写 真 −0

写真は 枕と真っ暗を

くぐり抜け よどみ とおり抜けて

セピアに 色褪せてしまいました

手垢と 涙で

さみしくて せつなくて

思い出の 輪郭どおりに

彩ってみました

ひそかな名前は 風景へと

溶けこんでいきました

眩暈を 許すこともなく

写真の顔は

他人の顔に なりました

Janis Ianに
Kuri, Kipple : 2004.02.14


HOME >  「月がもっと近かった頃」TOP >  目次 > このページ