安成教授に送ったメール(2010年5月29日)

名古屋大学教授・安成哲三様
cc.気象庁長官・桜井邦雄様

昨日5月28日の地球惑星科学連合大会では、会場通路で偶然お会いできました。大会最後の セッション「宇宙気候学の進展」は、立ち席がでるほどでした。気象学本流でない研究者たちが 気象学を盛んに研究しはじめましたね。これは、20年ほど前に発足した水文・水資源学会と 同じで、気象・気候学は広範囲の人たちの研究対象となってきました。さらに予想してなかった ことですが、3つの新聞社からも取材があり、講演終了後に名刺を頂いてから知ったのです。

私の講演は、今回は招待講演ということで、2倍の時間をいただき、あまり時間を気にせずとも よいように、プログラムの最後にしてくれました。私の活動を理解してくれる方がこんな機会 を通じて増えていることを感じました。冗談半分でしょうが、私にカンパをしようという有志も ありました。

さて、気象観測所の周辺環境をよくする活動のその後のことについて、私の立場から見えることを お伝えしておきます。

去る5月13日には気象庁長官、予報部長、観測部長ほか幹部の方からは理解していただけたように 思います。しかし、実際の指揮をとるのは新しい計画課長でして、今後の私を支援してくれる方法は 検討中とのことですが、具体的なことがまだ見えてきません。気象庁は気象庁なりに考えているよう ですが、行動が極めてにぶく、こんなことでは観測環境の悪化が急速に進んでいることを止める ことが難しくなってきます。

たとえば、7月10日に私は室戸市にて市民講座を行うことになっておりまして、計画課長から、 こうした私の市民講座に際して「観測環境の維持の観点から地元に対して電話等により連絡する等 の支援は可能」との連絡をいただいています。そこで、私からのお願いとして、気象庁から (高知地台長から)室戸市長に電話でよいので、例えば「近藤の市民講座は、気象観測の重要性 について市民の理解を深めることを目的としており、気象庁としても観測環境の維持の観点から 有益である・・・・・」程度の内容を伝えてほしいと頼んだのですが、対応をしてくれたのか どうか、その後の連絡はありません。

現時点の室戸岬観測所の周辺環境に問題はなくても、将来的には地域住民の理解と協力が必要と なってくるので、市民講座を通じて住民に重要な観測所が地元に存在していることを改めて認識して もらいたいと考えています。

また、来月6月9日(水)には仙台管区気象台長・藤村弘志氏(前の計画課長)に相談に伺う 予定です。気象庁内にも、私の希望を積極的に理解し、具体的な支援策を考えてくださる方が いらっしゃるような気がします。私は現役時代、仙台管区気象台から依頼されて「防災講演会」を何度か やらせていただいたことがあります。

これに似た行事として、「気候講演会」を仙台管区気象台が 主催して青森県深浦や岩手県宮古で開催できないかどうか相談したいと考えています。昨年2月の 南大東島訪問時は南大東島地方台長(新里博美氏)の判断で、気象台と村役場の共催で「気候講演会」 (2009年2月26日)を開催していただきました。

気象庁が気候観測の重要性を認識し、重要観測所が設置されている市町村で、私を使って、 例えば「気候講演会」を開催するような仕事はできないでしょうかね? この際の講師費用などは、もちろん私は頂きませんので、気象庁は大した予算をかけずとも、 観測環境の維持や改善は可能と思っています。深浦では(観測所は町の公園内に設置)、私の4度 の訪問によって、町役場の公園整備の費用で、かなりの環境整備ができて、最後の一歩の段階まで きています。最後の一歩は、青森地方気象台の非協力(私からみれば、私に対する妨害)によって 中断されたままになっています。

最大の難関であった岡山県津山が7回の訪問で解決でき、第二の難関である深浦の環境整備が 完了すれば、他の重要な観測所の環境維持・整備が一気に解決できると、私は考えています。 これには、気象庁の予算はほとんど必要としません。このことを仙台管区気象台長にお願いしたいと 考えています。

近藤純正


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