もしも私が賢治なら “こころ”が電光スパークの パタンの変化であるならば 線香花火の一瞬が 私の嘆きであるでしょう “おもい”がイオンの泳動と 伝わる鏡の位相なら 寄せては返すさざ波が 私の愁いであるでしょう 言葉尽くせぬイマージュが 今日の君へのアナグラム 清かな草のオマージュが 昨日の君の戻り道 陽炎連れたミラージュが 明日の私の時刻の意味 言葉と物と魂と 事と時間が君ならば 静寂に落ちた雨粒が 私の痛みであるでしょう