144. 明治神宮内苑

著者=近藤 純正
明治神宮の森は植林して100年後の現在、樹木の遷移を経て、うっそうと茂った自然森となった。 (完成:2015年10月12日)

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明治神宮社務所でもらった案内書によれば、神宮は明治天皇・昭憲皇太后をおまつりする神社で、 大正9年(1920)11月1日創建である。神宮と総合結婚式場「明治記念館」のある内苑と、 スポーツ施設を有する外苑から成る。

去る2015年5月2日のNHKスペッシャル「明治神宮不思議の森~100年の大実験」によれば、 この森は世界でも例を見ない 「人が作り出した究極の森」という。今から100年前、明治神宮の 創建にあわせて、東京の真ん中に人工の森を作ろうという壮大な実験が始められて、日本各地から 集まった10万本の樹木が植林された。林学博士・本多静六たちは、樹木の遷移という近代造園学 の知識を初めて取り入れ、多様な樹木を植えて競い合わせることで「永遠に続く究極の森」を作る という理想を目指してつくられた。100年後の現在、樹木の遷移を経て、うっそうと茂った森と なったのである(NHK放映による)。

南参道鳥居から北へ400mほど玉砂利の道を歩き左折すると日本一の大鳥居がある(写真144.1)。 高さ12m、柱間9m、柱の径1.2m、笠木の長さ12mである。次いで180m歩いて右へ 曲がり奥の本殿へ向かう。

大鳥居
写真144.1 明治神宮大鳥居(2015年4月18日撮影)。

本殿はもとより、神楽殿も社務所も立派である。驚いたのは森の所々に設けられているトイレが とてもきれいである。

神宮の森を南北に通る道路は本殿の東側と西側にあり、その周辺は100年を経てできあがった自然の 森である。東側は広い参道で玉砂利が敷かれており、西側の道路は適当な道幅で歩くのに気持ちが 良い(写真144.2)。

西道路
写真144.2 本殿西側の南北道路(2015年4月18日撮影)。

イベント
写真144.3 アースデイのイベント(2015年4月18日撮影)。

境内の北部には広い芝地が南西から北東に延びている。その南西側の西芝地で何やらイベントが行われ ている。何かと訊くと、5月18日と19日は「アースデイいのちの森2015」、ちょうどいま、 白い衣装をまとった女性たちの踊りが始まろうとしていた(写真144.3)。

大鳥居の南西側に広がる森は明治神宮御苑である。御苑入口でもらった説明書によれば、江戸初期 以来加藤家、伊井家の下屋敷の庭園であったが、明治時代に宮内省所管となり、代々木御苑と 称せられ、明治天皇、昭憲皇太后がたびたびお出ましになられた、由緒のある名苑、と書かれている。 面積は8.3ヘクタール(8町余り)である。

清正井
写真144.4 神宮御苑内の清正井(2015年4月18日撮影)。

下りていくと池があり、その北の端には「清正井」があるので行ってみると、守衛に守られた湧き水の 井戸があった(写真144.4)。説明板には次の内容がある。

清正井
この地に下屋敷を構えていた加藤清正が掘ったと伝えられ、一年中絶えることなく湧き出る清水は 南池の水源となり掘り方の巧妙と水質の優秀なことは早くから世に知られていた。

南池の北側につながる菖蒲田がある。6月6日に行くと、菖蒲の花を見学する人々で賑わっていた (写真144.5)。 菖蒲田
写真144.5 神宮御苑内の菖蒲田(2015年6月6日撮影)。

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