新曲に当たる"CARRYING NO CROSS"と"THE ONLY THINGS SHE NEEDS"ではアルバムにはないギターパートを加えた曲でかなり荒削りな曲としてしあがっている。(詳細は他のブートの所で紹介する)アルバムとの比較では65%ぐらに完成度と言える。"IN THE DEAD OF NIGHT""BY THE LIGHT OF DAY""PRESTO VIVACE AND REPRISE"はアルバムと同じように3曲演奏している

    2-2)「GROSSE POINTE」
     次に紹介するのがその1ヶ月後のライブにあたる「GROSSE POINTE」。主録場所は不明であるが、曲目は下記の通りである。

    UK - GROSSE POINTE
    1978/JUL/19 No informatin for place [pm.109]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    04)CARRYING NO CROSS
    05)FOREVER TILL SUNDAY
    06)THIRTY YEARS
    07)PRESTO VIVACE
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)CAESAR'S PALACE BLUES

     ライブとしては「THE SAHARA OF SNOW」に近いが若干異なる。"SAHARA OF SNOW"はないが、逆に「ONE OF A KIND」に収録されることになる"FOREVER TILL SUNDAY"が収録されている。そして後の「DANGER MONEY」に収録される"CAESAR'S PALACE BLUES"がラストを飾っている。"FOREVER TILL SUNDAY"はEddie Jobsonのヴァイオリンソロとして演奏されている。ヴァイオリンのイントロから入り後半からはヴァイオリンからキーボードに代わりセッション風になり、Allan Holdsworthのギターのリードラインががんがんに入り最後はイントロと同じメロディーをシンセとギターでユニゾンでゆったりと弾いて終わる。曲構成はアルバムとほぼ同じでありこの時点で完成しているようだ。後のインタビューによると、アルバム「ONE OF A KIND」に収録されるヴァイオリンは彼自身の演奏によるもので、クレジットに名前を載せないことを条件で演奏をしたそうだ。アルバムの作曲者クレジットはBill Brufordだけである。そしてラストを飾る"CAESAR'S PALACE BLUES"これもアルバム同様Eddie Jobsonのヴァイオリンを全面に出した曲である(詳細は他のブート部分で紹介)。このころから"IN THE DEAD OF NIGHT"は"BY THE LIGHT OF DAY"を省略して前曲の"THIRTY YEARS"のエンディングのシンセストリングスにかぶせて"PRESTO VIVACE AND REPRISE"から始まるパターンになっている。

    2-3)「RIVIERA」
     次に紹介するのは名演奏と言われる「RIVIERA」。しかしながら恥ずかしながら私(ts)は残念ながらこのブートを聞いていないためコメントできないです。曲の紹介だけになります。

    UK - RIVIERA
    1978/JUL/20 RIVIERA, Chicago ILL[DYNAMITE STUDIO DS93J053]

    01)THE ONLY THING SHE NEEDS
    02)CARRING NO CROSS
    03)THE SAHARA OF SNOW PART 1
    04)THE SAHARA OF SNOW PART 2
    05)THIRY YEARS
    06)CODA FROM BY THE LIGHT OF THE DAY
    07)PRESTO VEVACE
    08)IN THE DEAD OF NIGHT

    きっとこの後に"CAESAR'S PALACE BLUES"がアンコールだったでしょう。

    2-4)PHILADELPHIA
    当時の一つのライブの全体をほぼ収録している点では唯一といえるのがこの「PHILADELPHIA」。曲目は下記の通り。

    UK - PHILADELPHIA
    1978/AUG/8 PHILADELPHIA [ASTEROID AR-05]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    04)CARRYING NO CROSS
    05)FOREVER TILL SUNDAY
    06)THIRTY YEARS
    07)IN THE DEAD OF NIGHT
    08)THE SAHARA OF SNOW
    09)CAESAR'S PALACE BLUES

    OTHER BOOT
    [
    WHEN WILL YOU REALIZE(TNT-030125/26]

    オープニングの"ALASKA"からラストの"CAESAR'S PALACE BLUES"までを収録しており新曲扱いの"THE ONLY THINGS SHE NEEDS""CARRYING NO CROSS""FOREVER TILL SUNDAY""THE SAHARA OF SNOW"の全てを収録。ただし、"IN THE DEAD OF NIGHT"は「GROSSE POINTE」同様"BY THE LIGHT OF THE DAY"の無いショートバージョンになっている。ジャケットクレジットが"THE SAHARA OF SNOW"の前に"IMPROVISATION"を加えているように、ベースを中心としたIMPROVISATIONを演ってからそのまま"THE SAHARA OF SNOW"に入るところはアルバム収録やツアー前半とも異なっている。

    2-5)PARADISE LOST
     彼らのツアーが78年の夏から始まるがその時の4人UKのライブは未だにオフィシャルには発売されていない。しかし96/97年頃、UKの再結成が騒がれ始めた際に78年9月11日Boston Pradaise Theaterでのライブが発売されようとしたが結局は未だに発売されていない。ブートでは既に出回っており、曲目としては下記の通り。音源はKing Biscuit Flowerのライブからでありライン録りで非常に音質がいい(リマスターのほうは若干上回る)。

    UK - PARADISE LOST
    1978/SEP/11 PARADISE THEATER, BOSTON[PQS2001]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    04)CARRYING NO CROSS
    05)THIRTY YEARS
    06)IN THE DEAD OF NIGHT
    07)CAESAR'S PALACE BLUES

    OTHER BOOT
    [
    TOUR MEMORIES(AS37) ]
    [
    IN THE DEAD OF NIGHT(LLRCD 099) ]
    [ PARADISE LOST ULTRA REMASTERED(THE STANDIN' PIG RECORDS TSP-CD-003)]

    違う名前で何種類かあるだけではなく、「PARADISE LOST ULTRA REMASTERED」の様にオフィシャル発売様のリマスターだというブートもあるぐらいである。

    2-6)CHASING RAINBOWS
    ツアー後半に入りライブでの選曲もほぼ安定しているが、このころにはAllan HoldsworthとBill Brufordがよりジャズ指向を強く望み分裂への道へ進んでいたことになる。


    UK - CHASING RAINBOWS
    1978/OCT/7 BOSTON, MASSACHUSETTS[COMPLEX DREAMS UK-4004]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THING SHE NEEDS
    04)CARRING NO CROSS
    05)FOREVER TILL SUNDAY
    06)THIRTY YEARS
    07)BY THE LIGHT OF THE DAY ENDING
    08)PRESTO VIVACE
    09)IN THE DEAD OF NIGHT
    10)CAESAR'S PALACE BLUES


    どこのライブでもほぼ同じであるが"CARRYING NO CROSS"のアルバム盤との比較をすると次のようになる。まず1分半あるイントロ部分が大きく異なる。シーケンサーをバックに弾くバイオリンや次のバイオリンをバックに徐々に盛り上がるシンセラインもなくイントロ最後のドラム部分からいきなり'Stop...'と叫んで始まる。次に続くゆったりとしたメロディーラインの部分は基本的には同じであるが、「キメ」の要素のあるピアノの「ジャン」というタイミングがかなり異なり数的にも多い。またギターの音はあくまで後ろでなっている程度。そして歌詞がかなりの部分で異なる。中間部分のimprovisation前半もアルバムはあくまでもEddie Jobsonの為のキーボードインプロビゼイションであるのに対し、バンドのセッション的な色が濃い。従ってギターだけではなくベースをばりばり弾いている。アルバムにあるムーグのフットベースのタウラス?の低くて太い音はない。improvisation後半部分はキーボード、ギター、ベースのユニゾン部分もある。そしてあの絡みつくようなギターの音と共に曲前半と同じスローな部分に戻る。
    "THE ONLY THING SHE NEEDS"であるが、"CARRING NO CROSS"に比べるとアルバムにやや近い演奏となる。基本的にアルバムに比べ若干テンポが遅く、Terry Bozioより太鼓の数がやや少ない。メインパートが終わった後のセッション部分へのつながりでのギターの絡む音が非常に効果的に絡んでいる。その後のセッション部分はアルバムがあくまでもシーケンサーキーボードで伴奏してEddie Jobsonのバイオリンソロであるのに対して依然とセッションとしての仕上がりになっている。
    2つの曲に共通に言えることはアルバムでEddie Jobsonのソロパートになっている部分はバンドのセッションになっている。或いは逆に、バンドのセッションを重視した曲であったが後にEddie Jobsonのソロになってしまったと言える。

    "CAESAR'S PALACE BLUES"の場合はもっと極端である。後にEddie Jobsonの為だけのヴァイオリンの曲となっているがこの時点でもう、Allan HoldsworthのギターとBill Brufordのドラムはほとんど目立たない。あくまでも伴奏になっている。もう'Eddie Jobson on stage'である。実は未発表であるが78年来日後のツアーで演奏している"Waiting For You"はライブ最後アンコールで演奏され、この"CAEAR'S PALACE BLUES"に酷似して、'Eddie Jobson on stage!'状態である(次回掲載で紹介予定)。

    2-7)REACHING FOR THE LIGHT
    これも前作同様ツアー後半に入った4人UKのライブ。若干音が割れ気味なのが気になる音源だ。


    UK - REACING FOR THE LIGHT
    1978/OCT/8 WEST HAVEN, CONNECTICUT[COMPLEX DREAMS UK-4001]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THING SHE NEEDS
    04)CARRING NO CROSS
    05)FOREVER TILL SUNDAY
    06)THIRTY YEARS
    07)BY THE LIGHT OF THE DAY ENDING
    08)PRESTO VIVACE
    09)IN THE DEAD OF NIGHT
    10)CAESAR'S PALACE BLUES

    クレジットは"BY THE LIGHT OF THE DAY ENDING"と書いてあるがこれは他のライブ同様に"THIRTY YEARS"のエンディングのシンセストリングスと"PRESTO VIVACE"を重ねているものである。"IN THE DEAD OF NIGHT"のエンディングで盛り上がった聴衆が「UK!UK!〜」と叫ぶ様はやらせと言われる「NIGHT AFTER NIGHT」の「UK!UK!〜」と同じ様な叫びだ。ALLAN HOLDSWORTHがROCKっぽい1フレーズを弾いたりして最後アンコールの"CAESAR'SA PALACE BLUES"が始まる。

    2-8)ROAD TEST
    LPブート時代には私はUKのブートは見つけれずCDブート時代になった90年代当初もなかなか出てこなかったUKのブートであるが、私の記憶では「PARADISE LOST」同様最初期のCDブートである。「PARADISE LOST」には入っていなかった"FOREVER TILL SUNDAY"入っていたという点ではUKファンにはたまらないブートであった。曲目は下記の通り。


    UK - ROAD TEST
    1978/NOV/9 CLEVELAND[MICROPHONE RECORDS MPH CD02 1991]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    04)CARRYING NO CROSS
    05)FOREVER TILL SUNDAY
    06)THIRTY YEARS
    07)BY THE LIGHT OF DAY
    08)PRESTO VIVACE
    09)IN THE DEAD OF NIGHT


    このブートの最大の価値はなんと言っても4人UKのライブでは最も末期に近いライブであろう。解散寸前のライブである。ブートタイトルが「ROAD TEST」となっているがテストどころか結論がでてしまった状態で「LAST ROAD」という名前の方がふさわしいかもしれない。

    2-9)ORIGINAL FINAL OPTION
    ここまで既に紹介した「PARADISE LOST」「THE SAHARA OF SNOW」「ROAD TEST」からの寄せ集めといえるブートです。曲目は下記の通り。

    UK - ORIGINAL FINAL OPTION
    01-09)1978/SEP/11PARADISE THEATER, BOSTON MA
    10-11)1978/JUN/27EL MOCAMBO,TORRONTO, CANADA
    12)1978/NOV/9 CLEVELAND, UK [HIGHLAND HL087#U3]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    04)CARRYING NO CROSS
    05)THIRTY YEARS
    06)BY THE LIGHT OF DAY
    07)PRESTO VIVACE
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)CAESAR'S PALACE BLUES
    10)THE SAHARA OF SNOW PART 1
    11)THE SAHARA OF SNOW PART 2
    12)FOEVER TILL SUNDAY

    寄せ集めという点ではあまり価値が無いのですが逆に初めて聞くブートにはいいのかもしれない。

     多くのブートを聞いても彼らのデビューアルバムからの"Never More""Mental Medication"は聞くことが出来ない。この2曲は唯一Allan Holdsworthの名前が入っている曲である。アルバムから選曲しないにも関わらず新曲(Eddie Jobson,John Wetton共作)を演奏しているという事はツアーでの指導権は既に決まっておりその後の分裂を待つだけであったのかもしれない。

    3)4人UK分裂
     ツアーの終わる78年11月、音楽的な相違からジャズ指向の強いBill BrufordとAllan Holdsworthが脱退することになる。バンドとしては77年7月の結成。77年12月〜78年1月までの2ヶ月アルバム制作とその後のリハーサルを経て初夏から約半年のツアーで分裂となる非常に短い活動期間であった。ジャズ指向の脱退組2人はベースのJeff BerlinとキーボードのDave Stewartを迎えてBRUFORDを結成する。そして79年に発売されるアルバム「ONE OF A KIND」には4人UKのライブ新曲であった"THE SAHARA OF SNOW""FOEVER TILL SUNDAY "が収録される。一方ロック指向の強い残った2人はEddie Jobsonの紹介でTerry Bozioを加入させ、3人UKとして再スタートし、同様にライブ新曲であった"THE ONLY THINGS SHE NEEDS""CARRYING NO CROSS""CAESAR'S PALACE BLUES"を収録した「DANGER MONEY」をリリースする。78年11月から翌年1月までの短期間でのアルバム制作ということになる。その結果、BRUFORDのアルバム「ONE OF A KIND」の方が「DANGER MONEY」よりもファーストアルバム「UK」に近くよりジャズ指向であるのに対し、「DANGER MONEY」の方がよりロック指向でポップになることになる。このアルバム以降については次回に掲載することにします
     後は「もしも・・・」的な発想になるが、4人のままUKを続けていたら既に出来ている曲でもう2枚目のアルバムが出来ていたことになる。曲としては既にできあがっている下記の通りだ。選曲だけをみると全くわけのわからないバンドのアルバムといえるわけだが、「UK」が77年の「結成の姿」であるとするとこの幻のアルバム「UK78(仮題)」は78年の「分裂のアルバム」と言えよう。(きっと誰かがこういうブートを作ったりして・・・)
    UK - UK78
    01)CARRYING NO CROSS
    02)THE SAHARA OF SNOW PART 1
    03)THE SAHARA OF SNOW PART 2
    04)CAESAR'S PALACE BLUES
    05)FOEVER TILL SUNDAY
    06)THE ONLY THINGS SHE NEEDS

    4)3人UKでの再編成
    1978年11月の4人UKからのB.Bruford,A.Holdsworthの脱退後、E.JobsonがFrank Zappa Bandでの知り合いのT.Bozioを呼んで3人で再編成を行う。1st Albunからほぼ1年後に2ndAlbumとしてDANGER MONEYをRelease。曲目は下記の通り。

    UK - DANGER MONEY
    Recorded at A.I.R.Studios London, England,November1978-January 1979

    01)DANGER MONEY
    02)RENDEZVOUS 6.02
    03)THE ONLY THING SHE NEEDS
    04)CAESAR'S PALACE BLUES
    05)NOTHING TO LOOSE
    06)CARRYING NO CROSS

    Eddie JOBSON: Keyboards & Violin
    John WETTON: Vocal & Bass
    Terry BOZIO: Drums & Percussions

    再編成からわずか3ヶ月での完成であるが、前回書いたように大半の曲は既に完成しており03)THE ONLY THING SHE NEEDS,06)CARRYING NO CROSSは後半のSessionPartをE.Jobsonのsoloに変えて完成。04)CAESAR'S PALACE BLUESはほぼ4人時代のまま。つまり3人UKとしては若干Progre度の強い01)DANGER MONEYと十分Popな02)RENDEZVOUS 6.02,05)NOTHING TO LOOSEを加え完成させたことになる。

    4-1)PARISAN RENDEZVOUS
    3人での再編成UKで始まったTOURのブートの中で最も古いものとしてこのPARISAN RENDEZVOUSがある。曲目は下記の通り

    UK - PARISIAN RENDEZVOUS
    1979/FEB/? PAVILLION PARIS FRANCE[DYNAMITE STUDIO DS91E016/017 ]

    01)DANGER MONEY
    02)THE ONLY THING SHE NEEDS
    03)RENDEZVOUS 6.02
    04)CODA FROM BY THE LIGHT OF DAY
    05)PRESTO VIVACE
    06)DRUM SOLO
    07)IN THE DEAD OF NIGHT
    08)NOTHING TO LOOSE
    09)IMPROVISATION
    10)THIRTY YEARS
    11)CARRYING NO CROSS
    12)ALASKA
    13)TIME TO KILL
    14)VIOLIN SOLO
    15)TIME TO KILL REPRISE
    16)CAESAR'S PALACE BLUES
    ------SINGLE VERSION-----
    17)NOTHING TO LOSE
    18)IN THE DEAD OF NIGHT

    CREDITに書かれている通りで有ればレコーディング後1ヶ月後のライブとなる。再編成直後のHotな状態でのライブである。DANGER MONEYで新たにStudio Recordingし直した02)THE ONLY THING SHE NEEDS,11)CARRYING NO CROSS,16)CAESAR'S PALACE BLUESの演奏はStudio版に忠実で4人で演奏した面影は無くなっている。02)THE ONLY THING SHE NEEDSの後半のE.JobsonのKeyboad/Violin soloはStudio版とほぼ同じ。後ろに流れるシンセ・シーケンサーの音が少しちゃちっぽく聞こえるのが残念である。
    Studio版と異なる点とすれば、08)NOTHING TO LOOSEのViolinSoloの前半がよりPopなラインを弾いている。しかし、イントロの音など音色的に「かすかす」感は避けられない。09)ははじめの部分が欠けているがJ.WettonのCrimson以来の久々のBass Playerとしての魅力があふれるImprovisationである。
    余談であるが、LiveでのMCでJ.Wettonはフランス語をちゃんと話している。ASIA結成前FRANCEの"ATOLL"に一時加入したり、J.WettonのOfficial Web SiteがFranceにあったりと以外にFrance通だったり・・・。
    このBOOTにはSingleReleaseした"NOTHING TO LOOSE"とそのB面の"IN THE DEAD OF NIGHT"(もちろんDrumはT.Bozioが入っており、3人での再編成直後の音源がすべて詰まっていると言う点でかなり魅力的なBOOTである。

    4-2)AMNESIA
    次に北米ツアーでのBootとして下記がある。


    UK - AMNESIA
    1979/MAR/23 PALLADIUM, NY

    01)DANGER MONEY
    02)THE ONLY THING SHE NEEDS
    03)NOTHING TO LOSE
    04)IMPROVISATION
    05)BY THE LIGHT OF DAY ENDING
    06)PRESTO VIVACE
    07)DRUM SOLO
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)RENDEZVOUS 6.02
    10)THIRTY YEARS
    11)CARRYING NO CROSS
    12)ALASKA
    13)TIME TO KILL
    14)VIOLIN SOLO
    15)TIME TO KILL REPRISE
    16)CAESAR'S PALACE BLUES

    演奏はほぼPARISIAN RENDEZVOUSと同様でDANGER MONEY収録曲はALBUMに忠実に演奏している。03)NOTHING TO LOSEを3曲目に置き、逆に09)RENDEZVOUS 6.02を後ろにずらし、来日公演の順に近づく。また04)IMPROVISATION (Bass solo)の後に05)BY THE LIGHT OF DAY ENDINGを持ってきてProgre度とSolo度を高めた演奏を行う。その後、09)RENDEZVOUS 6.02と10)THIRTY YEARSの前半の静かに聴かせる曲を続け、その後半から最後までprogre度を高めた曲と演奏を続け一気に。結構曲構成を凝っている。11)CARRYING NO CROSSもStudio版に非常に近いstyleでの演奏であり、Intro部分も同じである。Tapeを使っているのではないかと思わせるほど再現している。後半のKeyboad soloの部分の後ろに流れるシーケンスパターンも見事に再現され、E.JobsonのsoloがStudio版とほぼ同じに演奏されている。

    4-3)LOST UK TAPE
    AMENSIAの翌日のLIVEとして出ているのが下記のLIVE。曲目は下記の通り。


    UK - LOST UK TAPE
    1979/MAR/24 PALLADIUM, NY

    01)DANGER MONEY
    02)THE ONLY THING SHE NEEDS
    03)NOTHING TO LOSE
    04)IMPROVISATION(including Bass Solo)
    05)BY THE LIGHT OF DAY ENDING
    06)PRESTO VIVACE(including Drum Solo)
    07)IN THE DEAD OF NIGHT
    08)RENDEZVOUS 6.02
    09)THIRTY YEARS
    10)CARRYING NO CROSS
    11)VIOLIN SOLO
    12)TIME TO KILL REPRISE
    13)CAESAR'S PALACE BLUES

    基本的に前日のLIVE AMNESIAと同じ。1CDの為曲目がCUTされているのが惜しい。10)CARRYING NO CROSSと11)VIOLIN SOLOの間のALASKA,TIME TO KILLがCUTされている。また、これは全てのLiveで言えることだが、04)-07)IN THE DEAD OF NIGHTにて新たにT.BozioのDrum soloをfeatureしている。Soundとしては当時から流行始めたシンセドラムをふんだんに取り入れたsoloだ。4人UKでは個人のSoloは無いが、3人UKからは04)Bass solo 06)Drum solo 11)Violin soloがあり、各曲にはKeyboad soloがあることから4人UKよりもsoloを重視したELPに近い演奏styleになっている。他のLiveでも言えるが、12)TIME TO KILL REPRISEでJ.WettonはチョッパーBassを結構弾いている。Crimson/4人UK/Asiaにない一面だ。

    4-4)ONE NIGHT
    US Tourの後初のJapan Tour中の大阪でのlive。曲目は下記の通り。


    UK - ONE NIGHT
    1979/MAY/31 KOUSEI-NENKIN HALL, OSAKA [UKCD791/792 ]
    01)DANGER MONEY
    02)THE ONLY THING SHE NEEDS
    03)NOTHING TO LOOSE
    04)JOHE WETTON SOLO(IMPROVIZATION)
    05)CODA FROM BY THE LIGHT OF DAY
    06)PRESTO VIVACE
    07)DRUM SOLO
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)RENDEZVOUS 6.02
    10)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    11)THIRTY YEARS
    12)CARRYING NO CROSS
    13)ALASKA
    14)TIME TO KILL
    15)VIOLIN SOLO
    16)TIME TO KILL REPRISE
    17)NIGHT AFTER NIGHT
    18)CAESAR'S PALACE BLUES
    同Liveの別Bootとして下記がある。
    UK - DANGER AFTER NIGHT
    [HIGHLAND HI 007/8#U1 ]
    UK - WHEN WILL YOU REALIZE
    [TNT -030125/26 ]

    東京公演と異なり最初は普通の手拍子で始まる。録音状況が良いためか、極めてStudio版に近く演奏も安定している。新曲扱いの10)AS LONG AS YOU WANT ME HERE 17)NIGHT AFTER NIGHTを加え、US Tour以上に盛りだくさんなLiveとなる。03)NOTHING TO LOOSEのIntroのシンセ音はこれまでのLiveのようにちゃちっぽくなくてstudio版に近い。Backvocalも安定している。10)AS LONG AS YOU WANT ME HEREの前は「ドーモ、キミタチ、サイコダヨ」をきめてからの演奏となる。そのEndingPianoCord演奏からシンセに入りそのまま11)THIRTY YEARSのIntroに入るという綺麗な続き方だ。

    4-5)GOING NOWHERE
    私のように来日公演をReal Timeで味わえなかった者にとってこのBOOTはまさに来日公演を味わえる。曲目は下記の通り。

    UK - GOING NOWHERE
    1979/JUN/1? NAKANO SUNPLAZA TOKYO [TOP UK-790190 ]
    00)MC Annoucement for Live Recording
    01)DANGER MONEY
    02)THE ONLY THING SHE NEEDS
    03)NOTHING TO LOOSE
    04)JOHE WETTON SOLO(IMPROVIZATION)
    05)CODA FROM BY THE LIGHT OF DAY
    06)PRESTO VIVACE
    07)DRUM SOLO
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)RENDEZVOUS 6.02
    10)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    11)THIRTY YEARS
    12)CARRYING NO CROSS
    13)ALASKA
    14)TIME TO KILL
    15)VIOLIN SOLO
    16)TIME TO KILL REPRISE
    17)NIGHT AFTER NIGHT
    18)CAESAR'S PALACE BLUES

    ファンの一人のカセット録音による典型的なAudience録りの名Boot。聴衆の反応がてにとるように現れている。非常に面白いのが00)MC Annoucement for Live Recordingである。ここで「この公演をLive Albumにする」「UK! UK! UK!と呼んで下さい」というアナウンスが笑える。そしてNIGHT ATER NIGHTのライナーツノートに書いてある「黄色い歓声」も聞くことが出来る。

    4-6) NIGHT AFTER NIGHT
    上記にあるように上記の中野サンプラザと青年館からの収録で完成させたLIVE ALBUM。収録曲は下記の通り。

    UK - NIGHT AFTER NIGHT
    Recorded live at Sun Plaza and Seinen Kan Tokyo, June 1979. Mixed at Westlake Studios, Beverly Hills, califolnia, June 1979
    01)NIGHT AFTER NIGHT
    02)RENDEZVOUS 6.02
    03)NOTHING TO LOSE
    04)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    05)ALASKA
    06)TIME TO KILL
    07)PRESTO VIVACE
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    09)CAESAR'S PALACE BLUES
    Eddie JOBSON: Keyboards & Violin
    John WETTON: Vocal & Bass
    Terry BOZIO: Drums & Percussions

    ここで面白いのはNIGHT AFTER NIGHTのLive Albumの選曲である。GOING NOWHEREからも分かるが、日本公演の演奏は必ずしもPOP指向だけでなく、02)THE ONLY THING SHE NEEDS,11)THIRTY YEARS,12)CARRYING NO CROSSといったPROGRE度の強い曲も3人で十分演奏している。しかし、最終的に選曲されたのは「3人UKの曲とも言えるPOP指向の強い曲のみ」を選曲している。
    また、このLIVE ALBUNのOVER DUBBINGについて若干の疑問がある。MEMBERはOVER DUBBINGを行っていないと言っているが、BOOTで聞く限り、"NIGHT AFTER NIGHT"のE.JOBSONのSolo部分はあまり似ていない。むしろ後述の"QUEBEC 1979"でのSOLOに近い。また、来日公演では"NIGHT AFTER NIGHT","AS LONG AS YOU WANT ME HERE"は基本的に前半がPIANOで後半がHammondで両方を重ねては弾いていない。しかし、LIVE ALBUMではHAMMONDとPIANOが重なって聞こえる。後述の"QUEBEC 1979"ではHAMMONDで演奏している。つまり、E.JOBSONのPARTは来日公演の音に厚みを持たせるため、基本的な演奏部分は後の音色を重ね、SOLOは後のSOLOに入れ替えたと言えるのではないだろうか?これは本人に聞くしかないです。その他では07)PRESTO VIVACEと08)IN THE DEAD OF NIGHTの間にあったDrumSoloは上手くCutされている。

    5)E.Jobson's UK(最終形UK)
    日本公演の前後で明確に分かれるわけではないが、この頃からUKのバンドが変化する。つまりE.Jobsonを全面に出すようになるからである。来日後は曲順が大幅に変わり、新曲も加わる。

    5-1)TOUR MEMORIES
    その様子が一部しかわかりずらいが、来日後のNORWAYでの演奏も一部入っている78/79年のCombinationBootとしてTour Memoriesがある。曲目は下記の通り。


    UK - TOUR MEMORIES
    01)-08)1978/SEP/11 PARADISE THEATER,BOSTON MA
    09)-13)1979/JUL/12 OSLO NORWAY [AS37]

    01)ALASKA
    02)TIME TO KILL
    03)THE ONLY THINGS SHE NEEDS
    04)CARRYING NO CROSS
    05)THIRTY YEARS
    06)BY THE LIGHT OF DAY
    07)PRESTO VIVACE
    08)IN THE DEAD OF NIGHT
    ----------------------
    09)DANGER MONEY
    10)WETTON'S BASS SOLO
    11)RENDEZVOUS 6.02
    12)THE ONLY THING SHE NEEDS
    13)WAITING FOR YOU (FADE OUT)

    ここで新しい曲順がわからないが新曲の13)WAITING FOR YOU (FADE OUT) がある。このBootでは最後まで聴くことが出来ないがこの曲がCAESAR'S PLACE BLUESに近くE.JobsonのViolinを全面に出したPopな曲であることがわかる。

    5-2)QUEBEC 1979
    つぎに紹介するのは「もし、NIGHT AFTER NIGHTのLIVE ALBUMが日本でしかもあのタイミングで収録されていなかったら」NIGHT AFTER NIGHTはこのBOOTのようになっていたのではないだろうかと言えるBOOTである。1枚のCDである結果としてDANGER MONEY,THIRTY YEARSが収録されていないが、選曲のConceptが前述したように「最終的に選曲されたのは3人UKの曲とも言えるPOP指向の強い曲」を更に押し進め「POPであることと同時にE.JOBSON色を強めたもの」であるからだ。曲目は以下の通り。

    UK - QUEBEC 1979
    1979/OCT/6 QUEBEC, CANADA

    00)INSTRUMENTAL("WALKING FROM PASTEL")
    01)CAESAR'S PLACE BLUES
    02)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    03)ALASKA
    04)PRESTO VIVACE
    05)IN THE DEAD OF NIGHT
    06)INSTRUMENTAL ("WALKING FROM PASTEL")
    07)RENDEZVOUS 6.02
    08)NIGHT AFTER NIGHT
    09)THE ONLY THING SHE NEEDS
    10)WAITIN FOR YOU

    まず1曲目が始まる前に流れている曲が後のE.JobsonのSoloAlbum"Green Album"に収録される"WALKING FROM PASTEL"である。最初からムードはE.Jobsonになっている。その後01)CAESAR'S PALACE BLUESを演奏する。これまでUKではかならず最後の曲であったものをあえて1曲目に置く。異常な盛り上がりから始まる。02)AS LONG AS YOU WANT ME HEREはこれまでのようにPianoではなく全体をHammondで弾いている点が違う雰囲気を出している。ラスト部分のjazzyなHammonとJ.WettonのチョッパーBassのからみを経てシンセをかぶせて03)ALASKAへ入る。そして最後の部分は従来ならTIME TO KILLに入るべきところから無理矢理04)PRESTO VIVACEに入る。音色もかなり変わり、後ろで叩くPercussionの音もかなり違う。05)IN THE DEAD OF NIGHTのKeyboad soloはなぜかLIVE ALBUM "NIGHT AFTER NIGHT"に近いものである。その後に続くのが06)INSTRUMENTALであるがこの曲は00)と同じ曲で後のE.JobsonのSoloUnit'ZINC'のalbum "THE GREEN ALBUM"に収録されている"WALKING FROM PASTEL" である。永遠と続く幻想的でゆったりとしたアルペジオが2分半ほど続き、その上に幻想的なViolin Melodyが続く。

    5-3)AFTER MIDNIGHT
    QUEBEC 1979より更に収録時間が短くしかも曲が途中で短くCUTされているのであまりあまり価値がないがLPの針が飛んだ音とともにCUTされているのでLP時代からあったBOOTなのかもしれない。曲目は下記の通り。

    UK - AFTER MIDNIGHT
    1979/NOV/14 LONG BEACH ARENA, LA, CA[HIGHLAND 052#U2]

    01)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    02)ALASKA
    03)PRESTO VIVACE
    04)IN THE DEAD OF NIGHT
    05)INSTRUMENTAL ("WALKING FROM PASTEL")
    06)RENDEZVOUS 6.02
    07)NIGHT AFTER NIGHT
    08)THE ONLY THING SHE NEEDS
    09)WAITIN FOR YOU

    全ての演奏曲がわからないが、選曲及び曲順もQUEBEC 1979に非常に近い。この時点でも07)NIGHT AFTER NIGHTのSOLOはALBUMに近い。

    5-4)LIVE AFTER NIGHT

    最後のツアー中(ヨーロッパツアー)でSwedenでのライブ。演奏スタイルは末期のスタイルになっていて後述のWAITING FOR YOUと同じ。曲目は下記のとおり。

    UK - LIVE AFTER NIGHT
    1979/DEC/6 GOTA LEJON,STOCKHOLM,SWEDEN [HIGHLAND HL192/193#U5]

    00)OPENING("WALKING FROM PASTEL")
    01)CAESAR'S PALACE BLUES
    02)DANGER MONEY
    03)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    04)THIRTY YEARS
    05)DRUM SOLO
    06)NIGHT AFTER NIGHT
    07)ALASKA
    08)NOTHING TO LOSE
    09)IMPROVISATION
    10)RENDEZVOUS 6.02
    11)VIOLIN SOLO
    12)INSTRUMENTAL("WALKING FROM PASTEL")
    13)PRESTO VIVACE
    14)IN THE DEAD OF NIGHT
    15)THE ONLY THING SHE NEEDS
    16)WAITIN FOR YOU17)INTERVIEW after the show

    17)INTERVIEW after the show

    最近のUKのブートでは最も新しいといえるブートである。曲目的には3日後のHamburugでのブートWAITING FOR YOUと同じであるが、Interviewが非常に珍しい。ここではNewAlbumを春に出すことを言っている。UK再結成の話の際に解散の時の話がいくつかInterviewされいているがNew Albumの予定はなかったというのが彼らのInterviewであり、当時のInterviewとは異なっている。

    5-5)WAITING FOR YOU
    QUEBEC 1979では全貌が掴めにくいが次に紹介するWAITING FOR YOUでE.Jobson's UKの全貌が掴める。曲目は下記の通り。

    UK - WAITING FOR YOU
    1979/DEC/9 HAMBURG, GERMANY[COMPLEX DREAMS UK-3002 ]

    00)("WALKING FROM PASTEL")
    01)CAESAR'S PALACE BLUES
    02)DANGER MONEY
    03)AS LONG AS YOU WANT ME HERE
    04)THIRTY YEARS
    05)DRUM SOLO
    06)NIGHT AFTER NIGHT
    07)ALASKA
    08)NOTHING TO LOSE
    09)IMPROVISATION
    10)RENDEZVOUS 6.02
    11)VIOLIN SOLO
    12)INSTRUMENTAL("WALKING FROM PASTEL")
    13)PRESTO VIVACE
    14)IN THE DEAD OF NIGHT
    15)THE ONLY THING SHE NEEDS
    16)WAITIN FOR YOU

    このBOOTを聴いた事がないUK fanがこれを聴くと驚くに違いない。新曲だけではなく、曲順が大きく変わっているのが全曲収録のためよくわかり、UKの最終形の姿がわかる。もうこの時点で3人UKではなく、E.Jobsonの為のバンドになっている。Riche Blackmore's Rainbowsではないが、E.Jobson's UKである。シンセを全面に出している07)ALASKAは演奏するが、4人UKの色が残っているTIME TO KILLは演奏されず08)NOTHING TO LOSEへ無理矢理つなげられる。15)THE ONLY THING SHE NEEDSのE.Jobson soloの後半ではこれまでとはかなりことなり、Violin度を非常に高めている。このboot以外にも聞けることだが、Studio版や日本公演までのようなviolin soloに続くkeyboad soloはやらず、ピッチカートを多様したViolin Soloを続けて、Endingとなる。ここでもE.JobsonのViolinを全面に出すというE.Jobson's Ukの姿がわかる

    6)解散
    既にバンドは重心を完全にE.Jobsonに移してしまっていたと言えるのではないだろうか?。具体的な分裂の経緯は明確になっていないが、バンドの主導権がJ.WettonからE.Jobsonに移り二人の関係が非常に悪くなり解散となったと言われている。具体的な証拠はないが、ASIA結成当時のJ.WettonのInterviewで彼はUK解散の経緯を聞かれ、「思い出したくない」と言っていた。最近の再結成NewsでのINTERVIEWでは「ツアーの後何となく集まらなかった」と曖昧に答えている。その後J.Wettonは自分のsolo album "CROSS FIRE"を80年に発売し、その中でUK来日新曲3曲の中の第3の曲である"WHEN WILL YOU REALIZE"を収録している。このAlbumはAISAとUKの中間と言えるPop Rock Albumで、これをG.Downesが少し手を入れるとASIAになると言える。また、E.JobsonはJETHRO TULLのAでSpecial Guestとして参加。T.BozioはMissing Personsを結成。具体的に次のバンドへ活動を移してしまった。

    7)その後
    J.WettonはASIAで大Breakするが、一方でE.Jobsonは83年にE.Jobson/Zinc名義で"The Green Album"を発表。前述の"WAITING FOR YOU"等で聞ける"WALKING FROM PASTEL"を含む"SyquencerSyn+E.Violin+E.Jobson's Vocal"を中心としたPopRockAlbumとし完成している。商業的には成功せず、その後"Pink Album"をRecordingするがReleaseせず。その後、PrivateMusicから当時流行のNewMusic(今で言う環境音楽っぽい)として"Theme of Secret"をRelease。全曲をシンクラヴィアで収録。その後、同じPrivate Musicの"Piano One"で3曲提供している。その後は具体的な音楽活動が見えなくなるが、AmericaでCMやTVのThemeMusicへ活動の中心を移す。ELP解散後のK.Emersonに近いが名前がなかなか見えないので日本のFanにとっては残念である。今具体的に聞けるのが、東京12chで日曜の昼1時から放送のD.Jonson主演の「刑事ナッシュ(NASH BRIDGE)」の音楽を担当している。これは最近の仕事らしく、一昨年UK再結成の際のInterviewでJ.WettonがE.Jobsonのこの仕事についてふれている。

    8)再結成
    NewAlbum"LEGACY"をRecordingして早2年。当初96年の秋にはReleaseされると言われつつもまだである。もともと92年のJ.Wettonのsolo "Voice Mail"で E.JobsonのViolinを入れようとしたところから話が始まり再結成となった。ブルガリアン・コーラスをfeatureしたりとかなり音楽の幅を広げているようだが、具体的に聞いてないのでコメントはできない。とにかく楽しみだ。レコード会社として三菱系のDHL(?)が当初あげられていたが、制作部門の停止他で現在レコード会社なしで棚上げになっているらしい。