山田哲司の講演要旨
建物周りの境界層ー気象モデルと流体力学モデルの結合ー
要旨
近年問題になっている都市ヒートアイランド、米国9.11で見られた都市での
拡散問題の理解には建物周りの気流の解析が可能なCFD(流体力学)モデルと
局地風のシミュレーションが可能な気象モデルの機能の結合が望まれる。
CFDモデルの手法を用いて建物回りの圧力と気流の調整を行えるように
メソスケールモデルを改良した。外壁での熱エネルギー収支、室内温度を
境界条件として壁面に直角方向の一次元熱拡散方程式を解いて壁内の
温度分布を求めた。
一辺が30mの立方体の建物2個を直列に並べた理想的なシミュレーションで
壁面・屋上の気温の日変化が気流・拡散に与える影響を調べた。建物周りの
気流・拡散は大きく日地変化し風洞実験からよく知られている気流パターン
と大きく異なった。
神戸港、六甲山を含む計算領域内の海陸風、山谷風を再現した。
ネスティングで一番内部の領域に複数の建物を設置した。局地風の影響を
考慮した建物周りの気流・拡散を可視化したアニメーションを作成した。