隈部良司氏が津山市へ送ったメール(2010年6月12日)
津山市役所の皆様:
私は気象庁に勤めている隈部良司と申します。5月はじめごろ、東北大学名誉教授の近藤純正先生の
講演が気象庁内であり、旧津山測候所の観測環境に関する話をお聞きしました。先生がふるさと
納税制度により、津山市へ寄付されたことは報道により以前から知っておりましたが、講演では
観測環境の変化やその原因のほか、津山市の皆様の理解と行動についてもお話しいただきました。
その際、旧庁舎・宿舎の敷地を市で買い取り、観測環境の保全をたもちつつ公園として利用する計画で
あることもお聞きしました。それならば単に公園化するだけではもったいない。公園のできた
いきさつなどを記念碑などに残すことができれば、近藤先生や津山市の皆さんの功績をたたえる
だけでなく、住民の方々にいつまでも当地の観測所の重要性と環境への関心を持続してもらうための
よい材料となるのではなかろうかと考えました。
先生にもそのように申しましたところ、実は自分もそのようなことを思っているのだけれどなにぶん
費用もかかることであるし、と云うようなお返事でした。
津山市の皆さんにとりましても市民生活に関わる課題も多いこととお察しします。今回の件について
気象庁として余り協力的ではなかった旨のお話もあり、気象庁の一職員である私がこのようなメールを
差し上げても、説得力のないことは承知しながらも、近藤先生の、世の中に貢献しようとする
姿勢に共感を受けた一個人として、今回の件を何らかの形で後世に残すことがきっと津山市に
とって良いことだ、という意見を投書させていただきたいと思います。
隈部良司