(4/20) きょうもまた、乳母と二人で横藪の西南にそびえる高森山に登りました。 そして仁淀川から取りよせた小石を並べてその上に座り、 はるか波川の城址を眺めて昔のことを思い、淋しい心を なぐさめました。 兄・長宗我部元親の家来がたびたび参り、兄の元へ帰るようにと 勧めましたが、養甫尼は亡き夫に貞操を守りつづけて耳を傾けませんでした。