(2/20) 戦(いくさ)に破れた城主・安芸国虎は、長男・千寿丸と 次男・鉄之助の二人を家来に預けて、阿波(あわ)の国へ 向かわせました。 八歳の鉄之助は、兄と家来とともに昼夜、休みなしに歩きつづけて、 まだ見知らぬ他国に向かいました。 涙を流して振りかえり振りかえり、焼け落ちる父の城を 後にしたのです。