気象庁長官に送ったメール(2010年3月9日)

気象庁長官・桜井邦雄様
cc.名古屋大学教授・安成哲三様

数年前の2005年に気象庁において、課長補佐クラスその他一般職員相手に、その当時に私が行った 温暖化の初期的解析について講演したことがあります。昨年2009年には、気象観測所の環境悪化 について談話会を開催させてほしい旨を観測部観測課に申し込んでありますが、ご返事はいただいて いません。さらに、数年前には、東北大学の花輪公雄教授(気候懇談会委員長)から懇談会開催の 担当者に近藤の話を聴く機会をつくるように申し込んでいただいたはずですが、これまで実現され ていません。

気象庁に対する私の要望は次の通りです。

(1) 談話会を開催していただきたいこと
桜井長官が私の話を聴いてくださる機会をつくっていただきたい。その談話会には長官ほか 部長・課長クラスの方が参加してくださることが必要です。

(2) 気候観測所の環境整備には、たいした予算は必要としないこと
観測所の周辺環境の整備には、観測所が設置されている地域住民の協力を得ることが重要です。 そのために、気象庁長官が観測所の周辺環境の重要性を正式に認めて、私の活動を応援してくださる ことです。各地の住民からは、「気象庁が言ってこないのに、なぜ近藤が環境整備の問題で地域住民 に説明にくるのか?」と言われます。

観測所の周辺に樹木が茂り観測の邪魔になっていても担当の地方気象台は邪魔になっていないと 説明するので、私は住民に対して、「一般の人には理解できることでも気象台職員はデータを見せて も理解できないほど無知なこと」を伝えたのです。一般の人々は観測所の周辺に樹木が成長すれば 防風林と同じ効果によって風が弱まることを知っています。こんなことさえ気象台職員は知ら ないのです。こうして私は津山市へ7回も訪問して市民に説得していただきました。

青森県の深浦は4回訪問しました。昨年2009年11月14日(土)には市民講座を開くことになって いましたが、私の出発直前に突然、講演中止の連絡がありました。しかし私が深浦町へ行ってみると、 「気象台の悪口をいうのに町の施設は使わせない」と言われました。それでも深浦観測所の環境整備 が重要なので、町会議員や知識人を訪問し、環境整備の必要性を訴えてきました。

以上の例からお分かりのように、私の活動は困難をともなっています。それゆえ、気象庁長官が 私の考え・行動をご理解くだされば有難いです。そうして、正しい気候観測ができるようになれば、 多くの国民にとって役立ちます。日本には気候監視に必要な重要観測所は10~20か所程度です。

各地気象台でも職員の教育に役立つように、私はボランテアで講演会・セミナーをしています。 その際、職員から「本庁が指針を示さないと、地方気象台ではどうにもならない」と言われます。 さらに大きな問題は、アンケートによれば、気象庁職員の大多数は「気象庁は気候研究・観測は 仕事でない」と思っていることです。

(3) 気象庁職員を教育したいこと
私が各地を巡回して気づいたことは、職員の基礎的知識の欠如です。そこで、気象庁の担当者 20名程度(本庁2名、各管区気象台と沖縄気象台から各2名程度)を本庁に集めてくだされば、 私が環境整備について具体的なことを説明します。その後、私と一緒に管区気象台ごとに重要な 観測所を巡回し、具体的な環境整備について現場で教えることが可能です。

近藤純正


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