ライオンのかかとのにおいを嗅いでみたとして どんなはばかりが河岸段丘に色づくのだろうね 人はみんな違っているから素晴らしいと言うが 僕だけが愛してもらえない夜は素晴らしくない みんながみんなが僕だけが僕だけがライオンと 使うたびに少しずつ壊れていく使用禁止の準星 跨がってのそれはこのうえなく突き上がる脈々 うまくいかないと思うとうまくいかないもんだ 変えられないたったひとつの過去と無限の未来 無限に選べる過去と決定しているひとつの未来 そのうちどちらかを選べと言われたらどうする 僕の鮮明な手形の傍らに君の手形のキルリアン 僕の灰白質をインディゴに染める残像は仄かに 幽かにわずかに細やかなバグのキナ臭さに消ゆ 固く踏みしめられた雪道を往けばきみははるか 鼻面から湯気を吹き出す痩せ細ったライオンと 出し忘れた手紙の日に焼けたそのノスタルジー いつもいつも僕は言えないことを言おうとする いつまでもいつまでも言えないことを言おうか 邯鄲の夢と伝えたとして君の胸は震えるばかり 刹那 うまくいきたい 扉の向こうのエーテル |
Kuri, Kipple : 2003.01.23 |