153. 深大寺(調布市)

著者=近藤 純正
調布市の深大寺は武蔵野台地南縁の崖下、湧水のある所に開かれた寺で、 参詣人が多い。(完成:2016年9月24日)

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東京都調布市にある深大寺で貰った案内書によれば、深大寺は奈良時代の天平 5(733)年、水の神の深沙大王(じんじゃだいおう)をまつる寺として開かれ た。

京王線の調布駅北口からバスで、三鷹通り経由と武蔵境通り経由の行き方が ある。

深大寺は武蔵野台地の南縁の段丘崖の下にある。湧き水があり、私は最近、 何度となく訪ねている。日曜日など休日は参詣人がとても多く、門前の店が 賑わう。

武蔵境通り経由の深大寺入口で下車、東に歩くと「深大寺水車館」がある (写真①)。その入口の案内板によれば、この地域は、かつて雑木林が茂り、 豊富な湧き水を水源とする逆川の水を利用した水車が回り、川にはウナギや サワガニがすみ、近くの田んぼにかけてホタルが飛び交っていた。水車は 電動モーターの普及などによって昭和30年頃には使われなくなった。 現在の水車は深大寺水車館として復元されたものである。

水車
写真① 深大寺水車館。

参道(写真②)とそれに交わる東西の通路に沿ってそば屋が多い。私は いつも昼食にそばを食べる。

深大寺山門は茅葺である(写真③)。山門脇の案内板によれば、深大寺は、 慶応元年(1865年)の大火によって建物の大半を失ったが、この山門 は災禍をまぬかれた建物の一つで、元禄8年(1695年)の建立である。 調布市の市重宝に指定されている。

参道
写真② 深大寺参道。

山門
写真③ 元禄8年建立の深大寺山門。

山門を入ると正面に本堂(写真④)、その右方の客殿入口に寺務所がある。 寺務所で腕章をもらって、湧水の水温を測りに出る。崖につくられた延命観音の 下に湧き水がある(写真⑤)。2016年の5月から毎月測っているが、 水温は17.1℃の一定である。

本堂
写真④ 深大寺本堂。

湧水
写真⑤ 延命観音の下の湧水。

特別の許可を得て、本堂裏の井戸と不動堂裏の井戸の水温を測ってみると 0.1℃の差で、ほぼ等しい。

水温観測を終えて寺務所に腕章を返却する。山門の東隣に鐘楼がある(写真⑥)。 この梵鐘は新しいものだが、重要文化財に指定の応安7年(1374)の 古鐘は現在、釈迦堂内に保存されている。

鐘楼
写真⑥ 鐘楼。

山門を出ると、湧水の流出水路が西から東へ流れ、水路の両側には店が並ぶ。 陶芸体験ができる「むさし野深大寺窯」の店先に陶芸品が並べられ、上の ほうには風鈴がある(写真⑦)。

陶芸体験として3コースがある。用意してある素焼きの器に絵付けをする 「らくやきコース」(250円~1100円)、約1週間で焼き上がる 「本焼きコース」(350円~1500円)、粘土から約1か月で焼き 上がる完全オリジナル作品が作れる「手びねりコース」(大人2500円、 こども2000円)がある。

土鈴
写真⑦ 深大寺窯の土鈴。

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