その人は、生きながら生きる目的を探すのであった
それはまるでコアラのなまけもの…、じゃなくて
なまけもののコアラがいきなり
グレートパリアフリー、いや、リーフに突き落とされたかのようで
彼は苦労に苦労を重ねたクローン人間、いや、苦労人なのであった
それならまだましなほうだ
ほとんど飛べない鶏、それもブロイラーの分際で
セスナからブンッと投げ出されたと同じ程度に
命知らずの身のほど知らずでもあった
その人は、美しい女を愛してから
愛し方を模索し、愛を考えるのであった
よって傷つく以上に傷つけたし
傷つけたと承知している以上に傷つけていた
それは産まれてすぐに千尋の谷めがけ
放り出されたライオンの子のようであった
ムササビ型、猫型、豚型、コモドオオトカゲ型
落ちる姿をいくら変えてみたところで
着地の結果はたったひとつきり
その人は歌いながら
何故歌うのか考えずにはおれなかった
だから誰も聞いちゃいないことに
なっかなか気づかなかったのは、悲しい
失敗だった
失敗することの目的だけはすぐに分かったが
その人は、書き出してから書く目的を探すのであった
大詰めを書き終えつつまるで神業のように
何を書いていたのかが明らかになるのであった
しかしそれは(推敲してないし)その人の技量ではなく
リンゴが落ちるのと同じことだった