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21's SPACE 99TheUniverse VOL.19 
        【森 羅 万 象

2001.9.14.

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earth 地球を考えよう・・みんなで・・・【いまこそ、21世紀型思考を】

なんと表現すればいいか。
まさに言葉を失うとはこのことか。
旅客機をなんの罪もない旅客を乗せたまま、一握りの集団の目的のために巻き込んだ、
この異常な出来事。
犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈りする。
「言えるときにたくさん言ってください。“愛してる”と・・・・」不明になってる方の家族の言葉だ。
耐え難い心の痛みが伝わってくる。涙なくして聞ける言葉ではない。
莫大な民間人の生命を一瞬に奪い、一国の経済と力(軍)の中枢に切り込んで、
姿を見せない彼らはを快哉を叫んでいるのだろうか。
この現実を目にして、憤怒の念を持たないものはいないだろう。
愚劣きわまりない蛮行、全人類に対する挑戦、しかもそれが同じ地球人の蛮行なのだ。
自らの要求を満たすためハイジャックする、(これも極めて卑劣な行為だが)
そこまでは、我々も思考し得る範囲といえる。
ハイジャックした航空機を乗客共々、目標を破壊するための凶器にしてしまう、これはもう思考の範囲、
限界を遙かに超えている。

この蛮行に、力を持って応える、つまり報復する、この現実の悲惨な光景を目にすれば、気の高まりと共に誰しもそう思うだろう。そしてそれが、やりきれない胸の痛みを一瞬でも、癒してくれるかも知れない。
犯行に対する追求と、それを償わせることが必要なことはいうまでもない。
それと共に、人は叡智と理性を、時になによりも強く掲げなければならい時があるのではないか。
まさにそれが「今」ではないだろうか。

イスラムの民も大多数は善良な市民だ。
過激な行動をあたかも総意の如くに装い、大多数の善良なる民を、その危険な行動に引き込む一握りの集団。
それへの大がかりな報復行動、それは、また善良な市民の莫大な犠牲を見る事になる。
ニューヨークの悲惨の繰り返しになりはしないか。
そこから生まれるものは、新たな憎しみ、新たな憎悪ではないか。
際限のない憎悪と報復の構図に陥る事に、なりはしないか。
それは、根本的な解決を更に困難にする事になる恐れは大であると思われる

聖戦(聖戦などありよう筈がないが)を唱え、蛮行を繰り返す勢力を、説得することは絶望的なことかも知れない。
だが、人には宗教の自由、思考の自由、融和が如何に大切か、そしてそれがよりよい人間の営みに、如何に不可欠か、彼らに諭す寛容を、我々は持ち得ないものだろうか。

南北問題、宗教上の軋轢、民族の癒しがたい対立、いやなににも増して、富の偏在が問題の根本にあることは、
我々も認識しなければならないのだ。有史以来人類は、これらの根本的な解決に失敗してきた。
「21世紀の戦争」と捉えて、ニューヨークの惨事にたいして、「国の威信」を全面に出して、行動すること、
それはやはり20世紀までの、人類のたくさんの苦い経験を生かすことにはならない。

どこかが、誰かが、率先(大きな悲惨な犠牲を堪えて)して、
21世型の解決を目指さなければ、それこそ人類に未来はないのではないか。

                           h.       
  
 
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