オリオン座の真ん中の3つの星の一人が
笑いながら喚びかけています
「まだらひれ」は、その声の遠さに驚きました
そして、嬉しくなりました
そして、星のとこまで、行くことにしました
ゆっくり、湖の底に沈んでいきます。

お腹が腐ってガスがたまり
「まだらひれ」がもう一度浮かび上がるまえに
殻のあるものたちが「まだらひれ」を全部食べました
でも殻のあるものたちはみんながみんな
「まだらひれ」が泳ぎたかったぶん、チュピチュピ泳ぎました。
やがて「小さな魚」が「殻のあるもの」に食いつきました
「大きな魚」が「小さな魚」を飲み込みました
「大きな魚」は「黒い鳥」に食べられました
「毛の生えたもの」が「黒い鳥」を捕まえました
「二本足で歩く白いもの」が「毛の生えたもの」を食べました
これがわたしたち「人間」です
だから「人間」の中には、「まだらひれ」がいるのです。
一つ目の文明がやって来ました
そして消えました
二つ目が来て、三つ目が来ました
大きな音を立てて行き過ぎます
「カマンゴウ、カマンゴウ」。
そして四つ目の文明の夜です
冬の、南の夜空を見てご覧なさい
大きな大きなオリオン座が見えます
あまりに遠くて驚いてしまいます
そして嬉しくなります
そして心臓のあたりがチュミッとなります
それは哀しさでは、ありません
おわり。