研究課題に対するヒント
(突風率と最大瞬間風速の評価)
(1)最寄の高層気象観測所(稚内、札幌、根室、秋田、
仙台、輪島、館野、八丈島、潮岬、米子、福岡、鹿児島、名瀬、那覇、石垣島、
南大東島、父島、南鳥島など)における850hPa面高度
(中部日本の山岳の影響の大きい中部日本域~関東地方については
700hPa面高度)の日平均風速を上空の風速とする。上空の日平均風速
が15m/s 以上の日を強風日とする。
(2)地上の最大瞬間風速 Umax が観測された時刻の
平均風速 U は一般に公表されていないので、地上の
日最大風速 U10max(10分間の平均風速のうち1日間の最大値)
をその時刻における平均風速 U のとして用い、
[突風率≒最大瞬間風速/日最大風速] の式から算出してよい。
(3)気象官署などで用いられている、風車型風速計は各瞬間の
風速の大きさの時間平均値(VS:スカラー平均値)を平均風速
として観測している。
VSは平均風向成分の平均風速(u 成分風速=ベクトル平均値)
より必ず小さいが、その違いは風向変動の大きさに依存し、1%(風向変動の
標準偏差が8°のとき)~4%(同、16°のとき)程度である。
したがって、この研究課題の場合には、近似的にベクトル平均値と
スカラー平均値の区別はしなくてもよい。
(4)一般の気象観測所について強風日の突風率を求める際、
上空の日平均風速は近傍の2~3箇所の高層気象観測所の
風データから推定できる。